広告効果 - C-faculty

広告効果
2014年5月1日
中央大学 熊倉広志
テーマ
・マス媒体広告について、効果測定・予測の体系を概括
・マス媒体広告における効果測定・予測の実態&今後の展望
1
広告効果モデル:効果階層モデル
広告効果
広告効果:
広告主が設定した目標を、ある広告または広告キャンペー
ンが満たす程度についての評価(AMA 1995)
様々な(時間的経過を伴う)階層・段階に分けられる
▼ マス媒体の広告効果を把握するモデル
効果階層モデル:
広告効果の、ある順序に従った段階的な変化を把握
オーディエンスが、広告に接触してから購買・使用に至るプ
ロセスを段階的に整理
▼ 具体的には…
時間経過の下
接触(媒体・広告)
→認知的反応(知名、理解)
→情緒的反応(好意、購買意向)
→行動的反応(購買) へと段階的に高まる
2
ARF媒体モデル
マス媒体に照射した効果階層モデル:
2002 ARF媒体モデル:広告媒体の効果に関する指標のモデル
Advertising Research Foundation (2004) ARF Guidelines for Yellow Pages Audience Measurement
1 媒体到達効果
①媒体普及(vehicle distribution)
②媒体露出(vehicle exposure)
媒体からもたらされる効果
(媒体戦略)
2 広告到達効果
③広告露出(advertising exposure = attentiveness)
←到達回数分布研究
3 広告コミュニケーション効果
表現からの効果
④広告コミュニケーション(advertising communication) (表現戦略)
⑤広告説得(advertising persuasion)
⑥広告応答(advertising response)
4 行動効果
⑦販売応答(sales response) ←リーセンシー研究
ARF媒体モデル
媒体到達効果
広告到達効果
媒体・
広告の物理的到達可能性
効果
概念・効果の測度
①媒体普及 媒体が到達可能なオーディエンス
(世帯・個人・数・比率)
・印刷媒体:発行部数
・電波媒体:普及台数、視聴可能世帯数
②媒体露出 媒体に接触したオーディエンス
・閲読人数=発行部数×閲読率×回読率
・視聴率、視聴人数(世帯数)、聴取人数
③広告露出 広告に接触したオーディエンス総数
オーディエンスが広告に接触した頻度の総数
OTS (opportunity to see an ad):広告を見る機会
・閲読人数×注目率
・広告視聴率、聴取率、GRP
3
広告コミュニケーション効果
行動効果
到達後のオーディエンスの心理的・行動的変容
効果
概念・効果の測度
広告メッセージについての何らかの記憶
④広告コ
ミュニケー
・広告&ブランド再生知名率
ション
・広告&ブランド再認知名率
⑤広告説得 広告接触後のオーディエンスの心理的変容
・認知的反応
・理解(属性・便益)
・イメージ:ブランド連想から生まれる
ブランドに対する認識(ブランドの意味)
・情緒的反応
・広告&ブランドへの態度
⑥広告応答 購買直前の消費者の反応
例)店舗訪問、電話相談、カタログ送付依頼
・購買意向
⑦販売応答 ・購買数量、購買回数、シェア、トライアル・リ
ピート、購買率など
広告のコミュニケーション効果
ARF媒体モデル:広告とブランドとを明示的には分けていないが…
広告とブランドとの関係は
測定尺度:「当該広告を見たことがある」
「キャッチフレーズを知っている」など
④広告コミュ
ニケーション
③広告接触
広告知名
ブランド知名
⑤広告説得
⑥広告反応
広告への態度
ブランドへの態度
購買意向
購買
その他(社会的規範など)
4
ブランド知名
ブランド知名
・ブランド再認(recognition、助成想起)
ブランド名・ロゴマーク・シンボルマークなど、手がかりが与え
られたとき、ブランドを識別できるか(ブランドに関する手が
かりとブランドとの結びつき)
測定例)「次のブランドのうち知っているブランドは?」
→セルフ購買には重要
・ブランド再生(recall、純粋想起)
あるカテゴリーについて考えたとき、ある状況(例:休暇を過
ごす)が与えられたとき、ブランドを識別できるか(カテゴリー
とブランドとの結びつき)
測定例) 「××と聞いて思い出すブランドは?」
→指名購買には重要
ブランド知名(再認・再生)×深さ・幅
・ブランド知名の深さ:
ブランド要素が思い出される可能性と容易さ
測定方法:想起順位
例)××と聞いて思い出すブランドであるか否か
その順位は?
