熟論 日本の課題 第2回 衆参二院制を語る 参議院は何のためにあるの? フリップデータ h$p://publicpolicy.yahoo.co.jp/contents/jukuron/02/ 1 二院制/一院制 二 院 制 • 独立した二つの会議体から議会 が成る • 各々が会議を開いて議決をなし、 双方の議決が一致することによ り、議会の議決が成立 一 • 単一の会議体から議会が成る 院 • その議決のみで議会の議決が成 制 立 歴史的経緯 明治 「衆議院」と「貴族院」の二院制 憲法→貴族院は衆議院の抑制目的に設置 一院制を提案 GHQ →連邦制ではない日本では、二院があ 案 ると一院と争いが生じるため、等 「衆議院」と「参議院」の二院制 現 →政府による政策の安定性・継続性の 憲法 維持目的 3 二院制と一院制のメリット 二 院 制 一 院 制 • 拙速、衝動的判断の回避(慎重な審 議の実現) • 立法機能の分割による立法府の全 能阻止 • 国民の多様な意見や利益をきめ細や かに代表 • 効率的な審議と迅速な政策決定 • 立法過程の単純化による、立法上の 行き詰まり回避 • 第二院の維持に係る諸経費が不要 4 二院制と一院制のデメリット 二 院 制 • 第二院が強い拒否権を有することで 立法上の行き詰まりが発生 • 両院の機能重複により、非効率化や 政策決定の遅延が発生 • 両院間の意志の統一を図る必要が あり、立法過程が複雑化 一 • 立法権がひとつの機関に集中 院 • 一院の衝動的行動のチェックが不可 制 能 5 フランス革命期の理論的指導者 アベ・シェイエス 「第二院は何の役に立つ のか、 もしそれが第一院に一致 するならば、無用であり、 もしそれに反対するなら ば、有害である。」 世界の二院制採用状況 ■二院制 ■一院制 世界全体 (2010年) (2013年) 75 OECD加盟国 112 19 主要8カ国 15 (2013年) (仏・米・英・独・伊・加・露・日) 0% 20% 40% 60% 8 80% 100% 7 連邦制型/民主的第二次院型 連邦制型 連邦国家での二院制 →連邦全体を代表す る第一院と連邦構成国 (支邦・州)を代表する 第二院で構成 民主的第二次院型 連邦国家でなく貴族制度 もない国での二院制 →慎重な審議のために 第二院が設置 例)アメリカ合衆国、ドイツ、 例)イタリア、フランス、 オーストリア、ブラジル、イ 日本 ンド、オーストラリア 8 参議院の選挙制度/効果 立候補の単位 有権者の選択基準 政党政治の特徴 1人区 政党 選 (小選挙区) (二大政党) 挙 区 2人区以上 候補者 (中選挙区) 集権的な二大政 党中心の政治 分権的な政党 からなる (場合により政党も) 多党制の政治 政党 比 やや分権的な政 非拘束名簿 例 (第三党以下含む) 党からなる 区 式比例代表+候補者 多党制の政治 9 各国 二院制の強弱 (アメリカの政治学者レイプハルトによる分類) 強い二院制 やや強い二院制 中間型 両院の構成 ①両院の構成が 構成・権限 が異なり、 類似、権限も の双方が 権限は対等 対等 異なる ②構成・権限の (民主化前の 双方が異なる 伝統を引継 弱い二院制 構成が一致、 権限が非対 等 オーストラリア、 ①日本、イタリア、 イギリス ドイツ、スイス、 オランダ アメリカ ②カナダ、フランス、 スペイン、インド オーストリア、 アイルランド ぐ不調和な 議院構造) 10 二院制採用国 近年の推移 43.0% 41.0% 41.0% 39.0% (2011年) 38.0% 37.0% 35.0% 年 二院制採用国数 割合 1985年 42ヵ国 / 142ヵ国 29.6% 1995年 52ヵ国 / 178ヵ国 29.2% 2005年 70ヵ国 / 184ヵ国 38.0% 2011年 77ヵ国 / 188ヵ国 41.0% 33.0% 31.0% 29.0% 27.0% 29.2% 29.6% (1985年) 25.0% 1985年1990年1995年2000年2005年2006年2007年2008年2009年2010年2011年 11 二院制⇔一院制の移行 二院制⇒「一院制」 ギリシャ イラン ケニア スウェーデン 韓国 中国 一院制⇒「二院制」 アルジェリア ガボン イエメン スロベニア ウズベキスタン タジキスタン トルコ ニュージーランド ポルトガル チュニジア ブータン ルワンダ かつて一院制に移行したが、二院制に復した国 エジプト カンボジア スーダン スペイン ドイツ フランス ポーランド メキシコ ルーマニア 12
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