沖縄県公文書館空中写真検索閲覧システム構築業務企画提案仕様書

沖縄県公文書館空中写真検索閲覧システム構築業務企画提案仕様書
1.業務概要
(1)業 務 名
沖縄県公文書館空中写真検索閲覧システム構築業務
(2)委託期間 契約締結の日から平成 29 年 3 月 31 日まで
2.業務の目的と将来構想
沖縄県公文書館(以下、「公文書館」という。
)では、米国国立公文書館等から収集した
空中写真をデジタルデータ化したものを用いて、空中写真検索閲覧システム(以下「シス
テム」という。
)を構築し、専用のパソコン 1 台を公文書館閲覧室内に設置して空中写真の
検索・閲覧および印刷物提供のサービスを行っている。
利用頻度の高いシステムであるにもかかわらず、システムに搭載した GIS(地理情報シ
ステム)エンジンが 2014 年にサポートを終了したウインドウズ XP の OS 環境に依存して
いることから、サービスが安定的に維持できない状況である。また、利用者からのより高
精細な画像の閲覧・印刷を要望する声も多い。さらに、現行システムでは空中写真 1 枚ご
との目録情報(以下、
「属性情報」という。
)の追加・修正についても運用者(以下「職員」
という。
)が容易に更新することができない。
そこで本業務においては、特定環境への依存度の低い、汎用性あるシステムを新たに構
築し、現状より高精細の画像の閲覧・印刷を可能とし、かつ、属性情報の修正等が職員で
容易にできるシステムとしたい。
将来的には、新規の空中写真・地図などの公文書館資料をデジタル化してシステムに追
加し充実していく他、インターネットを通じて閲覧利用できる環境へとサービス向上を図
ることを構想している。そのために、利用者側のパソコン環境を大きく変えることなく利
用できる環境にあること、システムの更新費用も抑えられる費用対効果の高さに加えて、
特定ベンダーへの依存度が低く、拡張性の高さを備えたシステムとする。
3.委託者が提供するデータ・機器
(1)空中写真 1 枚ごとのデータ(TIFF 形式)
(2)現行システムに格納された空中写真のサンプル画像(画像データ、紙出力した画像)
(3)空中写真 1 枚ごとの属性情報(エクセルデータ)
(4)撮影ポイントが示された飛行コースの標定図(紙媒体)※但し、斜め写真について
は、飛行コースのみ提供。
(5)システムを格納し利用者へ提供するためのパソコン及びプリンター等の機器
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4.契約期間及びスケジュール
(スケジュール予定)
(ア)委託業者決定、作業内容・工程確認:平成 28 年 12 月
(イ)システム構築、画像処理等:契約日~平成 29 年3月
(ウ)システムインストール、運用テスト:平成 29 年3月
(エ)操作研修・試験運用:平成 29 年3月
5.業務内容
5-1 空中写真の視認性向上
空中写真は視認性を向上させるため必要な補正を行うこと。
(対象となる空中写真:米軍撮影空中写真)
・垂直写真 51 飛行コース 2,398 枚
・斜め写真 21 飛行コース 1,403 枚
5-2 空中写真システムの構築
(基本的要件)
(ア)タッチパネルで操作できること。
(イ)検索性の高いシステムとすること。
(ウ)一般的なタブレット端末のような直感的な操作ができること。
(エ)年齢等を問わず、見やすく分かりやすいデザインにすること。
(オ)操作ボタンの位置を統一するなど、視認性を向上させること。
(カ)目的の空中写真を抽出するまでの手順が明快であること。
(キ)新規の空中写真・地図(以下「空中写真等」という。
)が追加できること。
(ク)空中写真 1 枚ごとの属性情報の追加更新が職員で容易にできること。
(ケ)システムに搭載する検索用の基盤地図(以下「基盤地図」という。
)は自由に公開・
複写ができること。
(コ)基盤地図は最新地図を使用すること。
(サ)職員用の管理画面への切り替え及びシステム終了時には、パスワード設定により
切り替え等ができること。
(シ)維持管理・更新及び機能向上にかかる費用を抑えられる仕組みにすること。
(ス)システムはオープンソースのソフトを使用して構築すること。
(セ)データベースの項目追加など機能向上の際に拡張が柔軟であること。
5-2-1 空中写真システムの性能
(1)検索・表示
(ア)検索方法は、①基盤地図から任意に探す、②キーワード(市町村字名、目標物)
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で探す、③撮影年月日から探す、④飛行コースから探す、ことができること。(下
図はイメージ画面)
(イ)目標物等の主な検索は、3(3)の属性情報に含まれる学校、史跡、公園、公共
施設、観光地、空港・港などのテキストデータにより行えること。
(ウ)キーワード検索ができること(下図はイメージ画面)。
(エ)キーワード検索で市町村字名、目標物を入力して検索すると、該当する区域が画
面に表示されること。
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(オ)空中写真 1 枚ごとの属性情報も表示されること。
