23 オオムギ発芽種子のジベレリン合成系における活性

オオムギ発芽種子のジベレリン合成系における活性酸素の役割
○甲斐恭平
・Yu Hyeah 1 )・小村
1)
遥
2)
・石橋勇志
1, 2)
・井上眞理
1, 2)
( 1 ) 九州大院生資環・ 2 ) 九州大農)
酵素が触媒することが報告されている(Yamaguchi
【目的】
種 子 発 芽 の 際 , 活 性 酸 素 種 (Reactive Oxygen
et al. 2000)。そこで,Fig.1 と同様の 3 処理区を設
species;ROS)が生成され (Schopfer et al. 2001),特
け,吸水後 18 時間において,それぞれの酵素をコ
に NADPHoxidase より生成される ROS がオオムギ
ードする遺伝子の mRNA 発現量を測定した。その
の発芽には重要であることが報告されている
結果,種子内の ROS 含量と mRNA 発現量の挙動
(Ishibashi et al. 2010)。さらに,ROS が植物ホルモ
に相関のある遺伝子が存在することが分かった。
ンのジベレリン(GA)の合成とアブシジン酸(ABA)
の分解を促進することで種子発芽を制御すること
が明らかになった(Liu et al. 2010)。本研究では,
GA 合成経路に着目し,ROS による GA 合成にお
ける働きを調査した。
【材料および方法】
供 試 材 料 は オ オ ム ギ (Hordeum vulgare L. cv.
Himalaya)を,九州大学貝塚圃場で栽培し,収穫後
は 4℃に保存した子実を用いた。NADPHoxidase
阻害剤として diphenylene iodonium (DPI)を用いた。
遺伝子発現量解析には,0.2%次亜塩素酸で消毒し
Fig. 1
た種子に DW,1mM DPI,1mM DPI+100mM H2O2
ROS 濃度によるオオムギ発芽率への影響
のいずれかを処理し,暗黒条件でインキュベート
した。吸水後 18 時間で胚をピンセットで採取し,
抽出したトータル RNA を用いた。
【結果および考察】
発芽率は,DPI 処理によりコントロール区に比
べて有意に低下した。また,DPI とともに外生 H2O2
を処理した ROS 回復区では,発芽率が有意な回復
を見せた(Fig.1)。この結果より,ROS がオオムギ
種子の発芽を促進させ,また NADPHoxidase によ
り生成された ROS がその役割を担うことが確認
Fig. 2
GA 合成経路 (Yamaguchi et al. (2000))
【参考文献】
された。
高等植物の GA 生合成経路は大きく 6 つの反応
Liu et al. (2010) J.Exp. Bot., 61: 2979-2990
で 構 成 さ れ る (Fig.2) 。 各 反 応 に は そ れ ぞ れ
Ishibashi et al. (2010) Plant Prod. Sci., 14 : 45-52
ent-copalyl diphosphate synthase (CPS), ent-kaurene
Schopfer et al. (2001) Plant Physiol.,125: 1591-1602
synthase
Yamaguchi et al. (2000) Plant Cell Physiol., 41:
(KS),
ent-kaurene
oxidase
(KO),
ent-kaurenoic acid oxidase (KAO), GA 20-oxidase
251-257
(GA20ox) and GA 3-oxidase (GA3ox)の 6 つの合成
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