Q. A. - 日本木造住宅産業協会

建設副産物Q&A 「許可のない下請け業者でも産廃を運搬できる?」
Q. 許可のない下請け業者でも産廃を運搬できる?
A.
限られた条件の下であれば、運搬するこ
とができます。
■下請け業者が収集運搬業の許可なく運搬できる条件
区分
条件
新築・増築・解体工事ではない建設工事(維持修繕工事、瑕疵補修工事などであること)
請負金額(発注者の支払金額)が500万円以下の工事であること
特別管理産業廃棄物(飛散性のアスベストなど)が発生しないこと
運搬す
るため
の条件
1回に運搬する廃棄物は1㎥以下の容量であること
下請会社が受注した工事から発生した廃棄物のみが対象であること
運搬の途中で積替保管を行わないこと
建設現場と同一の県または隣接する県の、排出事業者が使用権限を持つ保管場所(排出事
業者が委託契約した処理業者の処理施設も含む)へ運搬すること
保管場所からの廃棄物の処理に関しては、元請会社が排出事業者としての責任を果たすこ
とができること
運搬時
の管理
下請会社と交わす工事請負契約に、下請会社が運搬することを定めた内容を含むこと
運搬時には、上記契約書の写しを携帯すること
運搬時には、車輌の表示や書面の携帯などの運搬時の基準が適用されること
※表は概要です。詳細は下記環境省通知の第十六を参照。
環廃対発第110204005号・環廃産発第110204002号 廃棄物の処理及び清掃に関する法律の一部を改正する法律等の施行について(通知)
◇1つでも条件を満たさなければ罰則の対象に
廃棄物処理法により、建設工事においては元請け業者が排出事業者となることが明記さ
れています。そのため、下請け業者が現場から産業廃棄物を運搬する場合、排出事業者
(元請け)からの運搬の委託と見なされます。そのため、下請け業者が運搬を行う場合、収
集運搬業の許可が必要で、委託契約やマニフェストの交付が必要となります。
ただし、下請け業者の運搬には特例があり、表の条件を全て満たす場合は下請け業者も
排出事業者と見なして、自社運搬のように収集運搬の許可が無くても運搬が可能となります。
しかし、条件が該当する状況は非常に限られ、どれか1つでも条件が欠けると、収集運搬
の許可を持たない業者へ運搬を委託したとして委託基準違反の罰則(法第25条 5年以下の
懲役若しくは1,000万円以下の罰金又はこの併科)の対象となります。
特例を利用する際には条件の確認を厳密に行うようにしましょう。
今回のポイント
収集運搬業許可のない下請け業者による運搬はあくまで特例!!
一般社団法人 日本木造住宅産業協会