崇高 へのまなざし ~ 龍 子 の 自 然 讃 美 ~ 2015 年 1 月 4 日(日)~ 4 月 12 日(日) かわばた りゅうし 日本画家・川端龍子(1885-1966)の風景画には、斬新 な視点で描かれた自然の姿を見出すことができます。その 特徴は、圧倒的な「大きさ」や動的な「力」が表現されて いることです。しかし、自らの美術団体・青龍社を精力的 に牽引していた 50 代の頃でさえ、 「ただひとつ自分の苦手 は風景画である」と龍子は述べています。伝統的な東洋画 は現代人の眼にはそぐわず、西洋的な遠近法には迫力が足 らないと考えていた龍子にとって、風景画は自らの芸術観 を高めていくための大きな課題だったのでしょう。 本展「崇高へのまなざし」では、龍子作品に見出すこと ができる「崇高」のイメージから独自の自然観、宗教観にせ まります。美学で言う「崇高」は、 「美」と対照をなす概念で 自然の巨大さや脅威を前にした際の人間の感情を表わしま す。富士に幾筋もの稲妻が走る 《霹靂 (はたたく) ( 》1960 年) や、岩を打ち砕くような急流を捉えた《阿修羅の流れ(奥 入瀬) 》 (1964 年)には、圧倒的なまでの自然の「大きさ」 や「力」が表現され、まさしく龍子流の「崇高」を読み取 れます。そして、 壮大な富士の眺めに涅槃像を見出した《寝 釈迦》 (1954 年)においては、その自然観が信仰心にまで 接近していることがうかがえます。 また、本展では山肌が赤く染まり稲妻が走る《怒る富士》 (1944 年)や最晩年の《伊豆の覇王樹》 (1965 年)など、 龍子の描いた富士にも焦点をあて、龍子独自の自然讃美に せまります。 次回予告:「健剛の精神~画家・龍子の軌跡~(仮称)」 生誕 130 年をむかえた龍子の画業を、よりすぐりの当館 所蔵作品から展観します。 開催期間:2015 年 4 月 22 日(水)~ 8 月 2 日(日) (予定) -記念館講座開催のお知らせー 第 3 回記念館講座「川端龍子 / 激動の時代をこえて」 「阿修羅の流れ(奥入瀬) 」 (1964 年) 龍子公園 ご案内 当館に隣接する龍子公園で は、龍子設計のアトリエと 旧宅を公開しています。 ■ご案内時刻 (1 日 3 回) 開館日の 10:00、11:00、14:00 に職員がご案内します。 ※4月5日(日) 「馬込文士村大桜まつり」開催日は開放。 当館へのアクセス 東急バス④ 「荏原町駅入口」行 熊谷恒子記念館 卍 善照寺 スーパー キタムラ セブン イレブン 美容室 西洋髪結 桜並木 セブン イレブン 〒 京浜東北線 郷土博物館 臼 田 坂 池上通 り 通り 環七 第二京 浜 スーパー 文化堂 大森駅 都営地 下鉄浅 草線 至五反田 西馬込駅南口 日 時:2015 年 3 月 14 日(土) 14:00 ~ 15:30 講 師:大田区立龍子記念館 学芸員 木村拓也 会 場:大田文化の森 第 2 集会室 定 員:30 名(参加費無料・応募者多数の場合は抽選) 申込方法: 『往復はがき』又は『FAX』で「第 3 回記念館講座係」と 明記し、 郵便番号、 住所、 氏名(ふりがな) 、 年齢、 電話番号、 希望人数(2 名まで)を記載し、当館へお送りください。 ※ 返信用はがきには、代表の方の住所と氏名をご記入ください。 応募締切:2015 年 3 月 3 日(火)必着 「怒る富士」 (1944 年) JR バス停 「臼田坂下」 龍子記念館 大田文化の森 至蒲田 至池上本門寺 大田区立龍子記念館 JR京浜東北線 大森駅西口から東急バス 4 番 「荏原町駅入口」行乗車「臼田坂下」下車、徒歩 2 分 〒143-0024 東京都大田区中央 4-2-1 TEL&FAX:03-3772-0680 都営地下鉄浅草線 西馬込駅南口から 南馬込桜並木通りに沿って、徒歩 15 分
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