H18年度大学教育改革プログラム合同フォーラム

平成18年度 文部科学省
地域医療等社会的ニーズに対応した質の高い医療人養成推進プログラム (医療人GP)
基本は、ヒューマニズム
共立薬科大学
薬学生 実践型教養教育推進
薬学生の実践型教養教育推進システム
ム 構築
ムの構築
実施担当者: 教務部長・教授 中島 恵美
取組期間:平成18年度~平成20年度
臨床能力向上 のヒュ マ ティ コミュ ケ ション教育の
臨床能力向上へのヒューマニティ・コミュニケーション教育の
の実質化
取組の目標
取組の概要
ーション能力を備
本取組では、豊かな人間性、高い倫理観・コミュニケー
平成18年度より6年制薬剤師教育が開始され、教育の目標としてヒュ
平成18年度より6年制薬剤師教育が開始され 教育の目標としてヒュー
マニティの強化や人格の陶冶が掲げられました。すなわち、豊かな人間性、
えた質の高い、人に優しい薬剤師育成のための教育を目指して、右記の
高い倫理観およびコミュニケーション能力に加えて、様々な個人の価値を
内容を実施します。
このように、本学がすでに全学的に展開している低学年
年向けヒューマニ
知り、医療に貢献できる薬剤師の養成が求められています。本取組の目的
ティ教育カリキュラムと体験学習プログラムを統合化し、薬
薬剤師としての
は これに基づき 本学の教育目標である「科学の基盤をも た 人に優し
は、これに基づき、本学の教育目標である「科学の基盤をもった、人に優し
倫理観を醸成する段階的かつ効率的な統合型カリキュラ
ラムを構築してい
く尽くす、資質の高い薬剤師を育成し、社会に貢献する」ことにあります。
きます。
ヒューマニティ・コミュニケーション能力は、医療人の基盤となるものであり、
本教育推進システムによって、患者とのコミュニケーションがとれる能力と、
さまざまな人生観を知り、チーム医療の一員として必要な倫理観と使命感
を有し、人格陶冶を自主的に行う人に優しい薬剤師を育成します。
プレゼンテーション
(1年前期)
意思を正確に伝える
必要 な 情 報、 意 思の
伝達のためのプレ ゼ
ンテーション技術を小
グループで学びます。
自分たちにとって「健
康とは」何か、をテー
マとしてプレゼンテー
シ
ションを組み立てて発
を組み立てて発
表します。
1年に引き続き、生と死に関わる倫理、先端医療に関わ
わる倫理、
研究に関わる倫理などについて具体的な例を含めて学
学びます。
ヒューマニズム(1年後期)
患者、家族の手記を読み、印象に残った場
面、その時の患者、家族の心理などについ
てグループ内で話し合います。生命の尊さ
を認識し、人の誕生、死などに関する様々
な問題について学びます。
小グループで学習する
必要な情報を調べる
情報の信憑性を確かめる
人の誕生、死について考える
情報を的確に発信できる
医療倫理(3年前期)
コミュニケーション(1年後期)
患者、家族の気持ちを理解する
患者、家族
気持 を 解す
医療の担い手として、医療チーム、患者、
同僚との信頼関係を確立するための技術
や態度を学びます。
医学部・看護学部を持つ他大学と医療人教育コンソーシ
シアムを形
成し 学部を超えたグル プディスカ シ ンを行い チーム医療
成し、学部を超えたグループディスカッションを行い、チー
ム医療
の一員としての問題意識を醸成します。
いて、被
また、医療人として避けることのできない薬害問題につい
人の話に耳を傾ける
害者の体験談を通して学習し、将来薬剤師となったときの
の心構え
を身につけます。
相手と信頼関係を確立する
医療チームの一員として
医療チ
ムの 員として
ての
倫理観を身につける
る
早期体験学習(1年前期)
薬学生のための体験学習プログラム
(1~3年)
体験プログラム例:
学習支援ITネットワークシステム
医療施設などの学外学習支援
者とのディスカッションを支援し
ます。
学内学習支援者(教員、セン
ター職員、大学院学生)との
ディスカッションを支援します。
学 生グルー プ 内のデ ィスカッ
ションを支援します。
社会体験型学習支援
学内外からの対話学習支援
学生記録ファイル
学習成果と資料のライブラリー
医療倫理アーカイブス
学生と教員双方向で学習補
完、評価を行います。
自身の学びの軌跡、振り返り
を促し、学習に対するモチ
ベーションの維持を図ります。
教員からのメッセージなどに
よって、学生が本来持つべき
倫理観を引き出し、心の成長
を促します。
FDによる
教員スキルの向上
看護学部な
医学部、薬学部、看
の学生が集
ど医療関連学部の
ける種々の
い、医療現場におけ
基づくシナリ
トラブルの実例に基
て話し合い
オで問題点について
ます。
シンポジウムなどによる
開
学外への情報公開
チューターとして学習者を導くためのス
チ
タ として学習者を導くためのス
本取組に関連したシンポジウム
ムの開催、
キルアップ、カリキュラムの構築などを
学会報告、報告書作成、ホーム
ムページ
テーマとして、教員によるワークショップ
作成などを通して、学外へ積極
極的に情
形式による研修会を開催します。
報を公開します。
このシステムでは、学習の経過および結果を学内サー
バーに蓄積し、学生や教員の閲覧を可能とします。学生
は自身の学習履歴を記録した学生記録ファイルにより、
成
成長の軌跡を確認することができます。また、ネットワー