(カ)表示された基盤地図の範囲に関連する他の空中写真の飛行コース等も確認できる
こと(下図はイメージ画面)。
上記の表示された基盤地図の範囲に関連する飛
行コース等が表示される。
(キ)基盤地図に撮影年月日ごとの空中写真の飛行コース等が表示されること。また、
飛行コース内の撮影順が分かるようにすること(下図はイメージ画面)。
(ク)撮影ポイントの空中写真を本表示前にプレビュー画像などで確認できること
(下図はイメージ画面)
。
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(ケ)同一飛行コースの撮影ポイントの空中写真のサムネイル画像が一覧表示できるこ
と(下図はイメージ画面)
。
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(コ)空中写真と基盤地図を比較して見ることができること。
(4)拡大縮小/スケール表示
(ア)画面上の画像の拡大縮小ができること(下画像は空中写真を一部拡大したもの)。
(イ)拡大縮小した画像の側に、拡大縮小率に合わせた距離のスケールが表示されるこ
と。
拡大縮小率に応じたスケールを表示。
(5)印刷機能
(ア)表示された画面の印刷ができること。
(イ)空中写真画像のみ表示、または空中写真画像と属性情報の両方を表示させた印刷
ができること。
(ウ)空中写真 1 枚ごとの属性情報は、「撮影区域」「撮影年月日」「撮影機関」「缶
番号」「飛行コース番号」「フィルム番号」「撮影枚数」「原本種別(フィルム・
プリント)」「原本サイズ」「レンズ」「撮影高度」「資料コード」とする。
(エ)印刷前にプレビュー画面で印刷イメージの確認ができること。
(オ)A3、A4 のいずれかを選択して印刷できること(下図は A3 印刷のイメージ画像)。
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属
性
情
報
(カ)現行のシステムよりも高品質な画像が出力できるようにすること。
(キ)出力先のプリンターが選択できるようにすること。
(6)登録編集機能
(ア)職員用の管理画面を有し、専門知識がなくても空中写真 1 枚ごとの属性情報の追
加更新が容易にできること。
(イ)空中写真等の追加ができるようにすること。
(ウ)データベースの登録内容を CSV ファイル等で出力し、さらにデータの一括登録も
できること。
5-2-2
自由提案
本業務の目的を達成する上で、より効果的な提案を行うこと。
5-2-3
空中写真システムを利用するための機器等の提案
本業務で構築したシステムを運用するための機器については、館内にてスタンドアロン
型のパソコン 1 台と、出力用のカラーインクジェットプリンター1 台を想定している。本業
務に関しては、システムの利用に最適かつ安全・安定的な運用ができる OS 環境、パソコン
及びプリンター機器等を提案すること。
6.成果物
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本事業終了後、以下のものを成果物として提出すること。その際、システムプログラム
及びデータはハードディスクに格納し納品すること。
(1)システムプログラム一式
(2)空中写真データ(5-1 で画像補正した 1 枚ごとの空中写真データ一式)
(3)空中写真の属性情報(エクセルデータで提出)
(4)操作説明書(印刷物 1 部、電子データ一式)
(5)業務完了報告書 (印刷物 1 部、電子データ一式)
(6)その他、必要と認めるもの
7.職員研修
職員に対し、システム操作方法等の説明を行うこと。
8.システムバックアップに関する提案、動作検証・瑕疵担保期間
(1)データ消失の不測の事態に備えて、どのようなバックアップ体制を考えているか提
案すること。
(2)平成 29 年 3 月 31 日までにシステムの動作検証等を行い、運用可能な状態にする
こと。
(3)業務完了後、6 箇月以内にシステムの不具合等が発見された場合、受託者の費用と責
任において当該瑕疵を修正すること。
9.権利および秘密保持
(1)成果物の著作権は沖縄県に帰属し、成果物の改修等について新たに第三者に委託す
る場合においてはこれを認めること。
(2)本業務で知り得た情報等は、受託者以外の第三者に漏らしてはならない。また、本
作業中に得たデータについては、動作検証・瑕疵期間中に必要なものを除き、業務
完了後速やかに廃棄すること。
10.その他
(1)システム構築にあたり、受託者は計画的な業務工程で業務の執行及び進捗管理がで
きる十分な体制をとること。また、随時調整した上でシステムの機能及びデザイン
について詳細な打ち合わせを行い、構築内容を決定すること。
(2)本事業の実施に当たり、この仕様書に定めの無い事項及び疑義が生じた場合は、そ
の都度、委託者と受託者は協議するものとする。
(3)提案された企画については、実施段階において提案者と協議の上、内容を追加・変更
することがある。
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