招待講演者紹介 “Using Light to Understand and Control Biology”(生物学を理解し制御するための光) 顕微鏡の発明は生命科学のターニングポイントでした。顕微鏡は微生物の存在を証明し、人体の構築ブロ ックを解き明かす手掛かりを与えてくれました。今や我々は光との相互作用を計測するだけで、病気を診 断し、生物学における新しい系を見つけることができます。講演ではいかにして光が生命システムを探り、 制御できるかをお話します。 Nicholas Smith 大阪大学免疫学フロンティア研究センター(iFReC)准教授 1997 年 University of Sydney 卒業、2002 年阪大工学研究科より Ph. D.を取得。 JST ポスドク、2003 年阪大生命機能研究科助手、2007 年講師を経て、2010 年より 現職。専門はレーザー分光学。レーザーと細胞の相互作用に興味を持つ。 ニコラス スミス准教授は、シドニー大学と大阪大学で物理を学び、現在は光・レー ザーを駆使して生きた細胞の生命の仕組みを調べています。光で、細胞内の生理現 象を見、また生理現象や細胞間の相互作用を活性・不活性するなど制御も可能で、 目下は免疫の働きを調べています。 “Seeing What Light Cannot See”(光で見えないものを見る) ナノ材料は、目で見ることの出来る光(振動している波の間隔は 400 〜 700 ナノメートル)の波長より もはるかに小さいナノメートルの構造を持っているので、光の顕微鏡では最も性能の良いものを使っても、 それらの構造を見ることは不可能です。講演では、私たちが如何に光を操作し、その拡がりを数ナノメー トルまで押し込め、それを使ってナノ材料を見る方法を説明します。 Prabhat Verma 大阪大学大学院工学研究科 精密科学・応用物理学専攻 教授 1986 年 Patna University 卒業、1994 年 Indian Institute of Technology (IIT) Delhi より Ph.D.(Physics)を取得。1994 年同校助手、1997 年より京都工芸繊維大学などで ポスドクを経て 2002 年より阪大フロンティア研究機構助手。同特任助教授、2006 年 大阪大学生命機能研究科助教授を経て、2010 年より現職。専門はナノ分光学。 バルマ プラバット教授は、インド工科大学などで物理を学び、現在は大阪大学でナ ノスペクトロスコピー(ナノ分光)を提唱し、とりわけ、母国インドの生んだラマン の散乱効果(1930 年ノーベル賞)を駆使して、光でナノの世界を見る研究に熱中し ています。 “Crystal Innovation for Photonics Business”(光ビジネスにおける結晶イノベーション) 1993年に大阪大学で発見した波長変換結晶CLBOは高効率で紫外レーザー光を発生できる。最近、半導体産 業で紫外レーザー光の需要が急速に高まっているため、高品質CLBO結晶育成事業を立ち上げた。そのCLBO 結晶育成技術をタンパク質結晶化、及びGaN結晶化に転用し、2005年にタンパク質結晶化受託ベンチャー ㈱創晶を立ち上げ、GaN結晶育成技術も近々事業化する予定である。 森 勇介 大阪大学大学院工学研究科 電気電子情報工学専攻 教授 1989 年阪大工学部電気工学科 卒業、1991 年同大工学研究科 電気工学専攻 修了。 1993 年より阪大助手、1999 年講師、2000 年助教授を経て 2007 年より現職。 専門はボレート系酸化物結晶、窒化物半導体材料,有機バイオ結晶。株式会社創晶 の創業者。森勇介教授は、大阪大学で半導体を学び、現在は、タンパク質から、酸 化物、昨今話題の窒化ガリウムなど広範囲の結晶の完全な成長に挑み、画期的な成 果を挙げ、研究成果で社会貢献をモットーに、阪大発儲かるベンチャーを立ち上げ、 今後もいくつもの起業を予定しています。
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