2015年 年頭挨拶 - ITU-AJ

年頭挨拶
2015年 年頭挨拶
総務大臣
たかいち
さ なえ
高市
早苗
国選挙に1959年以降11回連続で当選を果たすとともに、無線
通信規則委員会委員選挙では伊藤泰彦氏(KDDI顧問)がア
2015年の新春を迎え、お慶びを申し上げます。
ジア・太平洋地域においてトップで再選されました。
総務省が所管するICTは、全ての社会・経済活動や国民生
我が国は、ITUが情報社会の実現に向けて重要な役割を果
活に不可欠な基盤であり、新たなイノベーションを創出し、経
たしていると認識しており、同会議で引き続きITUへ最大の分
済成長を牽引するエンジンです。
担金を拠出することを表明しました。
先般、情報通信審議会から、2020年代を見据え、世界最高
また、ICTの利用によるエボラ出血熱の撲滅のための新たな
レベルのICT基盤の更なる普及・発展に向けた制度見直しの
決議が全会一致で採択されたことを受け、これに賛同すると
答申を受けました。
ともに支援を表明しました。
今後、ICT基盤を利活用したイノベーションや多彩なサービ
本年は、ITU創設150周年に当たるとともに、世界情報社会
スの創出、便利で安心して利用できる環境の整備を通じて、
サミットが開催されて10年目を迎える重要な年です。また、12
日本経済の活性化と国民生活の向上を目指してまいります。
月にはICT分野の国際統計に関するハイレベルなシンポジウム
また、総務省では、2020年オリンピック・パラリンピック東
(WTIS-15)を日本に招致して活発な議論に参画することとし
京大会及び大会以降の我が国の持続的な成長を見据えた社会
ています。総務省としては、このようにITUに対してさまざま
全体のICT化の推進に向け、産学官共同の検討の場を設けまし
な面において積極的に貢献を行ってまいります。
た。
今後、無料公衆無線LAN環境の整備促進、ICTを活用した多
さらに、ICTのもたらす利益をアジア・太平洋諸国の人々が
等しく享受できることを目的に、当該地域における国際機関
言語対応、放送コンテンツの海外展開、4K8Kやデジタルサイ
であるアジア・太平洋電気通信共同体(APT)は、情報通信
ネージの推進、第5世代移動通信システムの実現、オープンデ
分野の人材育成や標準化・無線通信などの地域的政策調整な
ータなどの活用等の実現に向けた検討を進めてまいります。
どに取り組んでおります。
他方、国外に目を向けますと、我が国は、これまで発展途
我が国は、域内における最大の拠出国として、設立当初よ
上国を中心に、地デジ日本方式をはじめとするICTの国際展
りAPTへ積極的に貢献するとともに、昨年11月に行われた
開に向けてトップセールスを行い、昨年は、4月にモルディブ、
APT事務局次長選挙において、当省職員である近藤勝則氏が
5月にスリランカが地デジ日本方式の採用を決定し、合計で17
当選を果たしました。我が国としては引き続き、APTへの人的
か国が日本方式を採用しているところです。
支援や財政的支援を行ってまいります。
今後とも地デジ日本方式の国際展開を着実に進めるととも
ICTが日常生活に広く浸透し、その影響力が大きくなるに
に、地デジで培った協力関係をICT分野全体へ拡大し、教育
つれ、ICTを所管する私ども総務省の役割はますます大きなも
や医療、防災といった様々な社会的課題の解決を図ることに
のになってきています。引き続き、ICTに係る施策を着実に推
よって世界に貢献してまいります。
進し、国民生活に活力と豊かさを実感していただけるよう、総
同時に、我が国は、国際機関及び地域機関への積極的な貢
献を通じて、国際的なICTの発展・展開にも寄与しております。
昨年は、ITUの4年に一度の全権委員会議が韓国(釜山)
務省が持つ政策資源を総動員して取り組んでまいります。本
年も御支援、御協力をよろしくお願い申し上げます。
結びに、皆様の御多幸と御健勝、そして本年が皆様にとっ
で開催され、今後4年間の執行体制を決める選挙や戦略計
て更なる飛躍の年となりますことを祈念いたしまして、私の年
画・財政計画の決定などが行われました。我が国はITU理事
頭の御挨拶とさせていただきます。
ITUジャーナル Vol. 45 No. 1(2015, 1)
3