大谷 義近 - 東京大学 エグゼクティブ・マネジメント・プログラム(東大EMP)

東大 EMP 講師プロフィール(第 13 期)
大谷
義近(OTANI Yoshichika)
東京大学物性研究所 教授
慶應義塾大学理工学部卒業。
同理工学研究科物理学専攻博士課程修了。
理学博士。
アイルランド・ダブリン大学トリニティーカレッジ博士研究員、フランス・ルイ・ネール磁
性物理学研究所研究員、慶應義塾大学理工学研究科(物理学専攻)助手、東北大学大学院工
学研究科(材料物性学専攻)助教授、理化学研究所フロンティア研究システム量子ナノ磁性
研究チーム、チームリーダーを経て 2004 年より現職。2013 年より理化学研究所創発物性科
学研究センターにて量子ナノ磁性研究チーム・チームリーダーを併任している。
主な研究分野は、磁性体物理、ナノスケール磁性体および半導体・超伝導体との複合構造の
電子・磁気物性。
最近の主な研究テーマはスピントロニクスおよびナノ磁性で、ナノスケール磁性体内に特徴
的に生じる磁気渦の高周波ダイナミクスに着目し、それらを 2 次元配列させた「磁気人工格
子(マグノニック結晶)」の作製・制御を行っている。また、ナノスケール磁性体を利用して、
電荷の流れを伴わない「純スピン流」と呼ばれるスピン角運動量のみの流れを創出し、それ
を非磁性体金属や超伝導体に注入することで、スピンホール効果、スピン注入磁化反転、ス
ピン蓄積効果などスピンの関与する伝導物性を調べている。特にスピン流を制御するナノス
ケールの素子作製手法を開発し、それにより世界に先駆けて白金のスピンホール効果の電気
的検出をはじめとする多くの成果を上げている。最終的にはこれらの技術やスピン注入によ
って生じる新奇な磁性を応用したスピントロニクス素子の研究開発を目指している。
日本磁気学会優秀研究賞(2010 年)受賞。
2014 年文部科学省科学研究費補助金新学術領域研究「ナノスピン変換科学」代表研究者。
【東京大学講師陣】