J-25.7 (2次試験) 土木(総合) 試 験 問 受験番号 題 氏 集 名 指示があるまで開いてはいけません。 注意事項 1.[No.1]~[No.3]の3問から1問、 [No.4]~[No.9] の6問から2問を選択すること(全部で3問)。 2.解答時間は2時間です。 3.解答は所定の解答用紙に記入すること。 [No.1] 構造力学 [No.4] 土木材料学 [No.7] 農業水利 [No.2] 水理学 [No.5] 土木計画学 [No.8] 農業造構 禁転載 [No.3] 土質力学 [No.6] 地質学 [No.9] 農村整備 ・問題([No.○] )ごとに解答用紙を別々にすること。(続けて書かないこと。) ・計算問題は計算過程も記述すること。 [No.1(構造力学) ] 次の各設問に答えよ。 1 図のように長さ l の途中で断面積が 2A から A に変化する棒の一端が固定され、分布 荷重 q が作用しているとき、以下の設問に答えよ。ただし弾性係数 E は一様とする。 また、x座標は固定端をx=0 とし、自由端側に向かって正とする。 l /2 l /2 q E、A E、2A (1) 引っ張りを正とした場合の固定端(x=0)における軸力を求めよ。 (2) x= l /2 における変位を求めよ。 (3) 軸力、ひずみ、変位のグラフを描け。 2 図のように単純梁に集中荷重と曲げモーメントが作用しているとき、以下の設問に 答えよ。 Pl 支点 A 支点 B P l /3 l /3 (1) 支点 A と B の支点反力 VA 、VB を求めよ。 (2) せん断力図を描け。 (3) 曲げモーメント図を描け。 l /3 [No.1]つづき 3 図のようなトラス構造に荷重 P が作用しているとき、部材 A、B、C の軸力を求めよ。 ただし、引っ張りを正とする。 A 30° 30° B C l P 60° l 4 図のような底辺がb、高さがhの二等辺三角形について、断面 1 次モーメントから 図心の高さを求めよ。 h b [No.2(水理学) ] 次の各設問に答えよ。 1 図のように水路をせき止めしている場合、せき板に作用する全水圧と作用点を求め よ。ただし、せき板の幅は2mとし、水は淡水( 1000kg / m 3 )とする。(小数第 一位を四捨五入せよ。) せき板 H1=2m P1 P2 H2=4m 2 下図のように放流のため前問のせき板を取った瞬間における、せき板に作用する全 水圧と作用点を求めよ。 (小数第一位を四捨五入せよ。 ) せき板 H1=2m P1 P2 H2=4m [No.2]つづき 3 図のように水槽の側面に小孔をあけた小オリフィスについて次の各設問に答えよ。 (1) 水面上の点A、小孔の中心を通る水平面でオリフィス出口の最も縮流した部分に点 Bをとる。水面における流速、圧力の強さ、および基準面からの高さを、点AでvA、 pA、zA、点BでvB、pB、zB とするとき、関係の式を水頭表現で示せ。ただし、 重力加速度をg、密度をρとする。 A H B (2) 上流側の断面積がオリフィスの断面積に比べて極めて大きく、出口でのエネルギー 損失がない場合、点Bでの流速を求めよ。 (3) 上流側の断面積がオリフィスの断面積に比べて極めて大きく、出口でのエネルギー 損失が無視できない場合の点Bでの流量Qを求めよ。また、最も縮流し流れが一様 となる部分点Bの名称と、オリフィスからどの程度下流で発生するか答えよ。ただ し、実際の流速の理論流速に対する比(流速係数)をCv、オリフィスの断面積をA、 縮流係数(断面補正係数)をCA とする。 [No.2]つづき 4 水路について次の各設問に答えよ。 (1) 下表の空欄に①~⑥にあてはまる数値求めよ。 断面形 長方形 B H 2.50m 1.00m D θ 1.00m 240° 流積A 潤辺S 径深R 水深H BH ① ② H ③ ④ ⑤ ⑥ B H 円形 B D O H θ (2) (1)の円形断面において、水面勾配をI、祖度係数をnとしたとき、流速を求める式 を示せ。ただし、(1)の表で算出した数値は使用せず記号を用いること。 (3) 常流・射流について説明せよ。 [No.3(土質力学) ] 次の各設問に答えよ。 1 次の各設問に答えよ。 (小数第二位を四捨五入せよ。 ) (1) ある供試体の間隙空気、間隙水、土粒子の体積および質量が以下の条件の時、 間隙率、含水比、飽和度を求めよ。 間隙空気 体積 Va = 10 ㎤ 質量 ma = 0 間隙水 体積 Vw = 100 ㎤ 質量 mw = 100g 土粒子 体積 Vs = 500 ㎤ 質量 ms = 1,325g (2) 飽和度 Sr = 100%の供試体を容器にセットし、総重量を測ったところ 70gであっ た。それを乾燥させたところ、重量は 62g になった。容器の重量を 25g、土粒子比 重 Gs = 2.65 とした場合の湿潤密度ρt と乾燥密度ρd を求めよ。 2 図のように砂地盤中に矢板が打ち込まれている。砂地盤の間隙比 e = 0.65、砂の比重 Gs = 2.65 とするとき、クイックサンド現象が起きない矢板の根入れ長 D の範囲を求め よ(計算過程も示すこと) 。 矢板 水 10m 砂 D [No.3]つづき 3 上面を透水層、下面を不透水層にはさまれた厚さ 10mの飽和粘土層が、幅広い 荷重で圧密され、その最終沈下量が 50cm と推定されている。この粘土層の圧密係 数 Cv = 3.0×10-2cm2/min とした場合、圧密度 U-時間係数 Tv 関係図を参考に、 次の各設問に答えよ。 (1) 最終圧密沈下量の半分の沈下量に達する日数を求めよ。 (2) 1,000 日後の粘土層の圧密度とその圧密沈下量を求めよ。 圧密度U(%) (3) もし上下面ともに透水層であった場合、(1)の日数を求めよ。 時間係数Tv 4 主働土圧、受動土圧、静止土圧と破壊の関係についてモールの応力円を用いて 説明せよ。 [No.4(土木材料学)] 次の各設問に答えよ。 1 含水比 10%の土が 330g ある。この土に含まれる水の質量を求めよ。また、この土 の含水比を 21%にするのに必要な加水量も求めよ。ただし、水はすべて土に加えられ、 容器などには付着しないものとする。 2 鋼材について、以下の問に答えよ。 (1) 普通鋼の引張試験を行って観測される標準的な応力-ひずみ線図を書き、A:上降 伏点、B:下降伏点、C:引張強さ、D:破断、E:一様伸びの範囲を示せ。 (2) 大気中の鋼材の腐食のメカニズムについて説明せよ。 (3) 土木構造物に用いられる防食方法(技術)の例を5つあげよ。 [No.4]つづき 3 コンクリートについて、次の各設問に答えよ。 (1) 下図に示すような鉄筋コンクリートがあり、維ひずみは断面の中立軸からの距離に 比例し、コンクリートの圧縮応力度の分布は等価応力ブロックが仮定できる。この とき、断面幅をb、鉄筋の総断面積をAs、コンクリートの設計圧縮強度をfc’、鉄 筋の降伏強度をfsy として、上縁から中立軸までの距離xを示せ。 ただし、この鉄筋コンクリートは、つり合い鉄筋比以下であり、まず、引張鉄筋 が降伏し、次に、上縁コンクリートが圧縮破壊するものとする。また、コンクリー トの引張応力は無視でき、この鉄筋コンクリートに軸方向圧縮力は作用しないもの とする。 b 0.80fc’ 0.7x x As ・・・・・・・・ ひずみ分布 応力分布 (2) プレストレストコンクリートについて力学的性質、および製作過程における 2 種類 の緊張方法の違いについて説明せよ。 (3) コンクリート構造物の劣化現象を3つあげ、そのうち2つについて説明せよ。 [No.4]つづき 4 次の各設問に答えよ。 (1) プレストレストコンクリートの有効プレストレス力を算出する際に、プレストレッ シング直後のプレストレス力に影響を考慮しなければならない事項を3つあげ、そ の理由についても説明せよ。 (2) 軟弱地盤上の盛土などで施工されるEPS工法について説明せよ。 (3) 下図の舗装断面を構成する各層A~Dの名称、C層に用いられる材料Eの名称を答 え、A層の要求性能について説明せよ。 加熱アスファルト混合物 A 加熱アスファルト混合物 B 瀝青安定処理 粒度調整砕石 E クラシャラン 自然土 C D [No.5(土木計画学) ] 次の各設問に答えよ。 1 次の各設問に答えよ。 (1) 21t級ブルドーザの1回の掘削押土量をq[m3]、作業効率をE、サイクルタイム をCm[min]、土量換算係数をfとしたとき、時間当たりの作業量(地山)Q[m3/h] を算出する式を示せ。またq=5.0m3、E=0.5、Cm=1.5min であるとき、4,000 m3 掘削するのに必要な日数nを算出せよ。ただし、1 日の作業時間は 8 時間とする。 (2) 次に示すネットワーク工程表のクリティカルパスの経路および工期を求めよ。 I 25日 C G ⑤ 4日 A ① 7日 3日 B ② H ⑥ E ③ 5日 作業名 12日 F ④ 3日 N ⑦ 10日 10日 J D M ⑧ ⑩ 10日 5日 K 14日 L ⑨ 6日 4日 O ⑪ ⑫ 5日 A B C D E F G H I J K L M N O 割増金額 (万円/日) 8 2 3 5 7 8 9 4 3 3 6 4 7 5 9 (3) (2)に示したネットワークに示す工事の工期を、費用の増額を最小限に留めて 2 日短 縮させた。短縮させた作業と費用の増分を答えよ。ただし、各作業の作業日数は、 標準作業日数から 1 日しか短縮できないものとする。また、各作業は先行する作業 の終了と同時に開始できるものとする。 [No.5]つづき 2 次の語句を説明せよ。 (1) アセットマネジメント (2) 社会実験 (3) 多自然川づくり (4) 3R(循環型社会形成推進基本法の考え) 3 次の各設問に答えよ。 (1) 都市計画について都市計画法第2条の基本理念に基づき説明せよ。 (2) 代表的な都市施設のうち3分類をあげ、その具体的な施設名を2つ以上答えよ。 (3) 平成 18 年に、ハートビル法と交通バリアフリー法を統合・拡充して施行された法 律についてその正式名称、略称を示し、目的を説明せよ。 4 次の各設問に答えよ。 (1) 公共計画(公共事業)における民間活力の利用、連携の手法を2つあげ説明せよ。 (2) 低炭素社会の実現に向けた交通・都市構造分野における対策例を2つあげ説明せよ。 [No.7(農業水利)] 次の各設問に答えよ。 1 農業用水のかんがい計画を立てる際、かんがいする区域や、用水量が決定されると、 計画対象区域の地形と水文気象条件を考慮して、同区域へ必要な用水量を安定的に供 給するための水源を確保する必要がある。 かんがい用水の水源として適しているとされる条件について述べよ。 2 水田の用水需要には大きな期別変化があり、移植方式の水田では、大きく苗代期、 代かき期、普通期の3期に分かれる。 苗代用水量、代かき期用水量、普通期用水量について、各々説明せよ。 [No.8(農業造構)] 次の各設問に答えよ。 1 農地の整備は、区画形状や用排水施設、農道などを総合的に整備し、良好な営農条 件を備えた農地を確保し、その有効利用を促進するものである。 農地の整備が、農業生産性の向上や農業構造の改革に果たしてきた役割について説 明せよ。 2 農業農村整備に関する次の語句の中から5つを選び、その内容を説明せよ。 (1) 減水深 (2) 余裕高 (3) 暗渠排水 (4) 分水工 (5) 遊水地(排水施設) (6) 許容湛水 (7) サイホン (8) 有効雨量 (9) 給水栓 (10) 頭首工 [No.9(農村整備)] 次の各設問に答えよ。 1 農地や農業水利施設等は、食料の生産基盤であるとともに、農村地域における生物 の生息・生育環境及び移動経路として重要な役割を果たしている。さらに、周辺の樹 林地や河川等と連続することで、生物のネットワークが形成される。 農地や農業水利施設等が、生物の生息・生育環境及び移動経路として、具体的にど のような役割を果たしているか、説明せよ。 2 農業・農村は、食料を供給する役割だけでなく、その生産活動を通じて様々な役割 を有しており、その役割による効果は、地域住民を始め国民全体が享受している。 また、農山漁村地域において、農業、林業及び水産業は、それぞれの基盤である農 地、森林、海域の間で相互に関係を持ちながら、水や大気、物質の循環等に貢献しつ つ、様々な多面的機能を発揮している。 このうち、農業・農村の有する多面的機能を、生物多様性の保全以外に2つ挙げ、 簡潔に説明せよ。
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