・ブランド知名の幅:
ブランド要素が思い出される状況(購買・消費など)の多様性
例)お洒落着の購買のときに思い出されるブランドより、お洒落
着および進物品の購買のときに思い出されるブランドは、知名
の幅が広い。
・ブランド要素:ブランドを識別し、ブランドに違いをもたらすための
視覚的情報・言語的情報
例)名称、ロゴ、シンボル、キャラクター、スローガン、ジング
ル、パッケージなど
▼
ブランド知名は、ブランドへの態度に影響
5
ブランド態度
態度:
・ある対象への一貫して好意的もしくは非好意的に反応する
学習された準備状態
・ある対象への評価の全体
・方向性(好き嫌い、良い悪い)+強弱
・購買意向へ影響
測定方法:
多属性態度モデル(Fishbein 1963)
背景:期待価値理論(消費者の期待と価値により態度形成)
①対象を構成する属性の「良い-悪い」についての評価×
②対象が当該属性を持つことについての信念の強さ
の積和で計算
ブランド態度
自動車の購買について、ある消費者は、価格と燃費の二つの属性
から意思決定するとすると…
属性評価
属性1:価格(が安い) 属性2:燃費(がいい)
非常に良い+3
かなり良い+2
態度
(7点尺度)
ブランドA
価格はやや高そうだ
(信念の強さ) -1
燃費はかなり良さそうだ +1
+2
(7点尺度)
ブランドB
やや安そうだ+1
かなり悪そうだ-2
-1
→ブランドAへの態度がより好意的
6
ブランドへの態度の重要性
ブランド知名・ブランドへの態度が、選好・購買意向に影響
(Keller 1998)
ダイエット・コーク
を選好
ダイエット・ペプシ
を選好
ブランドを不表示
44%
51%
ブランドを表示
65%
23%
ビールの味覚調査の結果
ブランドが明示されないと、消費者は味覚を評価できない
「味」そのものではなく、ブランドによって、味覚を評価する
▼
ブランドへの態度は、購買意向へ影響
ビールの味覚調査
ブランドが明らかにされてい
る場合の味覚に対する知覚
ブランドが明らかにされていな
い場合の味覚に対する知覚
コルト45
バブスト
クアーズ
バブスト
バドワイザー
ギネス
コルト45
ミラーライト クアーズ
ギネス
ミラーライト
バドワイザー
▲
ブランド間の距離:味覚の差異を表現
味覚の差異を認識できない!
Keller (1998)
7
その他の効果階層モデル
コミュニケーション効果に照射した、その他の効果階層モデル
モデル AIDA AIDCA AIDMA Lavidge & イノベー
ション
Steiner
の採用
効果
(1961)
モデル
DAG
MER
Howard
& Sheth
(1969)
認知的効果 注意
注意
注意
知名
知識
知名
認知
理解
注目
情緒的効果 興味
欲望
興味
欲望
確信
興味
欲望
記憶
好み
選好
確信
関心
評価
確信
理解
態度
意向
行動的効果 行為
行為
行為
購買
試用
採用
行為
購買
効果階層モデルの利用
広告効果のプロセス:接触→認知的反応→情緒的反応→行動
広告目標を達成するため、プロセスごとに効果を把握
→注力すべきプロセス・隘路を診断
飲料の広告効果(CLT、N=400)
90
60
30
主購買意向
購買意向
ブランド好意
ブランド再生
購買経験(最近1ヵ月
分母がいずれも全体N=400
ブランド再認
広告好意
キャッチフレーズ正答
広告知名
広告接触
0
主購買経験(最近1ヵ月
たとえば…
黒:広告露出に比べ
キャッチ正答率
広告好意が×
ブランド知名が小
→広告表現の問題?
