暫定版 修正・加筆の可能性あり (付録) 「フレネル・フラウンホーファー回折 」 1. 2. 3. 4. 5. 6. 近軸近似 フレネル回折 フラウンホーファー回折 絵解き解説:回折 比較:回折条件 レンズ付きフレネル回折 付録(901~904)のアプローチ:回折(diffraction)までの道標 1. 球面波(spherical wave)のみ対象:スカラー表示 2. 虚数単位「i」を使用する。 3. お詫び:自己流かつ説明が飛躍する場面があります。 キルヒホッフの回折公式:Kirchhoff's diffraction formula • 近軸近似:paraxial approximation • フレネル回折: Fresnel diffraction • フラウンホーファー回折:Fraunhofer diffraction • 903-1 参照:902-23 レンズ(2):波動光学的な取扱い z= f f:焦点距離 理想的な凸レンズ:無収差、無損失、薄いが無限に大きい z軸 e z≤ f → ∝ z> f → ∝e + i ( kr −ν t ) 球面発散波 r + i ( kr −ν t ) 平面進行波 注意:正符号(青色)採用 z =f e + ikr z=0 z< f z> f 凸レンズの機能:波動光学的に考えるなら球面波(点光源)を平面波に変換 1 x2 + y 2 x2 + y 2 x2 + y 2 f 1 + → r = x + y + f = f 1+ =f + 2 f2 2 f 2f 2 → 球面波:位相のみ e 2 x2 + y 2 + ik f + 2 f 2 → レンズ入射側 凸レンズ:レンズ通過で位相シフト(添え字:「l」) k eiθl , θl ( x, y ) = x2 + y 2 ) − ( 2f e x2 + y 2 + ik f + 2 f レンズ出射側 ×e − ik x2 + y 2 2f → e + ikz = e + ikf 下線部:レンズ効果 平面波:位相のみ 何が言いたいのかな:波動光学的な取扱い • 今回は正符号(青色)を採用した。 • 正符号を採用するとレンズによる位相シフト量が負になる。 • 但し、物理現象の本質は変わらない。 903-2 参照:902-21 補足:教科書でお馴染みの表現へ(1) 書き換え:キルヒホッフの回折公式 ( cos δ1 − cos δ 2 )ψ ( r ) G ( r, r ') , dS z ψ ( r ') = ik ∫ dS z z = 1 slit z1 = dxdy 1 e ( 1 →ψ ( s1 )= ψ ( r ) s1 4π ± i ks −ν t ) s1 = r 1 e ± iks2 → G ( s2 )= G ( r, r ') 4π s2 s2= r −r ' 一例:正符号採用、関数Ψ修正 1 e( 1 s1 ) ψ (= 4π s1 i ks −ν t ) 注意:実在する点光源(原点)の大きさ s1 ) ψ 0 → ψ (= ikψ 0 e − iν t dS z = ψ ( r ') = ∫ slit 4π e ik ( s1 + s2 ) e( i ks1 −ν t ) ( cos δ s1 dxdy − cos δ= ) , dS 1 2 z1= z z1 1 2 ss n( r − r ') nr cos δ1 = , cos δ 2 = s1 s2 903-3 近軸近似(1) 角度に関する近軸近似: paraxial approximation スリット 修正:ベクトル添字 = r2 δ1 π , δ 2 0 観測点 ( 0, 0, 0 ) 点光源 r2 − r1 s1 r1 cos δ1 − cos δ 2 −2 = n ( 0, 0, −1) s1 z1 x1 , y1 V 空 s2 r1 = ( x1 , y1 , z1 ) δ2 s2 z2 − z1 ≡ z12 x2 − x1 , y2 − y1 近軸近似: paraxial approximation 光軸に対する角δが小さく、光軸の近くを通る光線(近軸光線)を扱う。 ( x2 , y2 , z2 > z1 ) δ1 z12 z1 ≠ 0 キルヒホッフの回折公式(近軸近似) ( cos δ1 − cos δ 2 )ψ ( r1 ) G ( r1 , r2 ) , dS z ψ ( r2 ) = ik ∫ dS z z = 1 slit z1 dxdy = −2ik ∫ dS1ψ ( r1 ) G ( r1 , r2 ) , dS1 = dx1dy1 slit 903-4 近軸近似(2) キルヒホッフの回折公式:近軸近似 ψ ( r2 ) = −2ik ∫ dx1dy1ψ ( r1 ) G ( r1 , r2 ) 発散球面波:正符号採用 slit = z z1 スリット位置 1 e( 1 → ψ= →ψ= ( s1 ) ( r1 ) ψ ( x1 , y1 , z1 ) 4π s1 i ks −ν t ) s1 = r 原点を点光源とする発散球面波が開口面上で示す振幅分布 瞳関数( pupil’s function )の導入 別名:開口関数( aperture function ) 複雑なスリット形状でも対応可(複素数も可:説明省略) {1 ψ ( x1 , y1 , z1 ) → u z = z1 ( x1 , y1 ) → u1 ( x1 , y1 ) = 0 添字:スリット位置 0 1 単純な円開口 複雑なスリット形状 何が言いたいのかな:瞳関数 • 瞳関数は開口面上での振幅分布(強度・位相)を示し、複素振幅扱いが一般的である。 • 複雑なスリット形状、例えば、場所により異なる透過率(強度)、異なる屈折率(位相)を持つスリットも表現可能である。 903-5 近軸近似(3) 瞳関数:開口面 グリーン関数:正符号採用 1 eiks2 G ( r1 , r2 ) → G ( s2 )= 4π s2 ψ ( r1 ) → ψ ( x1 , y1 , z1 ) = u1 ( x1 , y1 ) s2= r1 −r2 下付添字:開口面 振幅分布:観察面 ψ ( r2 ) → ψ ( x2 , y2 , z2 ) = u2 ( x2 , y2 ) s2 = ( x2 − x1 ) + ( y2 − y1 ) 2 2 + z122 G ( s2 ) = G ( x2 − x1 , y2 − y1 , z12 ) 下付添字:観測面 添字「slit」:開口領域 ψ ( r2 ) = −2ik ∫ dx1dy1ψ ( r1 ) G ( s2 ) slit 添字「all」:全領域 形式的な表現 畳み込み積分:convolution u2= u1 ∗ G u2 ( x2 , y2 ) = −2ik ∫ dx1dy1u1 ( x1 , y1 ) G ( s2 ) all 注意:定数項を省略 → ∫ dx1dy1u1 ( x1 , y1 ) G ( x2 − x1 , y2 − y1 , z12 ) ≡ ( u1 ∗ G )( x2 , y2 ) all 重要:キルヒホッフの回折公式(近軸近似) • 瞳関数とグリーン関数の畳み込み積分 • 積分領域は見かけ上、全領域「all」に拡張されるが、結局、瞳関数により開口面に制限される。 • 位置変数zは積分対象外 903-6 近軸近似(4) z12 s2 お詫び:空間分布を色に例えたが、 実際に色(波長)は変化しない。 畳み込み積分 開口面 s1 z軸 ( 0, 0, 0 ) u2 ( x2 , y2 ) s2 u1 ( x1 , y1 ) 点光源 観測面 u1 ∗ G = u2 瞳関数 1 eiks2 G ( s2 ) = 4π s2 振幅分布 グリーン関数 スリット スクリーン z = z1 s1 z = z2 重要:キルヒホッフの回折公式(近軸近似)は観測面での振幅分布を与える。 u2 ( x2 , y2 ) = ( u1 ∗ G )( x2 , y2 ) ← s1 , s2 λ , 畳み込み積分 参照:902-14 s1 z1 , s2 z12 近軸近似 • 近似( 参照:902-14 )は波長に比べて「点光源と開口面」や「開口面と観測面」の間隔が大であればよい。 • 瞳関数を既知とすれば、「点光源」について詳しく知る必要はなくなる。 