一般社団法人日本ベトナム経済フォーラム ベトナム最新情勢記事(ベトナムの中小企業) ベトナムの中小企業(2011.1.7) ベトナム統計局の最新統計によると、ベトナムにおける中小企業数は約50万社、登録資本 は1,210億ドルに達するという。企業数ではベトナム全土の企業の98%が中小企業で占めら れている。 ドイモイ政策から25年-中小企業の大幅成長 現在のベトナムのGDPの40%は中小企業の貢献によるものである。農業共同組合及び農 家世帯を含めると、GDPへの寄与は60%に達する。また、中小企業は未熟練労働者向けの 100万人の雇用を毎年創出しており、貧困解消、社会生活の改善にも貢献している。中小企 業で働く労働者は、全労働者の50%を占めている。 また、こうした中小企業が集まり2005年に設立された中小企業協会の会員数は2万社に達 している。設立時会員の300社から大幅な拡大を見せている。国内41県省及び海外へのネッ トワークも持ち、言論機関や研究所も有している。今後5年間で、会員数は10万社にまで拡大 することが予想されている。 ただし、現在のベトナムの中小企業規模は依然として非常に小さいものである。中企業の 資本は、100~500万ドル、従業員数は最大でも300人である。小企業の資本金は最大100万 ドル、従業員数は200人程度となっている。 中小企業振興の必要性 ベトナム国家銀行元総裁のカオ・シー・キェム氏によると、こうした中小企業部門は「大きい が強くない」という。会社法の制定後、企業は短期間で急速な発展をしたものの、大多数の企 業では資本が不足している。上場への必要条件を満たしていないために、資金調達の機会も 制限されている。資本の不足は、中小企業にとって最も大きな問題である。 また、技術水準については、中小企業の大多数がもともと手工芸品から発展してきているた め、海外技術と比較すると遅れがあることは否めない。また、中小企業同士のネットワークも 脆弱である。 こうした中小企業の苦境に対処するため、政府は56-29-ND-CP協定を発効。同協定の展 開のため、2010年5月に、22/NQ-CPの決議が発行されている。これに基づき、中小企業は、 財政、情報ネットワーク、科学技術の取扱いを援助される。こうした援助は、中小企業の発展 の新たな動力となっていくことが見込まれる。ただし、カオ・シー・キェム氏によると、こうした政 策の効果を引き出していくためには、行政手続きの改革も同時に進めていくことが不可欠だ という。 出所:ベトナム計画投資省 (http://www.mpi.gov.vn/) (07/01/2011) 担当:マイ・ゴク・ラン 宮城島 真弓
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