企業・学生の就職ベストマッチングを実現する キャリア

一橋大学が提供する就職活動の新しいインフラ ││
企業・学生の就職ベストマッチングを実現する
設立説明会の様子
守島基博商学研究科教授の講演
守島基博商学研究科教授
西山昭彦キャリア支援室特任教授
、兼松講堂で﹁一橋大
2014年9月 日︵水︶
学キャリア・パートナーシップ・プロジェクト︵C
藤本研司氏
﹁大学院生・外国人留学生の就活の特徴﹂
﹁プロジェ
た。後半の説明会では、
﹁本学学生の就活の特徴﹂
事部に求められるもの﹂をテーマとした講演を行っ
た。続いて、守島基博商学研究科教授が、
﹁今、人
プログラムは、落合一泰学生支援センター長︵教
育学生担当/理事・副学長︶
︵当時︶の挨拶で始まっ
金を払ってくれるお客様ですから、その人材ニー
足していること。
﹁企業は本学の卒業生を採用し賃
としては、企業に関する情報が多いようで案外不
氏はこう語る。これまでのキャリア支援の反省点
な人材を輩出することが期待されています﹂
。藤本
としてリーダーシップを取っているか、取れてい
ズや評価について話を聞くのは当然のこと﹂とい
CPPでは、キャリア支援室とともに参画企業
との連携を密にし、新しいスタイルの学生へのキャ
ないなら何が不足しているかをリサーチして、大
クトの狙いと計画﹂
﹁これからの大学生のキャリア
リア支援を行っていく。その具体像について、キャ
学のキャリア教育にフィードバックしていきたい
めてフォローし、その企業のなかで有意義な人材
リア支援室の藤本研司氏に聞いてみた。
う認識から、
﹁企業の採用時に限らず、入社後も含
﹁国立大学には、教育・研究面で重要な役割を果
たすことはもちろん、それに加えて社会に有意義
新スキームが目指す三つの目標
キャリア支援室
キャリアアドバイザー
支援﹂について説明を行った。
人だった。
プロジェクト参画企業人事担当者を含む約150
業に提供するために行われた説明会で、参加者は
社を対象として、人材採用に役立つ有益情報を企
めの新しいスキームである。その参画企業350
業と学生のよりよい就職マッチングを支援するた
PP︶設立説明会﹂が開催された。CPPは、企
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キャリア・パートナーシップ・プロジェクトがスタート
落合一泰学生支援センター長/理事・副学長
(教育学生担当)
(当時)
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三浦美樹キャリア支援室特任講師
林大樹キャリア支援室長
・入社後も視野に入れて、マッチングの状況を把
いることを、固有名詞は書きませんがリストをつ
く っ て 具 体 的 に 紹 介 し て い ま す。 業 種 や 職 種 に
よって最も重視される能力はそれぞれでしょうか
握し支援する
③就活に苦戦している学生を手厚く支援
ら、学生の﹃凸﹄の部分がそこに当てはまるかど
就活支援の三大イベント
うかを判断してもらいたいのです﹂
・就職活動の過程で、学生は驚くほど成長し変
貌することを企業に理解してもらう
・学生の能力には凸凹があることを理解して採
用してもらう
学生も満足する就職を目指すということだ。だか
内定や内定企業数を意識するより、企業も満足し、
﹁満足度﹂とは、企業・学生のベス
補足すると、
トマッチングを目指すことを意味している。早期
えて学生に紹介していきたい企業については準会
去一定数以上の一橋大学生を採用し、将来を見据
で、メンバー数を336社としている。なお、過
人以上採用している企業350∼400社が対象
内定率より満足度を重視する理由
らこそ、就職後の状況までをフォローし、キャリ
員︵アソシエイト︶企業となることができる。
きめ細かく関係を構築しようとしているためC
PP正会員︵メンバー︶企業の数は限定している。
ア教育にまでフィードバックしようと考えている
CPPメンバー企業には、前述の設立説明会へ
基本的にはこれまで定常的に一橋大学生を毎年1
のである。その継続により、採用時でのベストマッ
チングの比率がますます高まっていく。
分にフォローしなければなりません。とりわけ能
﹁2割の学生は放っておいても、自分に合った企
業を見つけることができますから、残りの層を十
価を率直にお聞きして、大学のキャリア教育に活
﹁学生のいいところは我々がよく知っているわけ
ですから、企業に、こんなタイプの優秀な学生が
ている。
る。そこで、キャリア支援室ではこんな手を打っ
多い。就職活動期間後半になると学生も焦ってく
下げて一次面接で不合格になってしまうケースが
手という﹁凹﹂がある学生は、その部分で評価を
能力の凸凹とはどういうケースだろうか。たと
えば、能力的には優秀でもシャイで対人関係が苦
本氏は言う。
力に凸凹がある学生のフォローは重要です﹂と藤
・
﹁内定率﹂ではなく、
﹁満足度﹂を追求する
②マッチングの質的な向上
つくる
・企業側、学生側の状況を本音で語れる関係を
・直接的なコミュニケーションを重視する
①採用担当者との信頼関係の構築
CPPの具体的な目標を整理すると、次のよう
になる。
と前向きにとらえて取り組んでいるという。
かすことは、大学教育の質的な向上にも役立つ﹂
と考えるに至ったのである。そして、
﹁卒業生の評
することで本音の人材ニーズを知ることが不可欠﹂
