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§13. 連結性
ユークリッド空間 R2 の部分空間 X = U ((−2, 0); 1) ∪ U ((2, 0); 1) と Y = U ((− 12 , 0); 1) ∪
U (( 12 , 0); 1) を考えよう。X は 2 つの “部分”に分かれているから “つながっていない”。一方、
Y は図形として 1 つに “つながっている”。位相空間論では、両者の違いを 2 つの非自明な開
集合に分割できないかできるかという視点でとらえる。こうして得られる概念が「連結」であ
る。ここでは、1 次元ユークリッド空間の連結な部分空間を決定する。さらに、連結性が直積
に遺伝することを用いて、ユークリッド空間 Rn や n ≥ 2 のときの Rn − {0} が連結であるこ
とを示す。
● 13 - 1 : 連結性
位相空間が連結である (“つながっている”) ということは、「連結でない」ことの否定が成り
立つということである。次の連結の定義はこの視点で見るとわかりやすい。
定義 13 - 1
X を位相空間とする。次の条件を満たす X の部分集合 U, V が存在しないとき、X は連結
であると呼ばれる。
(DC1) X = U ∪ V .
(DC2) U ∩ V = ∅.
(DC3) U, V は X の開集合である。
(DC4) U ̸= ∅, V ̸= ∅.
X の部分集合 A が連結であるとは、A を X の部分空間とみて連結であるときをいう。
注意:条件 (DC1), (DC2), (DC3), (DC4) を満たす U, V は X を分割する開集合と呼ばれる。
補題 13 - 2
X を位相空間とする。このとき、次は同値である。
⃝
1 X は連結である。
⃝
2 X の開かつ閉集合は ∅ と X のみである。
(証明)
⃝
1 =⇒ ⃝
2 :U を X の空でない開かつ閉集合とする。このとき、V := X − U は X の開集合
であり、U ∩ V = ∅, U ∪ V = X を満たす。もし、V ̸= ∅ であったとすると、U, V は X を分
割する開集合となり、X が連結であることに反する。よって、V = ∅ である。これは、U = X
であることに同値である。
⃝
2 =⇒ ⃝
1 :対偶を示す。X が連結でないならば、X を分割する開集合 U, V が存在する。
(DC1), (DC2) より U = X − V であるが、V は X の開集合であるから、U = X − V は X の
閉集合である。V ̸= ∅ であるから、U = X − V ̸= X である。こうして、X の中に ∅ でも X
でもない開かつ閉集合 U が存在することがわかる。
□
例 13 - 3 R − {0} は連結でない。
(証明)
U = (−∞, 0), V = (0, ∞) は R − {0} を分割する R − {0} の開集合である。よって、R − {0}
□
は連結でない。
– 49 –
例 13 - 4 閉区間 [a, b] は連結である。
(証明)
M を [a, b] の空でない開かつ閉集合とする。
a ∈ M の場合を考える。
R := { x ∈ [a, b] | [a, x] ⊂ M }
とおく。b ∈ R を示せば M = [a, b] がいえる。
a ∈ M であり、M は [a, b] の開集合であるから、[a, a + ε) ⊂ M となる ε > 0 が存在する。
このとき、[a, a + 2ε ] ⊂ M であるから、R ̸= ∅ である。R は上に有界な空でない R の部分集
合であるから、sup R が存在する。d := sup R とおくと、d ∈ R である。
∵)
[a, d] ⊂ M を示せばよい。
x ∈ [a, d) ならば、上限の定義より、ε := d − x > 0 に対して d − ε < r を満たす r ∈ R
が存在する。このとき、x ∈ [a, r] ⊂ M である。よって、[a, d) ⊂ M .
