アフターブ・セート元駐日大使の功績及び経歴について 【 賞賜:旭日大

アフターブ・セート元駐日大使の功績及び経歴について
【
賞賜:旭日大綬章 】
日本・インド間の友好親善及び相互理解の促進に寄与
(1)アフターブ・セート氏は慶応義塾大学の交換留学プログラムで訪日した
経験を持ち、1968年にインド外務省に入省し、2000年から2003年
にかけて特命全権大使として日本に勤務しました。2000年8月の森総理大
臣訪印において新たに構築が合意された「日印グローバル・パートナーシップ」
の強化に努め、2001年12月のヴァジパイ首相訪日の実現に尽力するなど、
日印関係の発展及び両国の友好親善に尽くしました。
(2)外務省退官後は、慶應義塾大学において教授及びグローバルセキュリテ
ィ研究所の初代所長や国際アドバイザリー委員会会長を務め、インド政府やデ
リー大学、インド工科大学を始めとするインド国最高学府との間で情報技術・
科学技術分野での協力関係を積極的に推進し、日印間の学術交流の促進に尽力
しました。最近では、国際化拠点整備事業「グローバル30」でインドに進出
する教育機関に対する助言や、インド側との仲介役を積極的に担い、我が国の
高等教育機関の国際ネットワーク形成促進に貢献しています。
(3)セート氏は、高等教育機関や民間シンクタンクが開催する多くのセミナ
ーや大規模フォーラムに出席し、日印関係の発展に向けた様々なテーマの下で
日本に関する情報発信を行うなど、対日理解の向上に貢献しました。また、自
身でNPO法人「日印グローバル・パートナーシップ・フォーラム」を設立し、
有識者フォーラムの開催等を通じて、日印両国の相互理解の促進に貢献しまし
た。
(4)現在は、ビジネス・ブレークスルー大学客員教授、日本国際インド人学
校理事長及び同校の母体である国際学校財団副会長等を務めており、日印間の
相互交流及び相互理解の促進のために活動しています。
ブリジ・モハン・タンカ元デリー大学教授の功績及び経歴について
【
賞賜:旭日中綬章 】
インドにおける日本研究の発展及び学術交流の促進に寄与
(1)ブリジ・モハン・タンカ氏は1968年にデリー大学を卒業し、197
8年にデリー大学講師、1996年デリー大学准教授、1999年デリー大学
教授となりました。また、1997年から2000年の間、デリー大学中国日
本研究科(現東アジア研究科)学科長を務めました。2001年には外務大臣
表彰を受賞しています。
(2)タンカ氏は、論文発表、講演会の実施、著作の出版を通じ、デリー大学
及び同国における日本研究の発展に貢献してきました。タンカ氏の著書は日本
の政治・安全保障分野から文化・歴史にまたがり、その幅広い知見はインド及
び日本の有識者層他各界から高い評価を受けています。デリー大学では、日本
現代史の教員として、後進の育成にも貢献しました。
(3)タンカ氏は、インド主要紙・主要雑誌に、日本の政治や文化、社会等に
ついて、精力的に論説を投稿・掲載しており、インド国内外の学術会議・大学
等の場でも自身の研究成果を数多く発表する等、国内外における対日理解の促
進に顕著な功績を残してきました。
(4)タンカ氏は、日本の大学に客員研究員や客員教授等で在籍した経歴が多
くあり、日本における将来の日インド親善に関わる青年の指導を行うとともに、
日インドの学術・知的交流の懸け橋となってきました。
(5)更に、タンカ氏は、在インド日本大使館の活動に対しても協力的であり、
インドにおける日本研究の現状や両国間の学術交流の現状について助言すると
ともに、在インド日本大使館の行事にも積極的に参加してきました。また、国
際交流基金の事業にも積極的に参加しており、国際交流基金のフェローとして
日本の大学に客員教授として赴任したほか、同基金主催の講演会で講演を行う
など、国際交流基金の活動にも大きな貢献をしてきています。
サリタ・ナグパル元インド工業連盟次長の功績及び経歴について
【
賞賜:旭日小綬章 】
インドにおける日本のものづくり文化の普及と日本・インド間の経済関係の
強化及び相互理解の促進に寄与
(1)サリタ・ナグパル女史は、大学教員等を経て1989年にインド工業連
盟(CII)に加わりました。2012年10月、次長を最後に退職しました
が、現在も特別顧問として活躍中です。また、製造技術中央協議会役員等も務
めています。
(2)CIIでは一貫して品質管理を中心とした業務に携わり、日本の新しい
経営管理技術を企業に導入・普及させるための活動を行ってきました。199
2年に日本科学技術連盟の総合品質管理(TQM)研修を日本で受講して以降、
インド国内の企業に対するTQMの導入普及活動を推進しました。その結果、
多数のインド企業がTQMに関する世界最高ランクの賞である日本科学技術連
盟によるデミング賞を受賞しました。
(3)また、2006年の日印首脳会談の共同声明の枠組により開始が決まっ
た「製造業経営幹部育成支援プロジェクト(VLFM)」の立ち上げと実施にお
いて、インド側事務局トップとして中核的な役割を果たし、現在又は将来イン
ドの産業界でトップマネジメントとして活躍する親日的なインド人の育成に尽
力しました。現在は後継プロジェクトを実施しているところであり、インド人
参加者数がますます増加しています。
(4)このようにナグパル女史は、日本の経営管理技法のインドでの普及に長
年にわたり深く貢献し、日本のものづくり文化のインドへの普及・啓発、日印
経済関係の強化及び相互理解の促進に大きく寄与してきました。また、日本の
経営管理技法を習得したインドの会社には、日系製造業の部品関連会社が多く
含まれ、これらの会社はインドの日系企業の活躍を支える原動力ともなってお
ります。