赤:ブランド知名・好意、
購買意向・経験に比べ
主購買意向・経験が小
→ロイヤルティが低
8
広告効果モデル
広告効果を把握するモデル(視点):大別して二つの流れ
(1)態度変容モデル
広告効果:ブランド態度など心理的変容に照射
広告戦略:フリークエンシー(広告接触回数) →態度変容
(2)弱い広告観モデル
広告効果:購買
広告戦略:リーセンシー(接触時点)
→remind(思い出させる)
広告効果モデル:態度変容モデル
9
販売促進・広告の定義
・Sales Promotion:
特定の製品の購入頻度を高め購入量を増加させるための、
主として短期的なインセンティブ・ツール(Kotler 2000, 2001)
より直接的に消費者への説得を行うものであり、外部のイン
センティブに基づいて、即時的な形で購買を刺激し、通常よ
りも速く“売上の前倒し”を起こす (Rossiter and Percy 1997)
▼
購買への短期的・直接的な刺激(行動への効果)
・広告(advertising):
有料の媒体を使って、明示された広告主による、アイディア、
財、サービスに関する有料の非人格的な提示とプロモーショ
ン(Kotler 2000, 2001)
間接的な形で消費者への説得を行う(Rossiter and Percy 1997)
▼
長期的なブランド・アイデンティティの構築、好意的な態度、
ブランド・ロイヤルティの獲得・維持が含意
心理的側面への長期的な効果
強い広告観
機能
SP:購買(行動)への短期的・直接的な刺激
広告:長期的なブランド・アイデンティティの構築、好意的な態度、
ブランド・ロイヤルティの獲得・維持
心理的側面への長期的な効果
▼ 広告の役割
強い広告観:
広告は強い力を持つ
消費者は広告を通じてブランドについて知り、当該ブランドを
購買するようになる。広告は消費者をコントロールできる
(Ephron 1997)
広告はブランド態度や購買意図を形成できる
10
ブランド態度モデル
強い広告観
▼
←ブランド論
(ブランド)態度変容モデル
利用目的:長期的な視点からブランド構築を目指す
効果:心理的反応に主に照射
モデル構造:広告効果とブランド効果とを明示的に区別
効果プロセスが直線的ではない
例)反応は、認知的反応→情緒的反応→行動とは限らない
他の変数(関与の高低など)によりプロセスは異なる
変数:ブランド知名、ブランド・イメージ、関与など
広告効果モデル:弱い広告観
11
弱い広告観
(購買頻度が高い最寄品について)弱い広告観:
大半の広告は、消費者が既に知っているブランドに関するも
のであるため、広告によって思い出すことはあっても、そこか
ら多くを学ぶということはない。
消費者は、広告の大半を排除し、その時点において必要で
ある少数の広告のみを選別する(消費者が広告をコントロー
ルする)(Ephron 1997)
▼ だから
大半の広告は、 (カテゴリー購買には影響を与えず)これか
ら購買しようとする消費者のブランド選択にだけ影響を与え
る(Jones 1995)
弱い広告観
▼ つまり
購買を喚起するのは、広告ではない
購買を喚起するのは
「コーヒーを飲み切ってしまう」「洗濯するとき重質洗剤がない」
といった状態から発生する消費者の購買意図である
▼ だから
広告効果を生み出す鍵は、
消費者が購買しようとしているときに(in the market)広告と接触
(Ephron 1997)
12
▼
カテゴリー購買に際し、直前に接触した広告は、
ブランド名を想起させることにより、当該ブランドの選択へ正の影響
(Ephron 1995, 1997)
→リーセンシー(recency)効果
(→購買があって、その直前に広告に接触)
Jones(1995)以降
売上に対する広告の短期的・直接的な効果が注目
Gibson(1996)、Schroeder, Richardson and Sankaralingam(1997)、
木戸・八木・小川(1995)、木戸(2004)、熊倉(2006、2007)など