R における閉包をとって、[a, d] = [a, d) ⊂ M = M を得る。
□
もし、d < b であったとすると、[a, d] ⊂ M であって、M は [a, b] の開集合であるから、
[a, d + δ) ⊂ M となる (b − d >) δ > 0 が存在する。このとき、d +
δ
2
∈ R となり、d が R の上
限であることに反する。よって、d = b である。これで、b ∈ R がわかり、M = [a, b] となるこ
とが示された。
次に、a ̸∈ M である場合を考える。この場合、N := [a, b] − M とおくと、N は [a, b] の空で
ない開かつ閉集合であって、a ∈ N となる。したがって、上と同じ議論により、N = [a, b] であ
ることがわかる。これは M = ∅ を意味し、仮定に反する。よって、a ̸∈ M となる場合は生じ
ない。こうして、[a, b] の空でない開かつ閉集合 M は [a, b] に一致することが証明された。 □
● 13 - 2 : 連結な部分集合族とそれらの和集合の連結性
2 つの連結空間が共有点を持てば、それらの和集合も「つながっている」から連結である。
次の定理はこのことの一般化である。
定理 13 - 5
X を位相空間とし、{Aj }j∈J を X の連結な部分集合族、A
(̸= ∅))を X の連結な部分集合
(∪
Aj は連結である。
とする。任意の j ∈ J に対して A ∩ Aj ̸= ∅ ならば、A ∪
j∈J
(証明)
まず、X の連結な部分集合族 {Bj }j∈J が
∩
Bj ̸= ∅ を満たせば、B :=
j∈J
∪
Bj は連結であ
j∈J
ることを示す。
U を B の空でない開かつ閉集合とする。すると、少なくとも1つの j0 ∈ J に対して U ∩Bj0 ̸=
∅ となる。U ∩Bj0 は Bj0 の空でない開かつ閉集合であり、Bj0 は連結であるから、U ∩Bj0 = Bj0
となる。したがって、Bj0 ⊂ U である。Bj0 は、仮定により、すべての Bj (j ∈ J) と交わるか
ら、U もまたすべての Bj と交わる。すなわち、任意の j ∈ J に対して U ∩ Bj ̸= ∅ となる。
再び、Bj が連結であることを用いて、U ∩ Bj = Bj を得る。これは Bj ⊂ U であることを意
– 50 –
味する。こうして、B =
∪
Bj ⊂ U が示された。U はもともと B の部分集合であったから、
j∈J
これは B = U であることを意味する。こうして、B が連結であることが示された。
さて、各 j ∈ J に対して A ∩ Aj ̸= ∅ であって、A, Aj はともに連結であるから、今示した
∩
ことから、Bj := A ∪ Aj は連結であることがわかる。
Bj ⊃ A ̸= ∅ であるから、再び今示
j∈J
(
)
∪
∪
Bj = A ∪
Aj は連結であることがわかる。
□
したことを用いて
j∈J
j∈J
1 次元ユークリッド空間の連結部分集合は次のように完全に決定できる。
命題 13 - 6
1 次元ユークリッド空間 R の部分集合 I に対して、
I :連結 ⇐⇒ I は ∅ または 1 点集合、または区間
ここで、I ⊂ R が区間であるとは、次の (i),(ii) が満たされるときをいう。
(i) I は相異なる実数を少なくとも2つ含む。
(ii) a, b ∈ I, a < b ならば、I は a ≤ x ≤ b を満たすすべての実数 x を含む。
(証明)
=⇒ の証明:I を空でも 1 点集合でもない、連結な R の部分集合とする。すると、I は少な
くとも 2 個以上の元を持つ。
a < b なる a, b ∈ I をとる。もし、a ≤ x0 ≤ b を満たすある x0 ∈ R が I に属していなかっ
たと仮定する。a, b は I に属するので、x0 ̸= a, b である。このとき、U := (−∞, x0 ) ∩ I, V :=
(x0 , ∞) ∩ I は I の開集合であり、x0 ̸∈ I なので、U ∪ V = I となる。a ≤ x0 ≤ b, a, b ∈ I よ
り、a ∈ U, b ∈ V が従う。よって、U ̸= ∅, V ̸= ∅ である。さらに、U ∩ V = ∅ である。こ
のように、I は開集合 U, V によって分割される。これは I が連結であることに反する。故に、
a ≤ x ≤ b を満たすすべての x ∈ R は I に属する。
⇐= の証明:∅ や 1 点集合が連結であることは明らかなので、区間が連結であることを示す。
I を区間とすると、(i) より、I は a ̸= b であるような 2 点 a, b を含む。a < b であるとす
る。(ii) により、[a, b] ⊂ I が満たされる。
∪
[a, c],
A :=
B :=
c∈I
b≤c
∪
[d, b]
d∈I
d≤a
とおく。A, B は連結である。
∵)
例 13-4 より、b ≤ c を満たす任意の c ∈ I に対して( [a, c] は連結であり、
