4月の 税情報 2012・4 月号 税理士法人平川会計パートナーズ月報 上 野 本 社〒110ー0005 東京都台東区上野 1丁目9番4号 千代田本部〒101ー0021 東京都千代田区外神田6丁目9番6号 大阪事務所〒541-0054 大阪市中央区南本町 3丁目6番 14 号 イトゥビル3階 TEL 0338362751 FAX 0338357471 今月の税情報「特定資産の買換え特例の改正事項」 「長期所有資産の買換え特例・特定の資産の買換えの場合等も課税の特例」 Ⅰ.長期所有資産の買換え特例(個人:措 37①、法人:措法 65 の 7①、表九号) (1) 改正前制度の概要 :法人が 10 年超保有する土地等、建物又は構築物を譲渡し、同じ事業年度内に土地等、建 物、構築物、機械及び装置又は貨物鉄道用の機関車等を取得し、取得の日から 1 年以内 に事業の用に供した場合、その譲渡益の 80%について圧縮記帳により課税の繰り延べが できる。 (2) 課題:買換資産に制限がないため、政策目的が曖昧になっている (3) 改正事項 :土地の有効利用を促進させる要件を入れる改正を行う。 :買換資産の対象を経済の活性化に資するものに重点化する <買換資産が土地の場合> ① 事業活動に活用される建物等の敷地の用に供される場合(特定施設)に限定する 例:工場、研究所、事務所、店舗、倉庫、ホテル、レストラン、病院、映画館、住宅等 (注)開発許可申請を行っている場合に限り、駐車場等を認める ② 土地利用の効率化を進めるため、300 ㎡以上の土地に限定する * 上記の他、貨物鉄道用の機関車から入換機関車を徐外する <チェックポイント> ○ 平成 24 年度税制改正事項 * 特定(事業用=注:所得税も同様とする)資産買換特例における長期所有の土地、建 物等から国内にある土地、建物、機械装置等への買換えについて、「土地等の範囲を事務 所等の一定の建築物等の敷地の用に供されているもののうちその面積が 300 ㎡以上のも のに限定する等の買換資産の見直しを行った上で、3 年延長する」(注:法人・個人とも に平成 26 年 12 月末まで) (4) コメント 「概要」 * 事務所等=事業の用に供している限りは賃貸でも事業用と考える * 収益物件=事業の用に供している賃貸用建物・マンションとその敷地も適用される * 自己使用に法令上(特定施設)に限定される * 中古建物・敷地も適用される * 事業活動に直接活用されるものなので福利厚生施設の用に供されるものは不可 * 貸地 の返還を受けた場合の立退料(65 の 7(1)-14)は土地の取得になる * 「供されているもの⇒供されるもの」改正法は記述される * 駐車場に供されるものを除いている * 青空駐車場の適用される要件あり(開発許可申請中の仮の駐車場) * 駐車場単独では買換資産の対象とはならないが「やむを得ない事情がある」場合に限っ ては適用が認められる ① 都市計画法 29 条 1 項又は 2 項の規定による許可の手続き ② 建築基準法 6 条 1 項に規定する確認の手続き ③ 文化財保護法 93 条 2 項に規定する発掘調査 ④ 建築物の建築に関する条例に基づく手続き(建物又は構築物の敷地の用に供されて いないことが当該手続を理由とするものにつき国土交通大臣が証明したもの)が進 行中であるもの * 「建物等の敷地の用に供される場合」ということで、工場、研究所、店舗、倉庫など各 種の建物の事業遂行に必要な駐車場部分は建物等と同様に取扱われる * 300 ㎡は公簿面積か実測か=実測が原則 * 面積制限5倍との関係は適用される * 面積制限5倍は土地単価で試算すれば 6 分の1単価で買換えすることである * 適格組織再編の資産取得の場合の適合性は要件にて検討する Ⅱ.特定の資産の買換えの場合等の課税の特例(臨時特例法第 19 条~21 条、第 27 条~29 条) <東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律> (1)改正前制度の概要 :一定の区域内にある土地等、建物又は構築物を譲渡し、一定の要件に該当する土地等 又は減価償却資産(買換資産)の取得をして、事業の用に供した場合には、その譲渡益 の範囲内(繰延 100%)で、圧縮記帳(個人にあっては、取得価額の引継ぎ)による課税 の繰り延べができる。 (2)適用期限=平成 28 年 3 月 31 日 (3)対象となる買換えの態様 ① 被災区域内にある土地等又はこれとともに建物若しくは構築物の譲渡をして、国内に ある土地等又は減価償却資産の取得をした場合(*中⇒外 *中⇒中) ② 被災区域外にある土地等、建物又は構築物の譲渡をして、被災区域内にある土地等又 は減価償却資産の取得をした場合(外⇒中) <譲渡資産> <買換資産> 譲渡金額 取得金額 譲渡益 買換 圧縮損 <繰延 100%> 帳簿価額 ⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒ 帳簿価額(圧縮後) 以上 4 月 ①給与支払報告に係る給与所得者異動届出 の 税 務 4 月 1 日現在で給与の支払を受けなくなった者があ るときは 4 月 16 日までに関係の市町村長に要届出 ②公共法人等の道府県民税及び市町村民税均等割の申 申告期限・・・5 月 1 日(道府県及び市町村) 告 ③軽自動車税の納付 (1) 賦課期日・・・4 月 1 日 (2) 納期限・・・4 月中において市町村の条例で定め る日 ④固定資産税(都市計画税)の第 1 期分の納付 納期限・・・4 月中において市町村の条例で定める日 ⑤3 月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付 納期限・・・4 月 10 日 ⑥2 月決算法人の確定申告〈法人税・消費税・地方消 申告期限・・・5 月 1 日 費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税〉 ⑦2 月、5 月、8 月、11 月決算法人の 3 月ごとの期間短 申告期限・・・5 月 1 日 縮に係る確定申告〈消費税・地方消費税〉 ⑧法人・個人事業者の 1 月ごとの期間短縮に係る確定 申告期限・・・5 月 1 日 申告〈消費税・地方消費税〉 ⑨8 月決算法人の中間申告〈法人税・消費税・地方消 申告期限・・・5 月 1 日 費税・法人事業税・法人住民税〉・・・半期分 ⑩消費税の年税額が 400 万円超の 5 月、8 月、11 月決 申告期限・・・5 月 1 日 算法人の 3 月ごとの中間申告〈消費税・地方消費税〉 ⑪消費税の年税額が 4,800 万円超の 1 月、2 月決算法 申告期限・・・5 月 1 日 人を除く法人の 1 月ごとの中間申告(12 月決算法人は 2 ヵ月分)〈消費税・地方消費税〉 ⑫固定資産課税台帳の縦覧期間 4 月 1 日から 20 日又は最初の固定資産税の納期限の いずれか遅い日以後の日までの期間 ⑬固定資産課税台帳への登録価格の審査の申出の期間 市町村が固定資産の価格を登録したことを公示し た日から納税通知書の交付を受けた日後 60 日まで の期間等
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