データにより検討
25
概念
リーセンシーの中核概念
・近接性(消費者の購入時点と広告との近さ、propinquity)
・受容性(消費者の購買準備ができていること、receptivity)
近接性:購買と広告接触との行動上での時間的な近さ
受容性:購買と広告接触との心理的な近さ
▼ これより
リーセンシーにおける重要課題:広告出稿のタイミング
(Ephron 1997)
∵消費者の購買と広告接触が、行動的・心理的に最も近くな
るカテゴリー購買の直前にこそ、広告を到達させるべき
夕方に、夕食の支度のためにスーパーに行くのであれば、
食料品の広告は午後に、
週末に自動車ディーラーを訪問するのであれば、
26
自動車の広告は金曜の夜に出稿すべき
13
リーセンシー・モデル
リーセンシー概念に依拠した広告効果モデル
効果:購買に照射
広告効果は、売上に対する貢献によって測られるべき
ブランド認知、ブランド・イメージ、広告内容想起などは代替
指標に過ぎない(Jones 1995)
目的:(最寄品について)
購買に対する広告の短期的・直接的効果を把握
モデル構造:
直近の広告接触
→カテゴリー購買に際してブランド名を想起
→ブランドの選択へ正の影響
測定方法:
広告に接触した消費者vs.接触しない消費者(要因)
当該ブランドの購買の有無(反応) を比較
リーセンシーに関連する
具体的な研究事例
14
リーセンシー効果の測定:
どれくらいの期間、効果があるのか?
課題
広告出稿のタイミング:リーセンシー効果の持続期間に帰する
先行研究:持続期間について充分には検討されてこなかった
▼ そこで
・リーセンシー効果を確認
・リーセンシー効果の持続期間を検討
30
15
課題
リーセンシー概念:近接性+受容性
▼
購買と広告接触が行動的・心理的に最も近くなるカテゴリー購買の
直前に、広告と接触するとき、売上に対する広告の短期的・直接的
効果が見込まれる
◆ブランドXの広告 → ◆カテゴリー購買
直後
Xが購買される可能性大!
◆ブランドXの広告 → → → → → → → → → ◆カテゴリー購買
長時間後
Xの可能性小
広告接触が購買のどのくらい前までであれば
31
リーセンシー効果が観察できるか?
方法
消費者iごとに、カテゴリー購買から次のカテゴリー購買までを考える
t:ブランドXの広告Vxと最後に接触した時点
購買時点t=0として、購買時点から遡る
ブランドXの広告Vxと接触しなかった場合、t→∞
消費者iの購買&広告接触履歴
X0
(V)
Vx
Vx
T1
起点
考慮せず
X1
t
X2
Vx
Vx
T2=∞
Vx
X3
T3
考慮せず
ブランドX以外の広告については考えない
32
16
方法
fX(t):ブランドXを購買した消費者についての
広告Vxと接触した時点tの頻度
fNotX(t):ブランドX以外のブランド(NotX)を購買した消費者について
広告Vxと接触した時点tの頻度
fX(t)
fNotX(t)
t
t
33
0≦t<T*のとき、広告Vxと接触した
t≧T* のとき、広告Vxと接触しなかった(NotV)とみなす
X0
Vx
Vx
T1
X1
X2
Vx
Vx
Vx
X3
T2=∞>T*
T3
▼
もし、T*≦T3なら、T3=∞、よって接触せず
fX(t)
fNotX(t)
広告接触せず
NotVx
広告接触
Vx
広告接触
Vx
T*
t
広告接触せず
NotVx
T*
t
34
17
P(X|Vx): ブランドXの広告Vxと接触
+ ブランドXを購買した消費者の相対頻度
P(X|NotVx): 広告接触せず + X購買
P(NotX|Vx): 広告接触 + X以外のブランド(NotX)購買
P(NotX|NotVx): 広告接触せず + NotX購買
要因:購買に先立ち広告Vxと接触したか、否か(NotVx)
反応:(その後)ブランドXを購買したか、
ブランドX以外を購買したか(NotX)
▼
要因と反応との関係の強さを示す指標として(補正)オッズ比od
(柳川1986)