[a, b] ∩ [a, c] =
)
∪
[a, c] は連結である。同様にし
[a, b] ̸= ∅ であるから、定理 13- 5 より、A = [a, b] ∪
c∈I
b≤c
□
て、B も連結であることがわかる。
A ∩ B ⊃ [a, b] ̸= ∅ であるから、A ∪ B も連結である。I = A ∪ B であるから、区間 I は連
□
結であることが示された。
例 13 - 7 (1) R は連結である。
(2) a < b を満たす任意の a, b ∈ R に対して区間 (a, b), [a, b), (a, b] はすべて連結である。
– 51 –
● 13 - 3 : 連結性と直積
定理 13 - 8
空でない位相空間 X, Y に対して、
X, Y が共に連結 ⇐⇒ X × Y が連結
この定理の証明は次節で与える。ここでは、この定理の適用例を示す。
例 13 - 9 n ≥ 1 のとき、Rn は連結である。
解;
R は連結なので、定理 13- 8 より、R2 = R × R も連結である。さらに、定理 13- 8 より、
R3 = R2 × R も連結である。以下、同様にして、Rn は連結であることがわかる。
□
例 13 - 10 n ≥ 2 のとき、Rn − {0} は連結である。
解;
まず、R2 − {0} が連結であることを示す。
A1 = (0, ∞) × R,
A2 = (−∞, 0) × R,
A3 = R × (0, ∞),
A4 = R × (−∞, 0)
とおく。R2 − {0} = A1 ∪ A2 ∪ A3 ∪ A4 と表わされる。各 Ai (i = 1, 2, 3, 4) は連結空間の直積
として連結である。(1, 1) ∈ A1 ∩ A3 , (−1, −1) ∈ A2 ∩ A4 より、A1 ∩ A3 ̸= ∅, A2 ∩ A4 ̸= ∅
である。よって、定理 13- 5 により、A1 ∪ A3 , A2 ∪ A4 は連結である。
(1, −1) ∈ (A1 ∪ A3 ) ∩ (A2 ∪ A4 )
であるから、再び定理 13 - 5 を用いて R2 − {0} = (A1 ∪ A3 ) ∪ (A2 ∪ A4 ) は連結であることが
わかる。
n ≥ 3 とし、Rn−1 − {0} は連結であることが示されたと仮定する。
B1 = (Rn−1 − {0}) × R,
B2 = Rn−1 × (0, ∞),
B3 = Rn−1 × (−∞, 0)
とおくと、Rn − {0} = B1 ∪ B2 ∪ B3 と表わされ、各 Bi (i = 1, 2, 3) は連結空間の直積として
連結である。(1, · · · , 1, 1) ∈ B1 ∩ B2 , (−1, · · · − 1, −1) ∈ B1 ∩ B3 であるから、定理 13- 5 によ
り、B1 ∪ B2 , B1 ∪ B3 は連結である。(B1 ∪ B2 ) ∩ (B1 ∪ B3 ) ⊃ B1 ̸= ∅ であるから、再び定理
13- 5 により Rn − {0} = (B1 ∪ B2 ) ∪ (B1 ∪ B3 ) は連結であることがわかる。
– 52 –
□
No.13
集合と位相 3 演習問題
2014 年 12 月 22 日
連結性
連結、区間
13-1. 1 次元ユークリッド空間 R の部分集合として、閉区間が連結であることを用いて、任意
の区間が連結であることを示せ。ここで、I ⊂ R が区間であるとは、次の (i),(ii) が満たされる
ときをいう。
(i) I は相異なる実数を少なくとも2つ含む。
(ii) a, b ∈ I, a < b ならば、I は a ≤ x ≤ b を満たすすべての実数 x を含む。
ヒント:I を区間とすると、(i) より、I は a < b であるような 2 点 a, b を含む。(ii) により、
[a, b] ⊂ I が満たされる。このとき、
A :=
∪
[a, c],
c∈I
b≤c
B :=
∪
[d, b]
d∈I
d≤a
とおくと、I = A ∪ B と表される。
13-2∗ . 次の 2 次元ユークリッド空間 R2 の各部分集合について、連結であるか否かを判定せよ。
(1) A = { (x, y) | x2 + y 2 ̸= 1 }
(2) B = { (x, y) | x2 + y 2 < 1, y ≥ x }
集合と位相3 [第 13 回]・関連図作成シート
学籍番号
2014 年 12 月 22 日
氏 名
集合と位相3通信
[No.13]
2014 年 12 月 22 日発行
■ コンパクト空間の直積がコンパクトであることの証明の補足
前回の授業で、コンパクトな位相空間 X, Y の積空間 X × Y がコンパクトであることを、次
が成り立つことを認めた上で証明しました。
X × Y の開被覆 {Oλ }λ∈Λ が与えられたとき、任意の x ∈ X に対して、次を満たす Y
の有限開被覆 V(x) と x の X における開近傍 Ux が存在する:
∀ V ∈ V(x), ∃ λ ∈ Λ s.t. Ux × V ⊂ Oλ .