903-7 フレネル回折(1) グリーン関数の簡略化 1 eiks2 G ( s2 ) = , s2 = 4π s2 ( x2 − x1 ) + ( y2 − y1 ) + z122 2 x2 − x1 ) + ( y2 − y1 ) ( 1+ 2 s2 z12 = 2 2 z122 2 2 2 2 2 1 ( x2 − x1 ) + ( y2 − y1 ) 1 ( x2 − x1 ) + ( y2 − y1 ) z12 1 + = − + 2 2 z z 2 8 12 12 フレネル近似:第三項以降を無視 フレネル回折条件 kz12 ( x2 − x1 ) + ( y2 − y1 ) z122 8 2 2 2 2 2π → ( x2 − x1 )2 + ( y2 − y1 )2 z3 12 8λ 903-8 フレネル回折(2) グリーン関数の近似式 ik −2ik eiks2 k eiks2 k = 2π λ eikz12 2 z12 ( x2 − x1 ) −2ikG ( s2 ) → e 4π s2 i 2π z12 iλ z12 2 2 + ( y2 − y1 ) フレネル回折(Fresnel diffraction):教科書でお馴染みの表現(青枠) 参照:903-6 u2 ( x2 , y2 ) = −2ik ∫ dx1dy1u1 ( x1 , y1 ) G ( s2 ) all k = 2π λ → eikz12 u2 ( x2 , y2 ) = iλ z12 ∫ all dx1dy1u1 ( x1 , y1 ) e ik ( x2 − x1 )2 + ( y2 − y1 )2 2 z12 eikz12 u2 ( x2 , y2 ) Λ ∫ dx1dy1u1 ( x1 , y1 ) h12 ( x2 − x1 , y2 − y1 ) , Λ ≡ = all iλ z12 別表記:瞳関数とフレネル核の畳み込み積分 = u2 ( x2 , y2 ) Λ ( u1 * h12 )( x2 , y2 ) , フレネル核:Fresnel kernel 注意:絶対値は1 ( ik x2 + y 2 2 z12 ) = h12 ( x, y ) e= , h12 1 注意:下付添字 903-9 フレネル回折(3) フレネル回折:参照903-9 u2 ( x2 , y2 ) = Λ ∫ dx1dy1u1 ( x1 , y1 ) e ik ( x2 − x1 )2 + ( y2 − y1 )2 2 z12 all = Λh12 ( x2 , y2 ) ∫ dx1dy1 u1 ( x1 , y1 ) h12 ( x1 , y1 ) e − ik ( x2 x1 + y2 y1 ) z12 all = k 2= π λ , ξ 2 x2 = λ z12 , ζ 2 y2 λ z12 注意:変数変換 −2π i ξ x +ζ y u2 (ξ 2 , ζ 2 ) = Λh12 (ξ 2 , ζ 2 ) ∫ dx1dy1 u1 ( x1 , y1 ) h12 ( x1 , y1 ) e ( 2 1 2 1 ) all ⇔ u2 = Λh12 F [u1h12 ] フレネル核:変数変換 重要:フレネル回折は瞳関数とフレネル核の積に対するフーリエ積分を含む。 ( ik x22 + y22 2 z12 ) h12= ( x2 , y2 ) e= e = e 略記:フーリエ積分 ik 2 2 ξ 2 λ z12 ) + (ζ 2 λ z12 ) ( 2 z12 iπ x2 + y 2 λ z12 2 2 ( ) ( ) = e= h12 (ξ 2 , ζ 2 ) iπλ z12 ξ 22 +ζ 22 注意:変数変換 赤字部分が分母から分子へ移動 1 λ z12 → λ z12 903-10 フラウンホーファー回折(1) フレネル回折条件 2 ( x2 − x1 )2 + ( y2 − y1 )2 z3 12 8λ グリーン関数の近似式 フレネル近似を満足しながら、更に条件を課す。 