od= (P(X|Vx) +0.5)(P(NotX|NotVx) +0.5)
/ (P(X|NotVx)+0.5) (P(NotX|Vx)+0.5)
35
補正オッズ比oz>1 ⇔ 要因と反応が関係 ⇔ リーセンシー効果
Vx
fX(t)
X P(X|Vx)
反応
要因
NotVx
P(X|NotVx)
1
NotX P(NotX|Vx) P(NotX|NotVx) 1
←T*→
P(X|Vx)
P(X|NotVx)
t
fNotX(t)
P(NotX|Vx)
適当なT*においてod>1
▼
購買前T*以内の広告接触により
リーセンシー効果
効果の持続期間: T*
P(NotX|NotVx)
←T*→
t
36
18
購買時点(t=0)
購買
非購買
*
*
*
*
↑ Recency効果
Recency効果が
機能するための
T*はどこか?
*
*
*
t=∞
*
*
*
*
*
↓ Recency効果
なし
広告接触時点t
37
データ
シングル・ソース・パネル・データ
個人ごとの購買履歴+テレビ広告接触履歴
名称:「VR Personal Scan System」(ビデオリサーチ社)
期間:2004年6月21日10時4分~8月2日3時51分
対象:男女15歳~35歳台(6209名)
製品カテゴリー:お茶ドリンク(主要5ブランド)
ブランド 購入個数
GRP
A
1313
99015
B
1027 167265
C
790
59655
D
561 141510
E
464 115290
38
19
結果1:広告接触の時点ごとの頻度
←T*→
X購買者の広告Vの接触時点(ブランドD)
2.5%
→ 広告と接触しなかったとする
fX(t)
2.0%
1.5%
1.0%
0.5%
0.0%
6
18
30
42
54
66
78
90
102
t(購買のt時間前)
114
126
138
150
162
138
150
162
X以外(NotX)購買者の広告Vの接触時点(ブランドD)
2.5%
fNotX(t)
2.0%
1.5%
1.0%
0.5%
0.0%
6
18
30
42
54
66
78
90
102
t(購買のt時間前)
114
126
39
T*を変化させたとき、オッズ比は変化
カテゴリ購買直前に広告に接触すると当該ブランドの購買を喚起
図4 補正オッズ比(ブランドD)
3
補正オッズ比
最大、購買前5時間弱の接触で、od>1(95%信頼区間)
2
1
0
0
24
48
72
96
時間t
120
144
168
40
20
図 オッズ比の推移(ブランドB)
1.5
1
0.5
0
0
48
96
144
192
240
288
336
384
時間
432
480
528
576
624
ブランドB:最大768時間で、od>1(95%信頼区間)
ブランド:A、C、E→全てのtで信頼区間中にod ≦1が含まれる
41
結果2
リーセンシー効果の内実を探索するため
消費者の量層×ロイヤルティで層別
ライトユーザー:期間中の購入本数<7.33(全体の平均)
ヘビーユーザー:同>7.33
バラエティシーカー:特定ブランドの購入本数シェア<50%
ブランドロイヤル:当該ブランドの購入本数シェア≧50%
状態
人数
ライト
855
バラエティシーカー
214
Aブランド・ロイヤル
19
Bブランド・ロイヤル
26
Cブランド・ロイヤル
13
Dブランド・ロイヤル
11
Eブランド・ロイヤル
13
その他ロイヤル
73
42
21
ブランド 消費者
B
C
D
時間
全体
768
ライト
761
バラエティシーカー
―
他ブランドロイヤル
481
全体
―
ライト
―
バラエティシーカー
1
他ブランドロイヤル
10
全体
5
ライトユーザー
14
バラエティシーカー
―
自ブランドロイヤル
―
他ブランドロイヤル
438
(一部)
当該ブランドのロイヤル・
ユーザーより、他ブランド
のロイヤル・ユーザーなど、
カテゴリー購買時点にお
いて、当該ブランドの購買
意向が小さいであろう消
費者において、広告の
リーセンシー効果は観察
できる傾向?
