情勢音痴の『低学力問題』

牧田議員の情勢音痴の「的外れ」の質疑。
(学力低下問題)
今でも残念に思っている牧田議員の質問があります。
彼は、平成22年の12月議会で『学力低下問題』に関して質問をしました。
しかし、質疑の内容は、かなり期待に反するものでした。
質問自体が、基礎知識を欠いた質問だったし、情勢音痴とも言える内容で、雑な的外れな
質問となり残念としか言いようがありません。
1,牧田議員の質問
「関西の女子大で教鞭をとっておられる先生の本を読んでいたのですけ
れども、その本の中に最近の大学生英語力が非常に落ちていると。
①現行の大学生の平均的な英語の能力というのは、中学卒業程度、
若しくはそれもおぼつかないかという記述がございまして、その他
にも英語のみならず、②全科目においても学力の低下ということが
散見されますので・・」と、関西の女子大の先生の書物を前提に、
③『現在の中学3年生と10年前の中学3年生との『英語の能力の差
があるか」と問い、その『原因』も聞いています。
2,質問の検証
(1)実は、②の質問は、本来は重要な意味を持った質問のはずでしたが、牧田
議員には、この問題に対する基本的知識が全くなかった為か、(マスコミ
等でも話題にはなっていたはずでしたが)『学力低下』の主要な原因とな
った当時の『学習指導要領』(ゆとり教育)に関する質問として組み立てら
れていない為に、かなり見当外れの(空振り)質問になってしまいました。
なお、牧田議員が、「全科目においても学力の低下ということが散見され
ます」と発言していますが、これも不正確な発言です。
もし、事実なら『全科目(教科?)の学力低下』の事実を数値で示して欲
しいものです。
そもそも、小中学校の場合『全科目』ではないはずですし、「教科」と「科
目」の使い間違いがあるように思います。従ってここは『全教科』のはず
です。
当時、それもかなり早くから、生徒の学力低下が問題になり、『ゆとり教
育』への批判が起こっておりました。そうした中、学習指導要領の改正が
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行われ、『脱ゆとり教育』へと舵が切られましたが、その移行期間の中で
早めに手がつけられたのが数学と理科の授業時数の増加でした。
移行期間を終えて『脱ゆとり教育』によって授業時数が増えたのは、数学・
理科に加えて、国語・社会・英語、それに体育でした。
英語は、小学校で新たに70時間の導入があり、中学校では105時間も
増えました。
従って、「全科目においても学力の低下ということが散見されます」とい
う発言は、事実を具体的に把握した質問ではありません。
牧田議員は、「全科目の学力低下が散見されます』などと言っていますが、
その背景をきちんと押さえた上での質問になっていないのです。
だから、『学力低下』という大事な問題を取り上げておりながら、世間話
のような質問になってしまったことが、残念でなりません。
単なる『本を読んだ』という聞きかじりに基づく質問としか言いようがあ
りません。
(2)『学力低下』の基本的原因は、平成14年度から導入された小中学生の学習
指導要領による『ゆとり教育』(高校の場合は平成15年から))に伴って
行われた『学習内容の3割削減』にその主要な原因があります。
有名になった話では、「円周率を3」で扱うというような事にまでなり、
これが週休2日制と結びついて行われたことです。
それが、国際学力調査の発表で国語や数学や理科の成績順位を下げること
になり文科省も学力低下の事実を認め、平成23年度、小中学生の新しい
学習指導要領の導入によって『脱ゆとり教育』へと舵を切ったのです。
(高校は平成24年度から)
(3)牧田議員が、『学力低下問題』を質問したのは、平成22年の12月です。
『脱ゆとり教育』への移行が、小学校・中学校では平成21年度から始ま
りました。つまり、牧田議員が議会で質問した時期は、『ゆとり教育』へ
の批判が、沢山出ていて『脱ゆとり教育』への舵を取っている最中でした。
牧田議員はせっかく「学力低下問題」を取り上げたのですから、平成14
年から実施された「学習指導要領」による『ゆとり教育』の弊害に関して
意見を言い見解を求める場面だったのです。
(4) 「現行の大学生の平均的な英語の能力というのは、中学卒業程度、
若しくはそれもおぼつかないかという記述がございまして・・・ 」
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この発言も、首をかしげました。本を書いた人が、どこのデータに基づ
いて書いたたものか、と思いました。
だから、国公立を含めた『平均的大学生』の英語のレベルをそこまで
「低いと断定する情報」を鵜呑みにして発言するのは軽率ではないかと
思ったのです。
そもそも『大学生の平均的な英語の能力・・・』って、どの範囲の大学
や学生のことを言っているのでしょうか。これも、言ってみれば、小数
点の割り算・パーセントの計算なども満足に出来ない大学生もいるとの
話と同様で、
『中にはいる』と表現すべきが正確なところだと思います。
蛇足ながら、補足すれば、いわゆる受験校と呼ばれる高校出身の学生に
は、国公立・私大を含め、そんな学生はいないと断定しても良いです。
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