(∗)
この事実は以下のように示すことができます。まず、最初に与えられた X × Y の開被覆
{Oλ }λ∈Λ を各点において小さな「直積の形」をしたものに取り替えます。具体的には、各点
Y
Y
Oλ
(x,y)
x
W×V
X
X
Ux
(x, y) ∈ X × Y に対して (x, y) ∈ Oλ となる λ ∈ Λ が存在するので、(x, y) ∈ W × V ⊂ Oλ と
なる X の開集合 W と Y の開集合 V を取ることができます。それらを集めてくれば、X × Y
の「直積の形」をした開被覆 U が得られ、その中の各開集合は少なくとも 1 つの Oλ に含ま
れていることになります。さて、x ∈ X を 1 つ固定し、X × Y の部分空間 {x} × Y を考えま
す。これは Y と同相なのでコンパクトです。U は {x} × Y の開被覆にもなっているので、U
の中から有限個を選び出して、依然として {x} × Y を被覆しているようにすることができま
す。例えば、{W1 × V1 , . . . , Wl × Vl } ⊂ U が {x} × Y の開被覆になっているとしましょう。す
l
∪
Vj であり、各 j = 1, . . . , l に対して x ∈ Wj であり、Wj × Vj は少なくとも 1
ると、Y =
j=1
つの Oλ に含まれているので、V(x) := {Vj }lj=1 は Y の有限開被覆、Ux :=
l
∩
Wj は x の X
j=1
における開近傍であり、(∗) を満たすことがわかります。ここから先の議論は授業の中で示した
通りです。
集合と位相3 第 13 回・学習内容チェックシート
2014 年 12 月 22 日
学籍番号
氏 名
Q1. 位相空間に対する「連結」の概念は、その空間が (図形として) 1 つに “
”
ということを数学的に扱えるようにするために導入された。“つながっていない”ということを、
2 つの非自明な
に
できること、という視点でとらえ、それを否定する形
で、位相空間が連結であることが定義される。すなわち、位相空間 X が連結であるとは、次の
4 条件を満たす X の部分集合 U, V が存在
ときをいう。
(DC1)
(DC2)
(DC3)
(DC4)
次の言い換えが成立する。
X は連結である ⇐⇒ X の
は
と
のみである
であるときをいう。
X の部分集合 A が連結であるとは、
Q2. 2 次元ユークリッド空間 R2 の次図によって表わされる部分集合 X, Y (影の部分および実
線上の点は含む、破線上の点は含まない)はそれぞれ連結か?簡単な理由をつけて答えよ。
(1)
(2)
Q3. R の部分集合 I が区間であるとは、次の2条件が満たされるときをいう。
(i)
(ii)
R, および、a < b を満たす任意の a, b ∈ R に対し、(a, b), [a, b), (a, b], [a, b] はすべて上記
の意味で区間である。1 次元ユークリッド空間 R の部分集合で、連結であるものは次の3タイ
プに限られる。
,
,
Q4. 連結性は直積に遺伝する。詳しくは、空でない 2 つの位相空間 X, Y に対して、X, Y が
連結であることと、
であることは必要十分となる。
このことと 1 次元ユークリッド空間 R が連結であることを用いて、
は連結であるこ
とがわかる。
Q5. n 次元ユークリッド空間 Rn の部分空間 Rn −{0} は n =
のとき連結である。前者の結果は、U =
のとき連結でなく、n ≥
,V =
開集合になっていることから従う。後者の結果は、2 つの連結な空間の
と、および、2 つの連結な空間が
る、という結果を繰り返し用いて示される。
が R − {0} を分割する
は連結であるこ
を持っていれば、それらの和集合も
であ
集合と位相3・第 13 回の学習内容のテーマとまとめ
学籍番号
2014 年 12 月 22 日
氏 名
[テーマ]
[学習内容のまとめ] 今回の学習内容を下の破線より下に文章で書いてください。但し、∀, ∃, ⇒
などの論理記号や「(記号):(その説明)」のような略式的表現法を避けてください。さらに、次
のことに触れてください。
•
•
•
•
連結であることの素朴な意味とその捉え方。
連結な位相空間の例とそうでない位相空間の例。
積空間の連結性とその応用例。
連結な部分集合族とそれらの和集合の連結性とその適用例。
[感想](わかりにくかったことや考えたことなどがあれば書いてください)
集合と位相3 [第 13 回]・関連図作成シートに含めるべき項目
X を位相空間とする。
X :連結 ⇐⇒ ̸ ∃ U, V ⊂ X
s.t. (DC1)
(DC2)
(DC3)
(DC4)
X =U ∪V,
U ∩ V = ∅,
U, V:open in X,
U ̸= ∅, V ̸= ∅.