▼
リーセンシー効果(カテゴ
リー購買に際し、直前に
接触した広告は、ブランド
名を想起させることにより、
当該ブランドの選択へ正
の影響)が正に機能 43
考察
・時点T*を購買時点の直前とするとき、オッズ比>1
▼
・リーセンシー効果(売上への広告の短期的・直接的効果) の
持続時間を測定
ただし
・オッズ比:値のばらつき大・ブランドにより傾向が異なる
・その原因のひとつ: 購買者の広告接触データ件数が少ない
(購買|広告接触)の件数は多くはない
44
22
今後の課題
・ここで測定したのは、真のリーセンシー効果か?
見せかけのリーセンシー効果(広告と購買の単なる偶然)か?
→モデルの検討
消費者の層化(?)
・より頑健な測定方法の検討
→要因と反応の関係の強さの測定方法など
45
リーセンシー効果の測定:
先行研究における実務的知見
23
どのような場合に効果があるのか
どのような場合にリーセンシー効果があるか(示唆)
・カテゴリー固有の特徴
・恒常的に購買、嗜好性が低く、他の製品では代替が困難なカテ
ゴリー
→必要なときにすぐに購買せねばならず、情報処理が単純
なので、直前の広告の影響を受けやすい(例:洗剤)
・家庭内在庫の少ないカテゴリー(例:食品)
・購買頻度が多いカテゴリー
・市場環境
・競争相手のSPが少ないとき
・ブランド固有の特徴
・市場シェアが小であるブランド
・成長過程にあるブランド(シェアが伸張)
・ブランド・ロイヤルティが高いブランド
・その他
・ 広告出稿が大
まとめ
リーセンシーの概念
・「市場の中にいる」 (購買準備ができた)消費者に対して
・カテゴリー購買の直前に広告接触させることで
(タイミングが重要)
・ブランド名をremindさせることにより
・ブランド選択に正の影響を与えよう
→消費者ではなく消費者の購買行動にタイミングよく働きかけ
▼
広告効果測定
・広告接触と購買との短期的・直接的関係を把握
・課題:消費者の内面にまで踏み込んでいない
測定尺度(必ずしも合意されていない…)
・データの収集が容易ではない
▼
SP(店頭・チラシ)、OOH・インターネット広告へ示唆?
24
広告効果
態度変容モデル
弱い広告観モデル
モデル構造 広告効果とブランド効果とを明示的 広告と売上との直接的な関係
に区別
▼
長期的な視点からブランド構築
効果プロセスが直線的ではない
例)反応は、認知的反応→情緒
的反応→行動とは限らない
例)関与の高低によりプロセス
は異なる
効果の範囲 コミュニケーション上の効果に照射
複数のプロセスを明示的には考
えない
購買を対象
広告の役割 強い広告観:広告はブランド態度や 弱い広告観
購買意図を形成できる
▼
広告戦略
目的
フリークエンシーによる
心理的変容(ブランド態度形成)
広告プレゼンスによる
ブランドの思い出し
対象
消費者(心理的側面)
消費者の購買行動
広告接触
回数
いつ(消費者が、市場にいる・購
買の準備ができたとき)
25