広域自治体と基礎自治体 そして大都市の新しい姿

広域自治体と基礎自治体
そして大都市の新しい姿
第2期地方分権改革の展開の下で
新川達郎(同志社大学)
地方分権の意義と課題
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分権型社会への改革:統治システム、社会経済
システムの転換へ
地方分権改革へ:地方自治体権限の強化
経済社会の変化と地方財政危機:成長型経済財
政システムの破たん
分権型地方自治制度の再構築
対等協力の政府間関係
これまでの地方分権改革
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第1期分権改革
地方分権推進法:機関委任事務の廃止、国の関
与等の整理合理化、必置規制の整理合理化、
事務配分、
1999年地方分権一括法制定:市町村合併推進
骨太の方針2002:三位一体改革(2004-200
6)
地方分権改革の進展
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第2期分権改革:
第一次勧告(2008年5月):都道府県から市町
村への権限委譲など市町村重視へ、
第二次勧告(12月):法令による義務付け、枠付
けの見直し(規律密度改革)、国の出先機関改
革
地方自治制度の改革へ
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道州制ビジョン懇談会:自治型道州制の実現を
目指して、道州制導入手続立法へ
第29次地方制度調査会:基礎自治体論議、合
併の評価、監査制度、議会制度
地方分権改革:今後の課題
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地方税財政制度改革:財源委譲問題、地方財源
確保問題、成長型税制からの転換
税財政運営の自由化とガバナンス確保方策:地
方財政健全化法は分権的か?
府県から市町村への分権推進:財源問題?
勧告の実現課題:国からの権限委譲問題、規律
密度問題(条例による上書きに向けて)
地方制度改革:今後の課題
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広域自治体改革:道州制、都道府県合併、広域
連携
基礎自治体改革:大都市自治の位置づけ、合併
の評価と小規模団体問題
地域自治、コミュニティ自治の展望
新しい地方政府間関係の模索:水平的、垂直的
な協力連携の仕組みへ
改革課題解決に向けて
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改革の抵抗勢力となる政府、広域自治体、基礎
自治体の意識と行動
住民、長、議会、職員、相互間のずれ
資源制約下で求められる早い決断
課題や問題の評価を共有することから始める
大都市圏域に対する共通認識(共通の将来像)
の構築へ
大都市圏における新しい自治の形
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大都市地域の持続可能な発展を目指す
地域の資源を生かす自治システム:地域社会の
暮らしや文化、その蓄積を「つなぐ」
グローバル化に対抗できる相対的に自立性の
高い地域経済社会の構築
大都市圏型道州制の探求は必然
新しい広域自治体の形
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広域自治体の将来像:市町村合併、国の出先機
関再編、権限委譲のもとで
広域自治体の新たな役割再構築:広域戦略、広
域調整、市町村協働を中心に、
連担する大都市圏への広域的対応:大都市圏
域機構の必要性?
大都市圏における基礎自治体
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総合的包括的に機能する基礎自治体へ
住民に身近な自治体(近接性)へ
身近な自治は身近な地域へ(補完性)
住民の意思が反映されやすい自治体へ(自己決
定性)
行財政の自治の確立と都市内分権の促進:地域
自治、区役所制度の新展開へ
大都市自治の方向
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分権改革後の大都市は普通の都市か?
基礎自治体への分権と自治強化後の大都市の
位置づけ:大都市圏のキープレーヤー
大都市制度改革のイニシアチブから都市政策の
イニシアチブへ
広域自治体とのパートナーシップによる大都市
圏政策の展開へ
分権後の自治体改革課題
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分権改革を担う地方自治体へ:組織変革,体質
改善,人材育成、
成果重視の行政:有効姓・効率姓・経済性の追
及、行政評価の実施
結果責任の強調:情報公開とアカウンタビリティ
政策能力の向上:条例制定と法令解釈の範囲
拡大
自治体と自治体、自治体と住民の協働へ
ポスト分権改革の地方自治
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パートナーシップ型の地方自治へ:協働がつくる
地域、住民の暮らし
マルチレベル・パートナーシップ:国、広域自治
体、基礎自治体間の協働
マルチセクター・パートナーシップ:公共部門、民
間(市場)部門、市民(社会)部門、相互間の協働
ゼロサム・ゲームからウィンウィン関係へ