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非破壊断層撮影性能を飛躍的に向上せる信
号解析ソフトウェアの実装化技術の開発
富山大学
大学院理工学研究部(工学) 教授 廣林 茂樹
背 景
透明でなくても生体や試料を採取・破壊することなく、内部構造を可視化
できる断層撮影技術には、X線CT、MRI、超音波、共焦点レーザ顕微鏡
などあり、医療現場で広く利用されている。この中でも細胞単位の計測
は、共焦点レーザ顕微鏡などのマイクロスコープだけである。しかし、こ
れら計測装置は、あくまで表面上の細胞だけの計測であり、これを非破
壊で深層内部の細胞の様子を可視化することできない。
従来研究との比較
波長帯域12.5nmの場合
NHAの計測ソフトウェア技術を応用したOCTの超解
像度技術の例である。右図は、レーザー光で対象物
との距離を計測する検証実験で、光源波長帯域を
12.5nmと100nmとした場合の反射光の計測結果か
ら従来使われていたDFT(FFT)とNHAで基準1mmか
らの距離差を解析したシミュレーション実験結果であ
る。このように、同じハードウェアを使って測定したに
もかかわらず、信号解析精度を向上させることで、飛
躍的に計測精度が高まることがわかる
波長帯域100nmの場合
1μm間隔のフリ
ンジデータを用い
たNHA精度の検
証実験
新しい開発技術
近赤外線を利用したOCT( santec(株)
協力)に応用し、既に計算機シミュレーショ
ン上で既存のOCTの計測値を用いて、信
号解析法をNHAに置き換えただけで、10
~100倍以上の空間分解能向上が見込め
る可能性があることを明らかにした。特に
本技術は、既存センシングハードウェアの
性能向上を飛躍的に高めるソフトウェア技
術であり、現在の高精細技術を大幅に超
越している。今後は医療はじめ様々な計
測装置の飛躍的な精度向上が見込める。
本技術により、空間分解能を大幅に向上させる
まとめ・今後の展望
報告者が発明した極限的な周波数分解能を有する信号解析技術NHA(Non-Harmonic Analysis)を使って、
放射線被曝がなく、さらに非破壊で深層内部を細胞単位で超精細に可視化するソフトウェア計測技術を世界に
先駆けて開発した。NHAは、計測信号を最も正確に解析する方法で、これまでの周波数分析法に比べ10万~
100億倍以上の精度の向上があり、通常可視化できない僅かな変化もとらえることができる。この信号解析技
術を計測技術に応用することで、医療用計測装置の飛躍的精度向上を実現できる。また、本技術は、産業応
用にも可能であり、工業製品の精細な断層撮影検査にも利用できる。
【関連特許】
・特願2009-069632, 広林茂樹, 両澤淳, 鄭昌鎬、
「光断層画表示システム」, 富山大学及びサンテック株式会社
・PCT/JP2008/066689,広林茂樹
「信号解析方法、信号解析装置、及び信号解析プログラム」、富山大学
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