3 消費地からのホットニュース、トピックス −伝統野菜を売り込む為に− 昨今の食に関する話題の中では、健康に関わる安全・安心と共に、地域ブランドや 地産地消に関連しての伝統野菜が皆の口にのぼるようになって来ています。消費者 が生産地に赴いて、作る人と直接ふれ合う場となる直売所が、街のスーパー・マーケ ット顔負けの盛況であったり、鮮度の好い農産物を間にしての作る人と食べる人との やり取りなど、微笑ましい光景もしばしば目にすることです。こうした媒体として評価さ れるのが伝統野菜といわれる野菜たちであり、地域の特産品でもあります。そして地 域から街へ、大都会へと発信されながらPB(プライベート・ブランド)からNB(ナショナ ル・ブランド)へ拡がりを持った商品として発展していきます。本来的に生み育て上げら れての伝統野菜であり、地域ブランドだと思います。 しかし世の中、今は皆忙し過ぎて、じっくり育てるよりも創り上げてしまうほうが、より 効率的であるとも考えられ、結果も出し易いとして様々のトライアルが為されています。 そして、或いは大きな成果を挙げ、また、種々のトラブルを惹起したりなどの明暗も見 受けられます。その多くは作る側と食べる側、売る側とのちょっとしたミス・マッチが引 き金となっている場合があり、生鮮品なるが故の難しさを感じさせられます。例えば市 場出荷を試みたとき、大々的に売り出して人気が出ると、売る側からは大量生産そし て周年化へと性急に求められることも多く、作る側の想いが見事に裏切られてしまうこ ともありますね。 特別な思い入れのある青果物、地方でしか評価されていない特産物を世に出すに は、市場に出荷したり、小売店で直売したり外食・中食の企業に売り込んだり、また地 域の直売所での自らが販売したり、通信販売など種々なやり方がありますが、常に意 識しなければならないのは、“ブランドを守り育てる為に”はどうすればよいかであり、 相手次第といいながらも、主体性を失うことの無いよう心掛けることが大切ではないで しょうか。また、具体的な方法として考えなければならないのは、地域で作り上げてか ら大都会へ向かって発信させるのか、逆に大都市で認知させることを第一にして突き 進むのかなど、旬の時期が限られる販売期間の短い商材については、さらに取り扱い が難しいものがあります。 いずれにせよ、怖めず臆せずに遊び心を持って飽きることなく提案し続けることが第 一歩となるでしょう。 18
© Copyright 2024 ExpyDoc