授業改善書 科目名 生産管理論 担当者 菰田文男

授業改善書
科目名
生産管理論
担当者
菰田文男
授業の概要
一般には生産管理論という科目では、製造業の生産現場(
工場)
の品質管理、在庫管理、
スケジュール管理などにより、製造原価の切り下げと品質向上を実現することによって
市場競争力を強化するための手法について解説する場合が多い。しかし、今日、産業構
造のサービス化の進展が急速に進み、製造業においても、
価格競争力や品質向上を実現す
る上で、製造現場の占める割合は急速に低下し、たとえばアパレル産業ではデザイン部
門の果たす役割が増している。したがって生産管理とは、単に工場でのジャストインタ
イムのような手法の優劣だけでなく、オフィスや研究所におけるコスト切り下げ努力な
どを含めて論じられるようになっている。本講義でもこのような観点に立って、国際競
争力を失いつつある日本企業が、いかに価格競争力と品質での優位に立つことが出来る
かを広い観点から論じることを目標としている。
授業の問題点
以上のような観点から、現在の日本企業がどのような試みを行っているのか、そして
その目的はどの程度達成されているのかについては、企業にとっての秘密情報の部分が
多いので正確に理解し、講義において論じることは難しい。可能な限り、企業の各種の
公開情報、新聞記事などを収集して論じるように試みたが、どの程度成功したかについ
ては定かではないというのが正直なところである。また、このような企業の努力は、企
業毎に大きく異なっているので、一般論や普遍的な理論によって解説することが不可能
であるので、論じることも難しいし、聞き手としての学生にとっても講義内容の焦点が
分かりにくいという難しさもある。可能な限り焦点を明確にしつつ論じたつもりである
が、これについてもどの程度成功したかについては定かではない。
さらに、学生にとって企業の生産活動や利用されている技術についての知識が欠如し
ているので、講義内容が表面的な理解にとどまり、
興味を持ちにくいという点も悩みであ
る。
以上の結果として「授業内容が、何のことを説明しているかわからない。」「資料を配
布しても、パワーポイントと関連しておらず、利用できない。」というネガティブな回答
が得られている。
授業改善の課題・方策
まず、学生が企業の生産、デザイン、設計、技術開発などのさまざまな活動について
の具体的なイメージを持てないことが、理解を妨げ、十分な興味を持てない原因となっ
ていると考えられるので、可能な限りウェブで公開されている動画像などをプロジェク
ターを利用して示しつつ講義を展開しているのであるが、このような実践は反面で学生
にとっての講義内容の焦点の絞りにくさにも通じるので、可能な限り適切な動画像など
の利用を行うように努めることとする。
さらに、毎回講義内容についての資料を数ページのプリントとして配布しているので
あるが、この内容が若干高度であり複雑になっていて真意が伝わっていなかったかと感
じられるので、配付資料の作成についても工夫の予定である。
その他
とくになし