機器分析化学 8回目の講義に関する演習問題 紫外可視分光法について

機器分析化学 8回目の講義に関する演習問題
・課題ではありません。
・質問などは化学研究室(F-302)で受け付けます。
・問題の解答を試みず「答えを教えて下さい。」には応じません。
・この問題は初歩の(有機)化学の知識をもとに作成しました。よって、理論
的には起こりえても、実際には起こらない事象も問題文に含まれる可能性があ
ります。そのような個所に気がついたならば指摘してください。
紫外可視分光法についての以下の問題を考えましょう。
① Lambert – Beer の法則は以下の式で表されます。式を導きましょう。
A = log10(I0/I) = εcl
② 物質 B の紫外可視光における λmax は、254 nm です。モル濃度の異なる物質 B
のヘキサン溶液を5種類調製しそれぞれについて吸光度を測定しました。そ
れが以下の表です。測定セルの光路長は 1 cm です。では、その実験結果を
もとに、以下の問いに答えましょう。
c / mmol L-1
A
0
0 1.物質 B の λmax (254 nm)における ε の値を求めましょう。
-1
-1
0.101
0.201 ε の単位は M cm です。”Excel”を用いると容易に求め
0.203
0.404 られ(ると思い)ます。
0.298
0.597
0.399
0.802
0.501
1.003
2.モル濃度が不明の物質 B のヘキサン溶液の吸光度を
測定したところ、0.753 という値が得られました?この
溶液のモル濃度は?
3.表中にあるモル濃度が 0.101 mmol L-1 の物質 B のヘキサン溶液の吸光度を再度
測定したところ、吸光度は 0.201 を示さず、0.402 という値を示しました。どう
してでしょう?答えは1つではありません。考え得ることをいろいろ書き出し
てみましょう。
③ 酵素 X は、次の加水分解反応の触媒となります。
YZ + H2O → YH + ZOH
基質 YZ の濃度を D mol L-1 (= M)として、上記反応の初速度 vo mol L-1 s-1 を測
定しました。生成物 ZOH は、E nm の光を吸収するため紫外可視分光法を用い
ました。実験結果は次のページのグラフです。横軸が反応時間、縦軸が ZOH の
吸光度です。紫外可視分光法で用いた測定セルの光路長は 1 cm です。また、ZOH
の ε は 5000 M-1 cm-1 です。
1. 初速度 vo を求めましょう。
1
2. 酵素 X の基質 YZ に対する Km, Vmax を求めようと思います。問題 1.の実験結
果を利用することができます。他に必要な実験は?
3. 問題 1.では反応の初速度を求めるのに、紫外可視分光法を用いました。以前
学習した高性能液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィーを用いて
も反応の初速度を求めることができる可能性があります。どのようにすれば
いいでしょう?
0.8
0.7
absorbance
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0
0
2
4
6
time / s
2
8
10