立ちくらみ

NHK総合テレビ毎週水曜日・午後8時から放送中
http://www.nhk.or.jp/gatten/
クラッとしたら…そこに潜む病気解明ＳＰ
2015年02月04日放送
今回の番組について
今回のテーマは「立ちくらみ」。
起き上がろうとしたときやイスから立ち上がろうとしたときなどにクラッ
とくる経験はよくありますよね。とはいえ、一時的な症状なので、特に気に
している人は少ないのではないでしょうか。
ところが、今回ご紹介するのは、死の危険もあるタイプの立ちくらみで
す。
単なる立ちくらみと思いきや、がんや突然死につながる立ちくらみがある
ことがわかったのです。
危ない立ちくらみの見分け方や、メカニズム、予防法、治療法などのほ
か、４０∼５０代に急増中の突然失神してしまう「謎の立ちくらみ」につ
いての最新情報もあわせてご紹介します。
番組ディレクターのひとこと
「立ちくらみぐらいで」と思わずに！
突然クラッ…とする立ちくらみ。私も疲れているとたまに起こります。な
んとなくなんで起きるんだろうと素朴な疑問をきっかけに調べ始めたら、思
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わぬ危険な病気が次々と！
さらに驚かされたのが、朝礼のときにクラッとして倒れるのと同じことが、
働き盛りの人たちにも起きているという新事実！心臓や脳を調べても異常
が見つからないため、原因が分からないままあちこちの病院を回り続け悩ん
でいる人も多くいるそうです。
今まで立ちくらみなんてまったく気にしていなかった方も、これからは何
らかの異常を示しているものと思って、体調を気にかけてみてください。
クラッときたら便をチェック！黒い便や赤黒
い便は、がんの疑いアリ
３年前、肩の手術を受けてから立ちくらみが頻繁に起きるようになったAさ
ん。病院で検査を受けたところ、なんと大腸がんと診断されてしまったの
です。
そもそも立ちくらみは、血管を収縮させる交感神経の働きが低下し、頭
に血液が行かなくなることで起こります。Aさんは検査の結果、体内で
の出血による貧血が原因で、脳が酸素不足になって立ちくらみを起こして
いました。
がんの表面はとてももろいため、便が大腸内を通過するたびに出血しま
す。自覚症状がなかったのは、大腸には痛みを感じる神経がないためだ
と考えられます。
ただし、大腸から出血すると便に血がつく場合があるので、便をチェックす
ることで気づくことができます。
赤い血だけでなく、黒い便や赤黒い便のときは、検査を受けること
をおすすめします。
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脈拍が３秒以上空白の場合は、突然死につな
がる立ちくらみかも!?
５年ほど前から立ちくらみが起きるようになったBさん。疲れのせいだろう
と、特に気にしていませんでした。ところがしばらくすると、イスから立ち
上がろうともしていないのに転げ落ちてしまったり、ベッドで眠ったはず
が、気づくと床で寝ていたりといった、不思議なことが次々と起こるように
なりました。心配になったBさんが病院で検査を受けたところ、すぐ手術す
ることになったそうです。
じつはBさんの立ちくらみは、心臓の異常により、血液が脳に送られて
いないことが原因で起きていました。
心臓は電気信号で動いていますが、Bさんの心臓は心房から心室に送られる
電気信号が一瞬途絶えたために動きが止まってしまったのです。
この状態を「心原性失神」と言い、心臓の止まる時間が長くなってしまう
と、突然死につながる危険性もあります。
立ちくらみの原因が心臓の異常にあるかどうかは、脈拍を測ることで見分
けることができます。脈拍が３秒以上の空白がある人は、心臓に異常があ
ると考えられるので、循環器内科を受診することをおすすめします。
脈拍以外にも、横になっていても失神する、動悸(き)がするといった人
も要注意です。
Bさんは、ペースメーカーを体に埋め込む手術を受けることで命を救われ
ました。この手術は１∼２時間で終わり、５∼１０年に一度の電池交換
ですみます。また、術後１年ほどで運動も行うことができます。
※運動は、医師の指導のもと行ってください。
ストレスが原因の立ちくらみは立つだけで治
る!?
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突然クラッときて倒れてしまい、失神もしてしまう「失神性立ちくらみ」
は、貧血でもなく、心臓に異常があるわけでもなく、健康な人にもある日突
然起こります。
あるデータによると、「失神性立ちくらみ」は４０代から６０代の働き
盛りの世代に多くみられることがわかりました。
「失神性立ちくらみ」は「血管迷走神経性失神」という病気で、原因の一つ
は、ストレスです。
立っているときでも血液が下から上に流れるのは、交感神経の働きによって
血管が収縮するため。ところが、ストレスを抱えると体をリラックスさせ
る迷走神経が働くことで血管が広がってしまいます。その結果、上に流れ
る血液が下に下がってしまうのです。
じつは、「失神性立ちくらみ」は自宅でも治療することができます。
その方法とは、なんと「立つだけ」！あえて失神しやすい状況を作り、
繰り返し行うことで失神に対する抵抗力をつけるのです。詳しいやり方
は、「お役立ち情報」で。
また、「失神性立ちくらみ」には、吐き気や腹痛、頭が重いといった前
兆があります。前兆に気づいたら、手を組み合わせて引っ張ったり、足
を交差させて力を入れたりして体を緊張状態にすれば、頭に血液が行く
ようになるので、意識を失って倒れることを予防することができます。
今回のお役立ち情報
大腸がんが原因の立ちくらみについて
立ちくらみの中には、キケンなタイプがあります。
そのひとつが、大腸がんが原因で起こるタイプ。大腸がんが原因の立ちくら
みかどうかは、便でチェックできます。便が赤かったり、黒かったり、赤黒
かったりした場合は、がんの疑いがあるので、早めに検査を受けてくださ
い。
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突然死につながる立ちくらみについて
もうひとつのキケンな立ちくらみが、心臓の異常によって突然死につながる
タイプです。このタイプは、心臓を動かす電気信号が途絶えることで血液が
脳に送られず、立ちくらみや失神を引き起こします。立ちくらみの原因が心
原性失神かどうかは、脈拍を測ることで見分けることができます。脈拍が３
秒以上の空白がある人は、循環器内科を受診することをおすすめします。横
になっていても失神する、動悸(き)がするといった場合も要注意です。
「失神性立ちくらみ」について
「失神性立ちくらみ」は、４０代から６０代の働き盛りの世代に多く見られ
ます。この立ちくらみの原因はストレスです。ストレスを抱えると、体をリ
ラックスさせる迷走神経が働くことで血管が広がり、頭へ行くはずの血液が
下へ下がってしまうのです。「失神性立ちくらみ」には、気分が悪くなる、
頭が重く感じるといった前兆があります。前兆に気づいたときに大切なの
は、倒れないこと。
手を組み合わせて引っ張ったり、足を交差させて力を入れたりして体を緊張
状態にすれば、頭に血液が上がるため、意識が失われるのを予防できます。
「失神性立ちくらみ」の治療について
「失神性立ちくらみ」は、壁に寄りかかって立つだけで完治できます。
（1）壁に頭からおしりまでぴったりくっつくように立ちます。
（2）足を少し前に出し動かさないようにします。
（3）最初は立てる時間だけでOK。無理しないこと。徐々に立っていられ
る時間が長くなり、30分間立ち続けることを目標にします。
これを１日２回繰り返すと、早くて１か月ほどで効果が現れます。
※気持ち悪くなった場合はすぐにやめてください。万が一倒れたときにけが
しないよう、周囲にはものを置かないでください。
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