1月の 税情報 - 平川会計パートナーズ

1月の
税情報
2013・1 月号 税理士法人平川会計パートナーズ月報
上 野 本 社〒110ー0005 東京都台東区上野
1丁目9番4号
千代田本部〒101ー0021 東京都千代田区外神田6丁目9番6号
大阪事務所〒541-0054 大阪市中央区南本町 3丁目6番 14 号 イトゥビル3階
TEL 03­3836­2751 FAX 03­3835­7471
謹賀新年
本年も益々の御発展を祈念いたします。
税理士法人平川会計パートナーズ
代表社員
平川忠雄
今月の税情報「平成 25 年度税制改正案の動向①」
「事業承継税制の改正要望と対応する関係省庁の審議状況」
「1」相続税・贈与税における「事業承継税制」改正の動向
1.事業承継税制の改正要望
(1)雇用要件(5 年 8 割)未達成時のペナルテイが過大⇒5 年経過期間の仕組み見直し
⇒雇用 8 割以上を5 年間平均で評価し未達成の場合=下回った分を納税する方式
(2)先代経営者の代表者退任=有給役員継続可
(3)親族外後継者への遺贈・贈与(低額譲渡を含む)⇒納税猶予の対象とすべき
(4)小規模会社の所有する事業土地の減額特例の設置
(5)会社の事業資金の担保に供されている不動産も納税猶予の対象とすべき
(6)相続税納税猶予額の計算方法の見直し(経営承継相続人が被相続人の債務を引き継
いだ場合の納税猶予額の減殺規定の見直し)
(7)5 年経過後に納税猶予額を全額免除
2,事業承継税制の改正要望に対する財務省のスタンス
事業承継税制(相続税・贈与税)<新規・拡充>(H24.12 上旬、時点)
項目
記号
対応
(1) 雇用要件の見直し
①
5 年間平均での評価
△
②
基準未達成の場合に基準を下回った分だけ納税
××
(2)先代経営者の役員退任を代表者退任と見直す
▲
(3)親族外承継を対象化
△
(4)5 年経過後の納税免除
××
(5)会社の事業資金の担保に供されている不動産の納税猶予対象化
××
(6)小規模会社の宅地等の減額特例の創設
××
(注)記号の意味
○
:要望どおり認められる見通しのもの
△
:要件絞り込みや優遇幅縮減等はあり得るが要望内容が認められる可能性が比較的高
い見通しのもの
▲
:要望内容を抜本的に見直せば要望内容が認められる可能性があるもの
×
:認められない見通しのもの
××:認められない見通しであり、かつ、事務的には今後の議論の進展が見込めないもの
「2」事業承継税制の見直しの視点
1.税制抜本改革法第7条の規定(平成 24 年度中の検討事項)
* 「事業承継税制(措法 70 の 7~70 の 7 の 4 までに規定基づく相続税及び贈与税の特例)について、中小
企業における経営の承継の円滑化に関する法律に基づく認定の運用状況等を踏まえ、そ
の活用を促進させるための方策や課税の一層の適正化を図る措置について検討を行い、
相続税の課税ベース(課税標準とされるべきものの範囲をいう)、税率構造等の見直しの結果
の基づき講ぜられる措置の施行に併せて見直しを行う。」(税制抜本改革法第7条 4 号イ)
*「雇用の確保」と[地域経済の活力維持]という制度の趣旨を踏まえ、相続税等の見直
しと併せて、25 年度改正に向けて検討する
⇒
①
現行制度の活用促進策(普及啓発や現行要件の見直し)
②
課税の一層の適正化を図る措置
(注)上記とは別に、経産省からは事業承継税制に関連し制度の新設要望が出ている
2.経済産業省の現状分析と制度改正の要望事項
<1>中小企業の事業承継を取り巻く環境
* 中小企業経営者の平均年齢が急ピッチ上昇(約 60 歳)
* 中小企業数の大きな減少(デフレの継続、急激な円高等)
* 中小企業経営者の引退期=事業承継の円滑化は喫緊の問題
* 抜本改革法で検討事項と位置づけ=相続税の見直しとあわせて事業承継税制の抜本的
見直しが必要
<2>中小企業関係者からの要望事項
* 事業承継の支障となる相続税の課税強化には慎重な立場&事業承継税制の抜本的見直
しを要望している
* 「小さい企業;未来会議」=事業承継税制の使い勝手の改善のための抜本的見直し意見
* その他=各種団体:意見、提言、要望等
<3>事業承継税制の見直しの方向性①=国際的水準の検討
(1) 規制的要件の緩和
* 〔雇用要件〕
:景気変動など経営者には対応できない外的要因もある中で、要件未達成時のペナルティ
が過大。雇用要件(5 年間8割)を 5 年平均で評価するとともに。未達成時は要件を下回
った部分だけ納税する方式に変更すべき
* 〔免除までの期間〕
:雇用要件義務期間の 5 年を経過すれば納税を免除する仕組みに見直すべき。
* 〔役員退任要件〕
:金融機関や取引先に対する信用の維持は経営承継の大きな課題。先代経営者が代表者を
退任した後、有給役員を継続できるよう見直すべき。
* 〔親族外承継〕
:後継者難もあり、今後、親族外承継が中小企業事業承継の有力な選択肢に。地域雇用を
支える中小企業の新たな担い手を増やすべく、親族外後継者への遺贈・贈与(低額譲渡
を含む)を納税猶予の対象にすべき。
(2) 国際的要件との比較
(省略)
<4>事業承継税制の見直しの方向性②=対象の拡大
*
小規模会社の負担軽減
*
担保不動産の納税猶予対象化
:小規模会社の所有する事業用土地の評価額の 80%相当額を課税価格から減額する特