すると、
﹁企業を深く理解するためには、直接対話
業もともに満足できるような就職支援をしようと
00人にも及んだ。しかし、より深く、学生も企
は、参加企業250社、参加学生は延べ1万40
業と学生との接点をつくってきた。2013年度
る。さらに例年、学内会社説明会を開催して、企
キャリア支援室の最も重要な役割は、学生に対
して就職活動に有効なアドバイスをすることであ
が、CPPという新しいスキームなのである。
的に行おうとしているのです﹂
。 その具体的な姿
と考えています。しかも、それを大学として組織
藤本研司キャリア支援室キャリアアドバイザー
・建前ではなく現実の状況を学生に伝える
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P
P
C
最大参加700人×平均参加率 %×7日間×8
セクション=約2万5000人の学生が参加する
の招待のほか、OB・OGセッション、業界研究講
座、学内会社説明会への参加資格などが与えられ
流会を行う。
﹁2015 年春から就職活動を始める学生たち
が、さまざまな業界で活躍する先輩たちの話を聞
くことで、具体的なキャリアイメージを持つこと
ができるようにするのが目的です。一橋大学生は
平均3・7社のOB・OG訪問をするなど、先輩訪
問を重視しています﹂
︵藤本氏︶
業界研究講座
業界をとりあげ、日本経済新聞記者などの解
説を交え、代表的な企業がビジネスの特徴を説明
ため、CPP参加企業 社によるブース形式での
する形での資料配布、質疑応答を可能としている。
企業と学生を結ぶサービスメニュー
ほかにも次のようなサービスメニューを用意し
ている。
一日キャリア相談ボランティア
就活継続学生スカウトプログラム
9月下旬を過ぎても就職活動を続けている学生
について、固有名詞など個人を特定できる情報以
外の特徴をリスト化して企業に情報提供する。関
心を引く能力や特徴
を持った学生を企業
がリストから見出し
たときには、その旨
を学生に伝えて応募
を促す。学生の能力
には隠れていて見え
づらいもの︵藤本氏
の言う凹︶があった
り、特別な事情から
就職活動が遅れているケースがあったりするが、
ボランティアとして企業の採用担当者に自社の
立場を離れ、社会の一先輩として学生のキャリア
相談やエントリーシートチェック、模擬面接など
こうした伝えにくい良さや事情を企業に伝えて、
いかなくてはなりません﹂
︵藤本氏︶
学生と企業の声を聞きながらどんどん進化させて
のインフラと言ってもいいでしょう。これから、
﹁CPPは学生にとっても企業の人材採用にとっ
てもいいプログラムであり、大学の就職活動支援
キャリア関連授業で、各企業の参加が可能なも
のについて情報提供︵参加呼びかけ︶を行う。
キャリア関連授業参加窓口
供を行う。
学生の就職活動状況や一橋大学からの連絡事項
などについて、企業にメルマガ形式で随時情報提
学生就活動向情報等の企業への提供
個別のマッチングを図ろうとしているのである。
を担当してもらう。 月∼1月に実施予定。企業
にとっては、学生と直接接することで一橋大学生
の素顔に触れる機会になる。学生にとっては、実
際の採用担当者と接することで、面接等の雰囲気
をつかむことができる。
追加募集/一橋生特別対応情報の学生広報
8月下旬以降には、企業の追加募集情報を収集
して学生に提供する。採用辞退者の補充や数人の
の対応である。スタートが遅れた学生や、ベスト
学内会社説明会
2015年は3月2日︵月︶から 日︵火︶まで、
教室を利用して企業から学生への説明会を行う。
マッチングに恵まれない学生への情報提供という
間、学生の質問を受ける場所を別室に提供する。
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欠員追加募集など、広く公開できない採用情報へ
就職希望の学生のほとんどが参加する、一橋大学
意味もある。
行うことができる。また、会社説明の直後の 分
バー企業は、一つの教室を占有して自社の説明を
における就職活動のメインイベント。CPPメン
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なお、CPPアソシエイト企業は、一つの教室
を占有するのではなく、一教室を複数企業で共有
ことを見込んでいる。
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る。
OB・OGセッション
2014年度の新企画。大学3年生、修士1年
生と各企業に在籍する一橋大学のOB・OGとの交
流の場である。2014年 月から2015年1
月までの 回、立食形式の懇親会スタイルでの交
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学生向け業界セミナーも予定している。
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する。当日には、各業界を志望する学生が集まる
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キャリア・パートナーシップ・プロジェクト
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