1 ( x2 − x1 )2 + ( y2 − y1 )2 → s2 z12 1 + 2 z12 2 x22 + y22 x2 x1 + y2 y1 x12 + y12 x22 + y22 x2 x1 + y2 y1 z12 1 + − = − + z12 1 + 2 2 2 2 2 2 2 z z z 2 z z 12 12 12 12 12 1 eiks2 G ( s2 ) = 4π s2 フラウンホーファー近似 フラウンホーファー回折条件 x12 + y12 kz12 2π 2 2 z12 → x12 + y12 z12 2λ ( ik x12 + y12 2 z12 ) → h12 ( x1 , y1 ) = e 1 903-11 フラウンホーファー回折(2) フレネル回折:参照903-10 u2 ( x2 , y2 ) = Λh12 ( x2 , y2 ) ∫ dx1dy1 u1 ( x1 , y1 ) h12 ( x1 , y1 ) e − ik ( x2 x1 + y2 y1 ) z12 all h12 ( x1 , y1 ) 1 フラウンホーファー回折:Fraunhofer diffraction u2 ( x2 , y2 ) = Λh12 ( x2 , y2 ) ∫ dx1dy1u1 ( x1 , y1 ) e − ik ( x2 x1 + y2 y1 ) z12 all = π λ , ξ 2 x2 = λ z12 , ζ 2 y2 λ z12 k 2= 注意:変数変換 ( ik x22 + y22 2 z12 ) iπ x2 + y 2 λ z12 2 2 ( ) ( iπλ z12 ξ 22 +ζ 22 ) h12= ( x2 , y2 ) e= e= e = h12 (ξ 2 , ζ 2 ) u2 (ξ 2 , ζ 2 ) Λh12 (ξ 2 , ζ 2 ) ∫ = dx1dy1u1 ( x1 , y1 ) e ( 2 1 2 1 ) ⇔ u2 Λh12 F [u1 ] −2π i ξ x +ζ y all 重要:フラウンホーファー回折は瞳関数のフーリエ積分を含む。 略記:フーリエ積分 903-12 絵解き解説:回折(1) = ξ 2 x= y2 λ z12 2 λ z12 , ζ 2 簡単のため:円開口による光波の回折を考える。 z12 u2 ( x2 , y2 ) u1 ( x1 , y1 ) z軸 瞳関数 振幅分布 開口面 スリット z = z1 h12 F [u1 ] = u2 観測面 スクリーン z = z2 フーリエ積分 • フラウンホーファー回折は観測面での振幅分布が瞳関数のフーリエ積分を含む。 • 観測面での振幅分布(絶対値)は瞳関数のフーリエ積分(絶対値)に対応する。 u2 (ξ 2 , ζ 2 ) = Λh12 (ξ 2 , ζ 2 ) ∫ dx1dy1u1 ( x1 , y1 ) e −2π i (ξ 2 x1 +ζ 2 y1 ) all (ξ ) =1 12 2 2 → u2 ( ξ 2 , ζ 2 ) = Λ h ,ζ ∫ all dx1dy1u1 ( x1 , y1 ) e −2π i (ξ 2 x1 +ζ 2 y1 ) 903-13 絵解き解説:回折(2) フラウンホーファー回折条件:Fraunhofer diffraction z12 u1 ( x1 , y1 ) u2 ( x2 , y2 ) z軸 D 瞳関数 振幅分布 円開口:直径 h12 F [u1 ] = u2 スリット z = z1 フーリエ積分 観測面 スクリーン z = z2 フラウンホーファー回折条件 x12 + y12 z12 2λ ( D 2 )2 max ( x12 + y12 ) → 開口領域 D2 1 λ z12 → x1 , y1 x2 , y2 • 教科書でお馴染みの条件(赤枠):スリット面の開口円直径に対して観測面が非常に遠くにあればよい。 • 別解釈(青枠):回折光拡がりが顕著となり開口円に対してビームサイズが非常に大きくなる。 903-14 絵解き解説:回折(3) 比較:フラウンホーファー回折条件とフレネル回折条件 • フラウンホーファー回折条件(青枠)からスタート x1 , y1 x2 , y2 フラウンホーファー回折条件(青枠)を利用 2 2 2 2 2 2 ( x2 − x1 )2 + ( y2 − y1 )2 + + x y x y ( 1 1) 2) ( 2 → z123 8λ 8λ 8λ 2 フレネル回折条件を書き換える! (x 2 1 ) 2 2 1 +y 8λ z 3 12 ( D 2 )2 max ( x12 + y12 ) D4 1 → → λ z123 D2 D2 1 λ z12 z122 フラウンホーファー回折条件(赤枠)が含まれている。 • 円開口の場合:フラウンホーファー回折条件(赤枠)が満足されればフレネル回折条件も満足される。 D2 1 λ z12 D2 D2 D2 → < 1 2 λ z12 z12 λ z12 • 次頁:フレネル回折条件は満足されるが、フラウンホーファー回折条件が満足されない状況を考えましょう! 903-15 絵解き解説:回折(4) フレネル回折条件:Fresnel diffraction z12 u1 ( x1 , y1 ) u2 ( x2 , y2 ) D z軸 瞳関数 振幅分布 円開口:直径 観測面 スクリーン スリット z = z2 z = z1 状況:フレネル回折条件は満足されるが、フラウンホーファー回折条件が満足されない。 x12 + y12 z12 , 2λ フラウンホーファー回折条件 2 ( x2 − x1 ) + ( y2 − y1 ) z3 12 8λ 2 フレネル回折条件 2 ⇔ x2 x1 , y2 y1 回折光拡がりが顕著とならず 開口径とビーム径(観測面) が同程度とみなせる。 903-16 絵解き解説:回折(5) 再掲:フレネル回折条件は満足されるが、フラウンホーファー回折条件が満足されない状況 x12 + y12 z12 , 2λ 2 ( x2 − x1 ) + ( y2 − y1 ) z3 12 8λ 2 2 → x2 x1 , y2 y1 ガウスビーム(Gaussian beam) 詳細説明省略:参考文献 末田正「光エレクトロニクス」p.80、昭晃堂 z軸 • スポットサイズ(spot size ) z w= ( z ) w0 1 + zR 2 2w0 z=0 2 2w0 zR 最小スポットサイズ • フレネル回折条件(別表記):回折光拡がり小さい領域をレーリー長(Rayleigh length or Rayleigh range)で与える。 π w02 zR = λ π w02 → z12 ≤ λ w0 D 2 → D2 ≥1 z12 λ 903-17 比較:回折条件(1) フレネル回折(Fresnel diffraction) • 瞳関数とフレネル核の畳み込み積分 • 瞳関数とフレネル核の積に対するフーリエ積分を含む D 2 z12 λ ≥ 1, Λ ≡ eikz12 iλ z12 u2 ( x2 , y2 ) = Λ ( u1 * h12 )( x2 , y2 ) u2 = Λh12 F [u1h12 ] = ξ 2 x= y2 λ z12 2 λ z12 , ζ 2 注意:座標変換前後でフーリエ積分の本質は変わりません。 u2 ( x2 , y2 ) = Λh12 ( x2 , y2 ) ∫ dx1dy1 u1 ( x1 , y1 ) h12 ( x1 , y1 ) e − ik ( x2 x1 + y2 y1 ) z12 all 略記:フーリエ積分 −2π i ξ x +ζ y u2 (ξ 2 , ζ 2 ) = Λh12 (ξ 2 , ζ 2 ) ∫ dx1dy1 u1 ( x1 , y1 ) h12 ( x1 , y1 ) e ( 2 1 2 1 ) all D 2 λ z12 1, h12 ( x1 , y1 ) 1 フラウンホーファー回折(Fraunhofer diffraction) • 瞳関数のフーリエ積分を含む • 絶対値で考えるなら瞳関数のフーリエ積分 = u2 Λh12 F [u1 ] → = u2 Λ F [u1 ] , = h12 1 注意:座標変換前後でフーリエ積分の本質は変わりません。 