なぜ日本は嫌われる(5) -日本の選択肢は・・ー この原稿を - おばた久弥

-日本の選択肢は・・ー
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この原稿を書いている 6 月 2 日 14 時現在、我が国の排他的経済水域で違法操業
し、海上保安庁職員 2 名を韓国領海に拉致した韓国漁船を、我が国に引き渡さない
韓国海上警察隊との、交渉はまだ解決していません。そし
て、尖閣列島のガス田の話合いも、中国の一方的な主張で
5月31日決裂しました。そのことに加えて、6 月 1 日、
かつて外相として、東南アジア諸国に「痛切なお詫び談話」
を、村山首相をして発表させた、河野洋平衆議院議長が、
歴代首相経験者に、小泉首相の靖国参拝を止めさせること
を働きかける会談を持ちました。
我が国は、どのような決断をし、世界に、アジアに発信すればよいのでしょうか。
① 従来通り、首相は靖国に参拝し、他国からの抗議は、内政干渉と無視する。
② 首相、閣僚の靖国参拝を中止し、今後も一切しないことを言明する。
③ 処刑された戦犯の慰霊は、別の施設に移し、従来どおり靖国に参拝する。
この程度の選択肢しか、我が国には、残されてはいません。
韓国も、中国も、経済力をつけるまでは、さんざん我が国に、戦時補償をちらつか
せながら、ODA を引っ張り出してきました。我が国は、その弱みもあるので、た
くさんの援助もしてきましたが、両国とも経済力を付けてきたら、今まで我が国に
援助を受けてきたことは、全部忘れたかのように、居丈高に、我が国の領海、領土
を侵犯し始めました。何度も書いていますが、両国とも、我が国への、戦時補償の
要求ははっきりと明文で放棄しています。そのことを、もう一度思い出して下さい。
もちろん、その放棄は、両国の善意でしたことではなく、ODA の裏付けがあった
からです。②を選択すれば、我が国の戦争犠牲者の遺族は、いったいどう感じるで
しょうか。それに、私たちの知りうる範囲で言えば、戦争による犠牲者の慰霊を国
家元首が全くしないということは考えられません。それは国家の命令で戦死した
人々を犬死にさせたことと同じことなのです。よって、②は選択できません。③が
一見賢明なの方法に思えます。しかし、その結果、我が国は外圧をかければ、簡単
に屈する国として、中韓両国だけでなく、他の国からも、軽く扱われ、侮られる国
になってしまうのではと、案じています。こう考えると例え中韓との関係がます
なぜ日本は嫌われる(5)
はたらく男 福岡市
福岡市議会議員
おばた 久弥 レポート
050603
№
140
ます険悪になっても、ここは①を選択し、日本国家としての存在を明確にすべきです。
これは日本国民のアイデンテイテイ存在意義の問題であり、将来の国益を考えた選択
だと考えます。核拡散防止条約(NPT)で我が国の代表が、米国の代表に面会の約束を
すっぽかされた事件がありました。米国からすれば、「自分たちが、核の傘で、おま
えたち日本人を守ってやっているのに、核実験中止、核軍縮推進とは何事か」という
本音の表れでしょう。「同盟国」米国からでさえも、こんなに軽くあしらわれ、国連
常任安保理事国入りの支援を受けられない、そんな存在感の薄い国が日本です。その
くせ、国連の負担金は米国に次いで第 2 位とは、本当に国民として泣けてきませんか、
皆さん。今回の、中国の我が国に対する、高圧的な態度は、我が国の対中国 ODA の
打ち切りの機運を敏感に感じ取り、「東アジアで真の実力者は中国である」というこ
とを世界に認めさせる行動だという視点でなぜ大新聞、マスコミは報道しないのでし
ょうか。近視眼的に、靖国問題だけで、物事を判断するのは間違いなのです。韓国に
ついて言えば、経済的にも、国民感情の点でも、また歴史的にも中国にくっついてお
かねばならない国です。今回の侵犯事件のように、明らかに自国に責任があっても自
論を押し通そうとする、北朝鮮と同様の国ですが、世界の支持は得られません。
小泉総理が、靖国参拝で妥協をする時は、常任理事国入りへの支持を中韓両国から
引き出すときです。それ以外の妥協は絶対我が国にとってプラスにはなりません。勿
論、平和憲法は大切ですが、東アジアの主導権を、我が国と中国、どちらが執るのか
という国際政治の現実を国民一人一人が真剣に考えるときです。対立や紛争は絶対い
やだといってしまうことは簡単です。しかし、そのことで他国の理不尽な行動、言動
を受け入れてしまうなら、我が国は、やがて首相が交代したら、北京詣でをする国に
堕してしまうことは確実です。また、自慢のこの憲法を守る事さえ困難になるのは必
定です。正しく、一部の大新聞が狙うとおりの結果になるのです。自国の立場を主張
することなく、戦わずして、属国になってしまう、我が国を母国として誇れるのか、
結論は明らかでしょう。ドイツは首都ベルリンに、戦争犠牲者の慰霊碑を建立し、我
が国と比較して、ずいぶん評判が良いようです。肝心の戦争責任は、すべてナチスの
悪行ということで、処理してしまいました。しかし、ナチスとは、ドイツ国民ではな
いのでしょうか。我が国民は、戦争責任は我が国民全ての心のなかにあったという反
省をしています。一部で暴走があったにせよ、軍人だけが勝手に起こしたものだとは、
大半の国民は考えていないはずです。どちらが、真の反省をしているのでしょう。皆
様のご意見お聞かせ下さい。