第 17 回日本在宅医学会大会 シンポジウムテーマ 開催日 シンポジスト 日本サイコオンコロジー学会合同シンポジウム「在宅におけるがん患者・家族の 精神心理的苦痛とその支援を考える」 2015 年 4 月 25 日(土) ふりがな 講師情報 ご芳名 ご所属 部署 抄録集・ホームページ掲載用原稿 姓 時間 17:00-18:30 おくやま 奥山 収容人数 名 350 名 とおる 徹 名古屋市立大学病院 緩和ケア部 役職 副部長 演題名(80 字以内) 在宅医療スタッフのためのこころのケア教育プログラム ご略歴(300 字以内) 長崎大学医学部卒業、東海大学大学院修了 現在、名古屋市立大学病院緩和ケア部 副部長、及び名古屋市立大学大学院医学研究科精神・認知・行動医 学分野 病院准教授 専門領域 総合病院精神医学、精神腫瘍学 講演概要(1000 字以内) 【背景・目的】質の高い在宅医療の推進は我が国の喫緊の課題であるが、在宅医療スタッフは、患者の精神 心理的苦痛の評価や精神心理的苦痛を有する患者へのケアに困難を感じている。我々は、在宅医療スタッフ を対象とした精神心理的苦痛を有する患者のケア向上に資する教育プログラムの開発し、その有用性を検討 したので、報告する。 【方法】教育プログラムの対象として訪問看護師を念頭におき、インターネットを用いた研修会事前講義 30 分間、ロールプレイを中心とする 4 時間 30 分の研修会からなるプログラムを開発した。また研修会でコミュ ニケーションについて学習するために用いる DVD を作成した。 プログラムの有用性は、我々が先行研究において開発した精神心理的苦痛を有するがん患者へのケアの自 信、知識に関する自記式質問票をプログラムの実施前後で施行し、統計学的検定を行うことで検討した。 なお、本プログラムの実施可能性および均てん化の可能性を高めるため、プログラムにおけるロールプレ イのファシリテーターは心理学部大学院生 10 名が行うこととし、プログラム実施に先立ち、半日のファシリ テーター研修会を開催した。 本研究は医療従事者を対象とした教育に関する研究であり、有害事象などもほとんど生じないと考えられ ることから、文書により調査協力の依頼を行い、調査票への回答をもって調査への協力の同意とみなした。 【結果】訪問看護師 21 名を対象に、本教育プログラムを実施した。参加者の背景は、平均年齢 50 歳、看護 師としての経験年数は平均 26 年、14 名(67%)が介護支援専門員の資格を有していた。 統計解析の結果、がん患者へのケアに関する自信は統計学的に有意に改善したが、ケアの知識については 改善を認めなかった。 当日は本研究結果を元に、在宅医療スタッフを支援するための教育プログラムについて述べたい。
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