絆を繋ぐコミュニケーション

第 9 回 健育会グループ チーム医療症例検討会 in 石巻
演
題 名
絆を繋ぐコミュニケーション
施
設 名
介護老人保健施設 しおさい
発
表 者
○與後智明(支援相談員)
、山口祐司(OT)、露崎雄太(OT)、山内弘之(OT)
前市岡直貴(PT)、土屋いさ子(看護師)、石井武美(介護)、牧野康人(医師)
概
要
【はじめに】
9 月~12 月活動性向上し、真のニーズ判明。
コミュニケーションによって壊れた家族
娘の面会は相談員同伴で 5 分程度。妻との
関係を改善することができたので報告する。
電話禁止。1 月~3 月活動性低下。職員との
【症例紹介】
会話増え人生を振り返る事ができた。娘と
氏名:K.G 様 年齢:86 歳 性別:男性
面会できた。妻と電話再開。4 月~8 月臥床
疾患名:肺気腫
時間増加。
入浴中止で清拭対応。P トイレ自立。
性格:責任感が強い。子供好きで話好き。
娘と和解。妻は臨終時に面会。
家庭内においては独善的。
【考察】
家族構成:妻
と二人暮らし。長女は結婚し遠方で生活。
真意の判明や家族関係の改善などは、計
生活歴:戦後結婚して、映画館、喫茶店、
画的コミュニケーションがなければできな
ペットショップを経営。起業時や店舗火災
かった。
の為一時期多額の負債を抱えていたが必死
それは、①経歴を考慮して礼儀を重視②
に働き一代で返済する。家庭を顧みず働き、
機能を改善し信頼を得た③雑談によりリラ
妻との関係は徐々に悪化し、長女とも疎遠
ックスしてもらう④ケースには多職種で家
であった。
族には相談員が関わった⑤人生を振り返る
退院時の問題:在宅復帰叶わず、家族と大
⑥具体的に和解する方法を指導した⑦目標
喧嘩する。主訴:家に帰りたい、財産整理
を常に意識してぶれないようにした⑧訓練
をしたい ニード:ADL 自立したい。
時間や夜勤帯を上手に利用した⑨機能訓練
身体機能:軽度筋力低下(下肢 MMT4~5)、
から家族関係修復に途中で目標を変更した。
HOT:3~4ℓ 耐久性低下(独歩 5m 程度) 基
ということである。
本動作:自立(SpO₂88~83%)ADL:更衣
一
一般化すると、①第一印象を重視②非言
部介助、入浴全介助(SpO₂90%以下)
語的な手段にも着目③話題のバランスを考
【治療(ケア)計画】
慮④タイプの違う複数の職員が関わるのか
問題点 #1. 呼吸苦(腹式呼吸ができない)
専任が良いのか考慮⑤自己認知向上⑥聞き
#2. 活動性・ADL の低下 #3.家族と疎遠
役だけでなく指導的な立場もとる⑦目的意
チーム目標 #1.呼吸能力の維持・向上
識を持つ⑧十分な時間配分をする⑨最新情
#2. 活動性・ADL の向上 #3.家族関係改善
報を重視ということになる。
プログラム
#1.呼吸リハ#2.自主トレやレ
今回の結果はご利用者に満足してほしい
ク活動 #3.家族関係改善への働きかけ
という使命感によって、行為に熱意が加味
【経過・結果】
されたために成功に結び付いたということ
期間 H24 年 9 月4日~H25 年 8 月 28 日
を特に強調したい。