No.13

基礎数学
No.13
2006. 7.10
3.4 複素数と三角関数
✓
定理 17 (複素数の積・商と絶対値・偏角)
担当:市原
複素平面
複素数 z = a + bi (a, b は実数) と, xy 平面上の点 (a, b) との対応を考える. この対応によ
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複素数の積・商について次が成り立つ.
|zw| = |z||w|,
z
|z|
=
,
w
|w|
り, 平面上の各点に複素数を対応させた平面を複素平面という. 複素平面の x 軸を実軸, y
軸を虚軸という.
✒
✑
定理 16 (複素平面と共役複素数) 複素数 z と共役複素数 z¯ は実軸に関して対称な点を表
問題 56 次の複素数の偏角を求めなさい.
(1) (1 + i)(1 −
す. また z と −z は原点に関して対称な点を表す.
√
3i)
問題 54 −1 − 4i が表す点 A に対して, 次の点を表す複素数を求めなさい.
(1) 虚軸に関して線対称な点
√
(2) (−1 + i)( 3 + 3i)
(2) 実軸方向に −3 だけ平行移動した点
(3) (1 + i)2
(3) 原点に関して点対称な点
(4) 実軸に関して線対称移動した後, 虚軸方向に +2 だけ平行移動した点
(4)
✓
偏角
z = a + bi (a, b は実数) について, 原点を始点とし z を通る半直線と実軸正方向がなす角 θ
a
b
, sin θ =
である.
|z|
|z|
を, z の偏角(arg z )という. このとき, cos θ =
✒
問題 55 −1 +
√
3i の偏角を求めなさい.
√
3+i
i
✏
✑
arg(zw) = arg z + arg w
z
arg
= arg z − arg w
w
(5) √
1
3−i
定理 18 (極形式) 任意の複素数 z は r(cos θ + i sin θ) と表せる.
ここで, r は z の絶対値 |z|, θ は z の偏角 arg z. これを複素数の極形式という.
問題 57 次の複素数を極形式で表しなさい.
(1) 1 + i
複素数の応用 (方程式 xn = C の解法)
例 : x2 = 2i
x = r(cos θ + i sin θ) とおく (r > 0, 0
θ < π).
ド・モアブルの定理より, x2 = r2 (cos θ + i sin θ)2 = r2 (cos 2θ + i sin 2θ)
極形式を考えると, 2i = 2 (0 + i) = 2 cos
π
π
+ i sin
2
2
π
π
+ i sin
2
2
√
π
π
π
5π
よって, r = 2. また, 2θ = , または, 2θ = + 2π. よって, θ = , または, θ =
.
2
2
4
4
√
√
π
1
1
π
= 2 √ + i√
= 1 + i.
以上より, x = 2 cos + i sin
4
4
2
2
√
√
5π
5π
1
1
または, x = 2 cos
= −1 − i.
+ i sin
= 2 −√ − i√
4
4
2
2
r2 (cos 2θ + i sin 2θ) = 2 cos
(2) 1 −
√
なので,
3i
問題 58 次の方程式を解きなさい.
(1) x2 = 1 −
√
3i
(3) 5
(4) −3i
(2) x3 = −i
定理 19 (ド・モアブルの定理)
(cos θ + i sin θ)n = cos nθ + i sin nθ
学籍番号
氏名