軌
確
が
ク上のライブラリーに構築された学習結果、医療倫理
アーカイブス(教員が薦める医療倫理・座右の銘・メッ
セージ等)を利用し、学習効果を高めることを目的として
います。
2) 体験学習プログラム
(医療薬学センター・
SGL委員会)
平成18年度
平成19年度
平成20年度
1年前後期「生命の大切さを知るために」開講(必修4単位)
年前後期「生命 大切さを知るため 開講(必修 単位)
2年前期「生命倫理」開講(必修1単位)
3年「医療倫理」開講
(必修1単位)
医療系学生交流合同セミナ
医療系学生交流合同セミナー
1年前期「早期体験学習」体験内容の発表会開催(必修1単位)
体験学習プログラム(2年)実施・体験内容の
発表会開催
体験学習プログラム
(3年)実施
3) 学習支援ITネットワーク
システム
(総合情報センター)
4) 医療人GP評価委員会
5) FD活動(SGL委員会)
6) 取組成果の公表
(医療人GP推進委員会)
システム(ハードウェア・ソフトウェア)整備
ネットワークシステム稼働
各種ライブラリーの構築、データ蓄積
学外への公開を開始
委員会設置
本取組の評価
本取組の評価と
取りまとめ
ワークショップ、学外体験施設の医療従事者との交流会
報告書作成と配布、学会発表
教科書出版準備
教科書出版
学外を対象としたシンポジウム開催
より良い教育に向けて
責任感をもって
チーム医療に
参加できる
ポスターを共同で作成する
合同セミナー
医療系学生交流合
1) 「医療チームの一員となる
ために」
2) 「ぜん息を理解するために」
3) 「リハビリテーション、介護福
祉を理解するために」
4) 「健康管理を理解するために」
人としての倫理観が
醸成されている
薬剤師の活動の場を見学する
医療・健康に係わる様々な現場を
体験するための、様々なプログラム
が用意されています。実際の体験
により、患者、医療スタッフとのコ
ミュニケーションの重要性を知り、
学習した内容を他の学生にも伝え
ることにより、薬学生としての自覚、
目的意識を自主的に確認します。
実務実習
病院、薬局の現場を見
学し、医療の担い手と
なるための学習に対す
るモ チ ベ ーシ ョ ン を 高
めます。見学内容はプ
レゼンテーション、ポス
ター、レポートで発表し
ます。
項目 ( )は担当
1) ヒューマニティ教育
カリキュラム
(SGL委員会)
人の話を聴くことができる
プレゼンテーションの
ためのスキルととも
に、情報の信憑性の
判断力を培います。
ひとに優しい薬剤師
薬学生のための情報科学
(1年前期)
◇学習支援ITネットワーク
シ テムの構築
システムの構築
取組の年次計画
患者との
コミュニケーションが
十分にもてる
生命倫理(2年前期)
今年度から開講している薬学科1年生統合型コミュニケーション教育カ
リキュラムをさらに発展させ、1~3年次にわたる段階的カリキュラムを構
築、実践します。多くの講義時間では、5~7人の学生を1グループとした、
小グループ学習方式(SGL)で課題に取り組みます。まず、1年前期に
SGLでの学習成果を発表するためのスキルを身につけます。その上で、
1年後期では人間力を高めるための基礎をつくり、段階的に、「生命倫
理」、「医療倫理」を学ぶプログラムとなっています。また、3年間にわたっ
て様々な体験学習プログラムを開講し、その体験内容については発表会
を開催し 学生相互で評価を行い 情報を共有します また 他の医療系
を開催し、学生相互で評価を行い、情報を共有します。また、他の医療系
学部学生との合同ワークショップを企画し、「チーム医療の一員としての
高い志」を涵養します。
他人の考えの多様性を
理解できる
生命の大切さを知るために (1年前・後期)
薬学専門教育
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yoriitsu Un
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◇ ヒューマニティ教育の実施
学長 望月 正隆
共立薬科大学ならびに共立薬科大学大学院が、平成18年度文部科学省の大学改革推進補助
事業に申請した3つの教育プログラムが、このほどすべて採択されました。
補助事業の名称は、採択順に次の通りです。
*「魅力ある大学院教育」イニシアティブ
*「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」(現代GP)
*「地域医療等社会的ニーズに対応した医療人養成推進プログラム] (医療人GP)
本学では平成16年度に「特色ある大学教育支援プログラム」(特色GP)が採択され、その事
業も展開中ですので、今年度はこれら4つのプログラムを同時に推進することとなります。
これらの補助事業は 文部科学省が 各大学における大学改革の取組が 層推進されるよう
これらの補助事業は、文部科学省が、各大学における大学改革の取組が一層推進されるよう、
競争的環境の下で特色ある優れた取組を選定・支援するものです。競争率は非常に高く、本学
のような単科大学で4つもGPが採択されたことは、例を見ないものであり、本学の教育改革に
対する取組が評価された証しです。これらの事業を責任をもって推進し、その成果を教育に還元
するべく、教職員一丸となって努力をしてまいります。