ik ( x2 x1 + y2 y1 ) z12 u2 ( x2 , y2 ) = Λh12 ( x2 , y2 ) ∫ dx1dy1u1 ( x1 , y1 ) e − u2 (ξ 2 , ζ 2 ) = Λh12 (ξ 2 , ζ 2 ) ∫ dx1dy1u1 ( x1 , y1 ) e −2π i (ξ 2 x1 +ζ 2 y1 ) all 略記:フーリエ積分 all 903-18 比較:回折条件(2) 簡単のため:円開口による光波の回折 お詫び:大雑把なイメージ 入射光:平行ビーム z軸 回折拡がり D スリット z = z2 D 2 z12 λ ≥ 1 円開口:直径 u1 ( x1 , y1 ) Λu1 * h12 z12 瞳関数 u1 ( x1 , y1 ) u2 ( x2 , y2 ) フレネル領域:畳み込み積分 D 2 λ z12 1 z12 u2 ( x2 , y2 ) フラウンホーファー領域:フーリエ積分 z = z1 Λh12 F [u1 ] z = z2 903-19 レンズ付きフレネル回折(1) 注意:理想的な凸レンズ • 無収差、無損失、薄いが無限に大きい • 凸レンズの円開口部以外は不要なので消去している。 状況:円開口に凸レンズを設置して観測面(焦点面)で集光 z12 z軸 入射光:平行ビーム u0 ( x1 , y1 ) u2 ( x2 , y2 ) u1 ( x1 , y1 ) D 振幅分布 円開口:直径 観測面 スクリーン スリット z = z2 z = z1 大雑把なイメージ:凸レンズを介した回折光は拡がらず集光、焦点面通過後、拡がります。 振幅分布 レンズ入射直前 レンズ通過直後 u0 ( x1 , y1 ) , スクリーンは凸レンズの焦点面に設置: u1 ( x1 , y1 ) , z12 = f フレネル回折条件: 焦点面(観測面) u2 ( x2 , y2 ) D 2 z12 λ ≥ 1 903-20 レンズ付きフレネル回折(2) 前頁と異なる角度で描写 z12 = f 入射光:平行ビーム ← u2 ( x2 , y2 ) u0 ( x1 , y1 ) → ← u1 ( x1 , y1 ) z軸 スリット 回折拡がり 注意:理想的な凸レンズ • 無収差、無損失、薄いが 無限に大きい • 凸レンズの円開口部以外 は不要なので前頁では消 去している。 D 円開口:直径 z = z1 z = z2 振幅分布 • レンズ入射直前(瞳関数) = u0 ( x1 , y1 ) lim u0 ( x1 , y1 , z1 − ε ) ε →0 • レンズ通過直後(次頁) 注意:スリットの役割 瞳関数 u0 ( x1 , y1 ) スリットを消去できる。 に開口情報を反映させることで見かけ上、 = u1 ( x1 , y1 ) lim u0 ( x1 , y1 , z1 + ε ) ε →0 903-21 レンズ付きフレネル回折(3) 理想的な凸レンズ:無収差、無損失、薄いが無限に大きい u1 ( x1 , y1 ) u0 ( x1 , y1 ) e = 参照:903-2 理想的な凸レンズの役割:フレネル核の複素共役 − ( ik 2 2 x1 + y1 2f ) f = z12 → u0 ( x1 , y1 ) h12* ( x1 , y1 ) レンズ付きフレネル回折 u2 Λh12 F [u1h12 ] ⇔ レンズ付きフレネル回折:瞳関数u1 −2π i ξ x +ζ y = Λh12 (ξ 2 , ζ 2 ) ∫ dx1dy1 u1 ( x1 , y1 ) h12 ( x1 , y1 ) e ( 2 1 2 1 ) all −2π i ξ x +ζ y = Λh12 (ξ 2 , ζ 2 ) ∫ dx1dy1 u0 ( x1 , y1 ) h12* ( x1 , y1 ) h12 ( x1 , y1 ) e ( 2 1 2 1 ) all = Λh12 (ξ 2 , ζ 2 ) ∫ dx1dy1u0 ( x1 , y1 ) e Λh12 F [u0 ] = z12 f= , ξ2 −2π i (ξ 2 x1 +ζ 2 y1 ) all ⇔ レンズ無しフラウンホーファー回折:瞳関数u0 x2 y2 = , ζ2 λ z12 λ z12 レンズの役割:焦点面のみ有効 • レンズ付きフレネル回折とレンズ無しフラウンホーファー回折 は数式上焦点面で一致、等価 • 凸レンズによる焦点はレンズ無しフラウンホーファー回折で記 述できる。 903-22
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