A ⊂ X :連結 ⇐⇒ A を X の部分空間とみて連結。
位相空間 X に対し、次は同値。
⃝
1 X は連結である。
⃝
2 X の開かつ閉集合は ∅ と X のみである。
R − {0} は連結でない。
⃝
∵
U = (−∞, 0), V = (0, ∞) は R − {0} を分割する R − {0} の開集合である。
X :位相空間、{Aj }j∈J :X の連結な部分集合族、
A (̸= ∅):X の連結な部分集合とする。
∀ j ∈ J に対して A ∩ Aj ̸= ∅
=⇒
A∪
(∪
)
Aj :連結
j∈J
I ⊂ R:区間 ⇐⇒ 次の (i),(ii) が満たされる:
(i) I は相異なる実数を少なくとも2つ含む。
(ii) a, b ∈ I, a < b =⇒ { x ∈ R | a ≤ x ≤ b } ⊂ I.
I ⊂ R に対して、
I :連結 ⇐⇒ I は ∅ または 1 点集合、または区間
a < b を満たす任意の a, b ∈ R に対して
区間 (a, b), [a, b), (a, b], [a, b] はすべて連結。
空でない位相空間 X, Y に対して、
X, Y が共に連結 ⇐⇒
n ≥ 1 のとき、R は連結。
n
X × Y が連結
n ≥ 2 のとき、R − {0} は連結。
n
集合と位相3・小テスト [第 13 回]
2014 年 12 月 22 日
氏 名
学籍番号
[文章化問題] X を位相空間とします。次の論理式 (∗) で書かれた命題を、∀, ∃, ⇒, ∩, ⊂ など
を使わずに、さらに、
「closed in X 」
「open in X 」を適当に翻訳して、文章に書き直しなさい。
(∗)
F1 , F2 :closed in X, F1 ∩ F2 = ∅
=⇒ ∃ U1 , U2 :open in X s.t. F1 ⊂ U1 , F2 ⊂ U2 , U1 ∩ U2 = ∅.
[写像の定義に関する問題] {1, 2, 3} から {1, 2} への全射な写像を、写像の表現形式に倣って、
すべて挙げなさい。
[学習内容の確認問題] 以下の下線部分をうめなさい (∀, ∃, ⇒ などの論理記号や「(記号):(そ
の説明)」のような略式的表現法を避けてください)。
コンパクトは以下の性質を持つ。第1に、コンパクト性は連続写像の下で保たれる。特
に同相写像によって保たれるから、コンパクト性は
である。第2
に、コンパクト性は直積に遺伝する。詳しく述べると、空でない位相空間 X, Y に対して
。
ハ ウ ス ド ル フ 空 間 と の 関 連 で は 以 下 の 結 果 が 成 り 立 つ 。そ れ ら は
という事実から導かれる。
第1に、ハイネ-ボレルの被覆定理の逆が成り立つ。したがって、
の
こととは同値である。例
部分集合 A がコンパクトであることと
えば、A = { (x, y) ∈ R2 | x2 + y 2 < 1 } は
ため、
。
第2に、コンパクト空間上で定義された実数値連続関数は、必ず、
このことから、どんな連続関数 f : S2 −→ R も
第3に、X が
Y は自動的に
で、Y が
。
ことがわかる。
の場合には、連続な全単射 f : X −→
となる。この結果は等化空間をユークリッド空間の部分集合とし
て実現したいときなどに使われる。例えば、[0, 1] × [0, 1] の対辺上の向かい合う 2 点をそれぞ
れ同一視して得られる等化空間 T2 は、f : T2 −→ R3 を適当に定めることにより、R3 の中の
を z-軸のまわりに 1 回転してできる図形と同相になるこ
とがわかる。