生き生きと学校生活を送る児童の育成

生き生きと学校生活を送る児童の育成
~子どもの良さや可能性を伸ばす特別活動を通して~
高崎市立中居小学校
反町修宏
1. はじめに
本校は、全22学級、全校児童636名である。典型的な住宅団地で、保護者の転勤等
による異動も激しく、年間の転出入児童数は両者を合わせて40名をこえる。
本校の児童は明るく行動的で、学校行事などには積極的に取り組むことができる。課題
としては、人前で自分の意見を発言したり表現したりすることや自分で考えて行動するこ
とが課題である。そこで、児童(4~6年生の各クラス2名、計12名からなる代表委員
を中心に各委員会)が立案・計画を立て、自主的・自発的に児童会活動に取り組めること
を目指した。
2. 実践の概要
(1)たてわり遊び
〈ねらい〉
○ よりよい生活や人間関係を築くために、目
標やその達成の方法や手段を決め、みんなで
役割を分担してその実現を目指す意識や態度
を養う。
○ 異年齢集団による交流により、高学年では
リーダーシップや思いやり、低学年では上級
生に対するあこがれの気持ちを養う。
☆ 班 編 成 は 、運 動 会 の 団( 赤 城 ・ 榛 名 ・ 妙 義 )
をそれぞれ7つの班に分けて、各班30名位で
活動している。
☆ 遊ぶ立案・計画は6年生が自主的に行い、子
どもたちは生き生きとした表情で楽しそうに遊
んでいた。
☆ 6年生は、最上級生としての自覚や責任、下
級生としての役割などについて考えることで、望ましい人間関係が形成できた。
(2)児童会活動
〈ねらい〉
集会活動を通して、集団の一員としての自覚を深め、協力してよりよい学校生活を
築こうとする自主的・実践的な態度を育てる。
☆今年度の児童会目標
“ 笑顔のあふれる学校にしよう
”
①いじめ防止活動
ア、いじめ防止スローガン
〈低学年用スローガン〉
〈いじめ根絶宣言〉
〈高学年用スローガン〉
「いじめ防止」に向けた話合い活動を4年生以上の各学
級で行い、代表委員会で高学年用・低学年用のスローガン
を決めて、各教室や中央玄関にポスターを掲示し啓発活動
を行った。このような活動を通して、教師や大人が上から
の力で抑え込むのではなくて、子どもたちの力を信じて、
子どもたち自身でいじめの発端となるトラブルなどの解決
ができるたくましい集団を育てていくことができると思
う。よりよい人間関係を築く力と問題解決力が育成された
集団では、親和的な雰囲気が生まれ、特定の子を継続的に
苦しめるような行為は発生しない。今年度、代表委員が中
心になって行っているいじめ防止運動を通して、結果とし
ていじめの未然防止につながるようにこれからも継続して
適切な指導をして、児童を支援していきたいと思う。
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イ、高崎市小中学校いじめ防止こども会議
テーマ“いじめのない楽しい学校づくりのために~今私たちができること~”
この会議で、児童生徒自らがいじめをなくすために、市
内全小学校代表、中学校の生徒会役員が、各学校のこれま
でのいじめ防止に向けた取組や今後の取組等について話合
いを行い、中学校では自校における自治的な活動の中心的
存在として、小学校では委員会活動などの中で積極的に、
いじめをなくす取組を展開するための手助けとなるよう、
いじめの防止について考えをお互いに深め、当事者意識を
高めることができた。
②主体的な児童会活動
今 年 度 は 、「 笑 顔 の あ ふ れ る 学 校 」 に な る た め の 手 立 て や 方 策 を 話 し 合 う 機 会 を 多 く
設けるようにした。そこで話し合われた課題を改善するするために取り組んだ一つの例
が、下記のポスターの作成である。学校全体で廊下や階段を走る児童が多いので、ケガ
や事故を未然に防ぐために、児童が最も危険な場所ごとにメッセージを考えて啓発活動
を行った。
【職員室前】
【普通教室前】
【図書室前】
また、今年度は各月の生活目標(9月以降)や夏休
みや冬休みによりよい生活を送るためのめあてを、定
期的に開かれる代表委員会で決めて、ポスターや新聞
などで啓発活動を行った。
後期の生活目標
~中居小代表委員会~
10月
一日一回読書をしよう。
11月
毎日、目標を立てて持久走練習しよう。
12月
学習のまとめをしよう。
1月
かぜ予防をして、元気にすごそう。
2月
学年×10分勉強をしよう。
3月
次の学年の準備をしよう。
3. まとめ
本校では、児童会活動を主とした特別活動の場において、各教員が児童の主体性を生か
しながら実践に繋げる指導を工夫している。こうした日々の活動の積み重ねが潤滑油とな
り 、児 童 会 目 標「 み ん な の 笑 顔 が あ ふ れ る 学 校 に し よ う 」に 近 づ い て い る と 考 え る 。ま た 、
様々な異学年交流を通して、上級生はリーダーとしての自覚や責任を学び、下級生は後輩
としての役割や楽しさを実感することで、互いに達成感を感じたり、人間関係についても
学ぶことができて良かったと思う。
代表委員会の児童が中心になって、中居小をよりよい学校にするために、児童が自分た
ちの学校生活の中で課題に気づき・考え・行動できるような児童の主体的な活動を支援し
ていける体制を今後も工夫していきたいと思う。
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