課題番号:25-3 研究課題名:てんかんの成立機序の解明と診断・治療法開発のための基礎・臨床の融合的研究 主任研究者:中川栄二: 国立精神・神経医療研究センター病院 分担研究者:開道貴信、須貝研司、玉浦明美、波多野賢二、岡崎光俊、高橋章夫、伊藤雅之、 稲垣真澄、星野幹雄 1.平成 26 年度の研究成果 ③発達障害を伴う小児てんかんの臨床病態の てんかん臨床情報に関するデータベース(DB) 解明(中川栄二)を行った。④てんかんの神 を構築し、てんかん発症の病態解明、診断と 経生理学的マーカーの開発と病態解明(稲垣 治療方法の開発・提言を行うことが本研究班 真澄)を行った。 の目的である。医療社会学的側面での研究と (3)てんかん基礎研究 しては、当センターを中心としたてんかん臨 ① 難治性てんかんの分子病理学的病態解 床治験ネットワークシステムの整備を行い、 明(伊藤雅之)を行った。②てんかんモデル てんかん診療に携わる医療機関のモデルとな 動物を用いた病態解明(星野幹雄)を行った。 るてんかん臨床治験ネットワークシステムの 構築を行った。てんかんの基礎研究に関して 2.平成 27 年度の研究計画と期待される成果 は、TMC でバイオバンクとして整備された利 ①てんかん臨床情報 DB 化と臨床治験地域ネ 用可能なヒト試料・臨床情報を利用すること ットワークの構築を目指した研究により、て により、てんかんの分子病理学的研究、神経 んかんの疾病統計分析や臨床研究、臨床治験 生理学的研究、遺伝学的基礎研究によるてん の円滑な施行が期待される。②てんかんの診 かんの病態解明等の基礎研究を行った。 断と治療の臨床研究では、てんかんを様々な (1)てんかん臨床情報 DB 化と臨床治験地域ネ 脳形態・機能画像解析や神経生理学的解析を ットワークの構築 用いて適切な評価と診断を行い、早期からの ① 脳神経外科てんかん臨床情報の DB 化と臨 効果的な内科的、外科的治療方法の介入が期 床治験ネットワークの構築に関する研究(開 待される。 道貴信)を行った。②小児てんかん臨床情報 の DB 化と DB に基づいた治療方法の開発(須 3.行政政策への貢献 貝研司)を行った。③てんかん治験推進のた てんかん地域治験ネットワークの構築やてん めの地域ネットワークの構築に関する研究 かん市民講座により臨床治験が円滑に進み、 (玉浦明美)を行った。てんかん臨床治験推 施設間の情報共有と患者紹介、カルテスクリ 進のための社会活動として日本てんかん協会 東京都支部と協賛して、疾患教育および治験 の啓発を患者・家族向けにセミナーを 4 回実 施した。 ーニングによる早い段階で治験患者の把握と 地域施設間とのスムーズな連携が可能となり 医療行政政策への貢献が期待される。 (2)精神症状、発達症状を併存するてんかんの 診断と治療戦略に関する臨床研究 4.研究成果 ① 成人てんかん臨床情報の DB 化と症状を有 ①講演・シンポジウム 39 回、②論文:英文論 する成人てんかんの治療方法の開発(岡崎光 文 27 編、和文・総説 33 編、③国際学会発表 俊)を行った。②多重脳機能画像を用いた皮 9 回、国内学会 76 回、④受賞:中川栄二.2014 質異形成を伴う小児難治性てんかんの診断と 外科的治療法の開発(高橋章夫)を行った。 年てんかん治療研究振興財団によるてんかん 研究褒賞受賞。
© Copyright 2025 ExpyDoc