ビオトープ論(H27.1.22授業) 13.ビオトープ保全の進め方(1) ・現場踏査 1 講義開始 2 ■ 「現地踏査」 ※ 社会的要請を受けてビオトープの(土木)工 事が開始される前から、完成後の維持管 理までの間に、計画担当者および調査担 当者は実際に現地を歩き、自然条件を総 合的に把握することは、ビオトープ計画・ 施工のいずれにも『必須』の作業である。 3 ■ 「計画・施工の全体的な流れ」 ビオトープの(土木)工事は、主として次の過程を踏む必要がある。 過 程 必要項目 (1) 基本構想 工事の必要性、社会的・経済的効果、工事 上の技術的問題点、工事規模・事業費・工 期の策定など (2) 計画 空中写真、地勢図、地形図、地形分類図、 地質図、地質解析図、土地利用図、土地条 件図、地盤図、文化財・記念物・自然環境 条件図類、雨量などの気象資料、河川解 析資料、そのほか災害記録 (3) 測量・調査・設計 空中写真、地形図、地形・地質解析図、 ボーリング資料、土取場概査資料、土質調 査資料、地滑り調査資料、既往の工事記録、 細部測量資料、問題地点個別調査資料 (4) 施工 個別の施工技術 (5) 完成後の維持管理 各種計測調査 4 ■ 「現地踏査計画の立案と手順」 (1) 既存資料の収集、整理、検討 (2) 空中写真判読と予察図(あらかじめ察知、推察して作成した 図面)の作成 (3) 踏査すべき事項の整理 (4) 予察図、地形図、空中写真などによる踏査ルートの検討 (5) 踏査の実施 (6) 踏査結果の検討と問題点の抽出 (7) 調査報告書の作成 5 ■ 「現地踏査に必要な知識」 (1) 地形のもつ意味 (2) 地形・地質に関する基礎知識と関連性 (3) 地質学の方法および地質のもつ意味 (4) 地形・地質、土質との関連性および自然災害現 象との関連性 (5) 土地利用と地形・地質との関連性 (6) 植生と地形・地質との関連性 (7) 計画されている工事の方法と過程 6 ■ 「各種地形情報の入手」 空中写真、地図・地形図、デジタル地図デー タ、国土地理院刊行地図、数値地図、彩色 地形図など ↓ 日本地図センター http://www.jmc.or.jp/ 7 ■ 「国土地理院の各種図面の例」 [2万5千分の1土地条件図「福岡」の一部] 8 ■ 「国土地理院の各種図面の例」 [治水地形分類図] 9 ■ 「国土地理院の各種図面の例」 [空中写真(白黒) 札幌駅周辺] 10 ■ 「国土地理院の各種図面の例」 [空中写真(カラー) 東京駅周辺] 11 ■ 「技術者倫理教育」 (土木学会) 環境、エネルギー、人口など地球規模の問題を抱え、人類の科 学技術への依存度が高まる中で、科学技術を担う技術者 に高い倫理観が求められています。 近年、我が国では企業経営者や技術者の倫理観の欠如による 事件・事故が続発しており、社会的批判を浴びています。この種 の事件・事故は事前の防止が基本ですが、事後の対応如何に よっては組織の存亡に大きく影響する事態となっています。この ことは、経営者が倫理観を持って組織経営にあたることはもち ろんですが、技術を行使する技術者は、自らの行為の 適否を技術者倫理に基づき判断できる自律性と責任 感を持たなければならないことを示唆しています。 土木学会は、1938年に発表された「土木技術者の信条および 実践要綱」を発展的に改定する形で1999年に「土木技術者の 倫理規定」を制定しました。以後、土木学会では、倫理に関する 教材の出版や講習会などを通じて、技術者倫理の正しい理解と 普及を目指しています。 12 「日本技術士会」 http://www.engineer.or.jp/ 社団法人日本技術士会 は、技術士制度の普及、 啓発を図ることを目的と し、技術士法により明示 されたわが国で唯一の 技術士による公益法人 として設立され、2011 年には創立60周年を迎 える。 13 ■ 参考・引用文献 著者 : 発行年: 書名 : 発行 : 島 博保・奥園誠之・今村遼平 1981 土木技術者のための現地踏査 鹿島出版会 著者 : 日本生態系協会 監修 発行年: 2010 書名 : ビオトープ管理士資格試験公式 テキスト 発行 : 日本能率協会マネージメントセ ンター 14 ※ 本講義ノートは「流域保全研HP」 http://www.bio.mie-u.ac.jp/kankyo/chiiki/ryuiki/ 15
© Copyright 2025 ExpyDoc