「山陰経済動向(12月・PDF)」をリリース

2014 年 12 月 26 日
山 陰 経 済 動 向
消費税増税前の駆け込み需要の反動により個人消費や住宅建設に弱さが残り、生産にも一部に弱い
動きがみられるものの、公共投資等で増勢を維持しており、基調としては緩やかに持ち直している。
最近の国内経済については、個人消費などに弱さがみられるが、緩やかな回復基調が続
いている。
このような状況のもと、当地経済をみると、
公共投資は、11 月の公共工事請負金額が 2 カ月ぶりに前年を下回った。基調としては持
ち直している(2014 年 4∼11 月累計の対前年比は 4.9%増、全国 2.0%増)。
設備投資は、2014 年度は、製造業で前年度を上回り、非製造業が下回る計画となってい
るものの、全産業では前年度を上回る計画(日銀短観 12 月調査の全産業設備投資額は、
2013 年度実績対前年度比 52.8%増、2014 年度計画同 9.5%増)
。
住宅建設は、10 月の新設住宅着工戸数が 2 カ月ぶりに前年を下回った。消費税増税前の
駆け込み需要の反動があり、持家を中心に減少傾向にある。
個人消費は、大型店売上高(11 月)が 8 カ月連続で、乗用車新車登録台数(11 月)が 5
カ月連続で、家電量販店販売額(10 月)は 7 カ月連続で、それぞれ前年を下回った。消費
税増税の影響は和らいでいるものの、弱い動きになっている。
生産は、10 月の鉱工業生産指数(季調済指数)が、鳥取県は 2 カ月連続で前月を下回り、
島根県は 5 カ月ぶりに前月を上回った。消費税増税前の駆け込み需要の反動がみられ、一
部で弱い動きになっている。
雇用情勢は、10 月の有効求人倍率が、鳥取県では前月差 0.03 ポイント低下の 0.92 倍、
島根県では前月差 0.03 ポイント上昇の 1.16 倍であった。総じて、基調としては持ち直し
ている(全国は 1.10 倍)
。
企業の業況判断は、足元、製造業は改善したものの、非製造業が悪化し、全産業では横
ばいとなった(前回 9 月調査、今回ともに 3)。先行きについては、製造業、非製造業とも
に悪化を見込んでおり、全産業でも悪化の見通しとなっている(日銀短観 12 月調査)。
このように、当地の景気は、消費税増税前の駆け込み需要の反動により個人消費や住宅
建設に弱さが残り、生産にも一部に弱い動きがみられるものの、公共投資等で増勢を維持
しており、基調としては緩やかに持ち直している。
先行きについては、個人消費を中心に消費税増税あるいは増税前の駆け込み需要の反動
による影響が徐々に薄れるなかで、公共投資等が堅調に推移すると見込まれるうえ、生産
も底堅いとみられることから、緩やかな持ち直しの動きが続くものと予想される。
【当地景気の現状判断】
<全体>
1.公共投資 2.設備投資 3.住宅建設 4.個人消費
5.生産
6.雇用情勢
(▼)
現状判断の5分類
明るい
一部に明るさ
停滞
注:△は先月より上方修正、▼は同じく下方修正を示す。
(
-1-
不振
厳しい
)は修正の一歩手前の状況。
7.企業の
業況判断