例を創設。
資産
資産
負債
負債
純資産 150
純資産 70
事業用土地 20
事 業 用 土地
(評価減△80)
100
その他資産
その他資産 50
課税価格 150
課税価格 70
(注)経営者が個人の資産を担保に提供している企業の割合
大企業
11,7%
中規模企業
33.0%
小規模企業
37,6%
「3」現行の事業承継税制における適用上の是正検討の問題点
1.事業承継相続人が被相続人の債務を承継する場合の納税猶予額への影響
*現行の相続税計算方式では「相続税納税猶予」が「計算上」遺産分割の債務相続の関係で「株式評
価額から個人の債務を引いて計算する方式」適用されるケースが生じる
* 事業承継相続人が被相続人の債務を承継するケースが多いので税制上の「特例的手当て」が必
要である。
自社株式相続税納税猶予計算事例
自社株式
1億円
その他財産3億円
債務
△1億円
合計
3 億円
相続税額
納税猶予税額
納税額
ケース 1
ケース 1
ケース 2
ケース 2
相続人甲
経営承継相続人乙
相続人甲
経営承継相続人乙
―
1 億 5000 万円
1億円
1億円
1 億 5000 万円
2 億 5000 万円
5000 万円
△1億円
△1億円
-
1.億 5000 万円
1.億 5000 万円
1.億 5000 万円
1.億 5000 万円
2.900 万円
2.900 万円
2.900 万円
2.900 万円
-
―
2.900 万円
<
ゼロ
>
2.900 万円
-
2.900 万円
1.488 万円
1.412 万円
<事例の納税猶予額の不適用・減額の要因>
* 根源的問題点=農地の納税猶予制度と猶予税額算定の仕組みの差異がある
* 「債務控除の方法」に是正が必要といえる
株式評価額から事業と関係のない先代経営者の個人負債等(住宅ローン、葬式費用等)
を控除する方式を是正する~
* 改正が必要な理由
非上場株式等の納税猶予額を計算する際に、株式評価額から事業承継と関係ない先代経
営者の住宅ローンなどの個人負債が差し引かれるため、猶予が受けられる税額が小さく
なり、条件が厳しい割に効果が薄いと、経営者が諦めるケースがる。
* 商工会議所の意見⇒株式評価額から事業と関係のない先代経営者の個人負債等を控除
する方式を是正する
2.日本商工会議所からの提案
○株式評価額から事業と関係ない先代経営者の個人債務や葬式費用を控除する方式を是正する
【現状】
個人財産
納税額
後継者が取得した個人財産
(宅地、建物、預貯金等)
株式評価額
(例:時価純資産価額方式「資産」-「負債」
)
納税猶予
納税額
※納税額は、相続税率
を乗じて計算
葬式費用・個人負債
(住宅ローン等)
納税猶予される金額が小さくなる
【見直し案】
個人財産
納税額
後継者が取得した個人財産
(宅地、建物、預貯金等)
葬式費用・個人負債
(住宅ローン等)
納税額
株式評価額
(例:時価純資産価額方式「資産」-「負債」
)
納税猶予
以上
1
月
の
税
①給与所得者の扶養控除等申告書の提出
務
(1)提出期限・・・本年最初の給与支払日
の前日
(2)提出先・・・給与の支払者(所轄税務
署長)
②支払調書の提出
提出期限・・・1 月 31 日
③源泉徴収票の交付
(1)交付期限・・・1 月 31 日
(2)交付先・・・(イ)所轄税務署長
(ロ)受給者
④固定資産税の償却資産に関する申告
申告期限・・・1 月 31 日
⑤個人の道府県民・市長村民税の納付(第 4 期分)
納期限・・・1 月中で市町村の条例で定
める日
⑥24 年 12 月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納 納期限・・・1 月 10 日(年 2 回納付の特
付
例適用者は前年 7 月から 12 月までの徴
収分を 1 月 10 日までに納付、納期特例
届出書提出者は 1 月 21 日までに納付)
⑦11 月決算法人の確定申告〈法人税・消費税・地方消 申告期限・・・1 月 31 日
費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税〉
⑧2 月、5 月、8 月、11 月決算法人の 3 月ごとの期間短 申告期限・・・1 月 31 日
縮に係る確定申告〈消費税・地方消費税〉
⑨法人・個人事業者の 1 月ごとの期間短縮に係る確定申 申告期限・・・1 月 31 日
告〈消費税・地方消費税〉
⑩5 月決算法人の中間申告〈法人税・消費税・地方消費 申告期限・・・1 月 31 日
税・法人事業税・法人住民税〉・・・半期分
⑪消費税の年税額が 400 万円超の 2 月、5 月、8 月決算 申告期限・・・1 月 31 日
法人の 3 月ごとの中間申告〈消費税・地方消費税〉
⑫消費税の年税額が 4,800 万円超の 10 月、11 月決算法 申告期限・・・1 月 31 日
人を除く法人・個人事業者の 1 月ごとの中間申告(9 月
決算法人は 2 ヶ月分)〈消費税・地方消費税〉
⑬給与支払報告書の提出
(1)提出期限・・・1 月 31 日
(2)提出義務者・・・1 月 1 日現在におい
て給与の支払をしている者で、給与に
対する所得税の源泉徴収義務がある者
(3)提出先・・・給与の支払を受けている
者の住所地の各市町村長