14-1 物質の性質 14-2 気体の圧力 P = ∑ n vx2mvx と n の

14-1 物質の性質
14-2 気体の圧力
P =
∑
n′′ vx 2mvx
vx >0
と n の定義式
∑
n′′ vx2 = n < vx2 >
vx
より
P = nm < vx2 >
これと各方向の速度の二乗の平均値が等しいという仮定より
2
1
P = n < mv 2 > .
3
2
全部で N 個の分子があるとすると
PV = N
これを γ =
5
3
2
1
< mv 2 > .
3
2
とおいて
P V = (γ − 1)U
とかく.これを微分し P dV = −dU を代入し積分すると.
P V γ = C(定数)
が示せる.
14-3 輻射の圧縮率
前節と同様に
1
PV = N < p · v >
3
を示し,E = pc を用いると
1
P V = U = (γ − 1)U
3
となる.ここで γ = 34 . 前節と同様に
PV
4
3
= C.
1
14-4 温度と運動エネルギー
この節では前半に 2 種類の分子を含む気体が一つの箱に入っている場合に何
が起こるかを解析している.質量と速度が m1,i , v1,i の分子が n1 個あるとし, 質
量と速度が m2,j , v2,j の分子が n2 個あるとする.分子 i, j に対して相対速度 w
と質量中心の速度 vCM の積をとると
w · vCM =
(m1 v12 − m2 v22 ) + (m2 − m1 )(v1 · v2 )
m1 + m2
これをすべての分子の組について和をとると
n1 ∑
n2
∑
wi,j · vi,j,CM =
i=1 j=1
n1 ∑
n2
2
2
∑
(m1 v1,i
− m2 v2,i
) + (m2 − m1 )(v1,i · v2,j )
m1 + m2
i=1 j=1
これより
0=
n2
∑n1
∑ 2
2
2
− n1 nj=1
m1 v1,i
m2 v2,j
m1 + m2
i=1
これを変形して
1
1
< m1 v12 >=< m2 v22 > .
2
2
次に後半では 2 種類の気体が壁で仕切られているものの温度が等しい場合を
扱っている.2 種類の気体を隔てる壁を貫く一本の棒がありその両端にボール
がついて自由に動くようになっていることを創造する. その 2 つのボールを含
んだ棒全体のの運動エネルギーの平均値は壁の片側で計算すると < 12 m1 v12 >
.反対側では < 12 m2 v22 >. よって
1
1
< m1 v12 >=< m2 v22 > .
2
2
14-5 理想気体の法則
分子の総数が N のとき
P V = N kT
N ′ mol の気体については N ′ N0 = N であり,
P V = N ′ RT.
次に内部構造を持った分子についても質量中心の運動エネルギーの平均値
が 32 kT となることを示す.A, B2 つの原子からなるニ原子分子についてこれを
示す.
2
その証明方法では別に A, B がくっついている必要はない.分子の質量を
M = m1 + m2 , 分子の個数を n とする.まず A, B の組を 1 つとり質量中心
vCM の 2 乗を計算すると.
m2A vA2 + 2mA mB vA · vB + m2B vB2
M2
2
vCM
=
これの各分子についての和をとると
n
∑
2
vi,CM
=
i=1
n
2
2
∑
m2A vi,A
+ 2mA mB vi,A · vi,B + m2B vi,B
M2
i=1
n
mA
1 ∑ 2
M
vi,CM =
2 i=1
∑n
1
2
i=1 2 mA vi,A
3
kT +
=
2
∑n
i=1
+
∑n
i=1
mA mB vi,A · vi,B + mB
M
∑n
1
2
i=1 2 mB vi,B
mA mB vi,A · vi,B
M
第 2 項が 0 になることは相対速度の平均が 0 になるということを用いて示
せる.
以上で質量中心の運動エネルギーの平均が 32 kT であることが示せたがこれ
を全エネルギーの平均から引くことによって内部運動のエネルギーの平均が
3
kT
2
であることもわかる.
(上述の
一般に系の各自由度に対して平均の運動エネルギーは 12 kT となる.
ニ原子分子の場合には質量中心の 3 方向の運動と内部運動が 2 つの回転と 1 つ
の振動があった.
)この定理を r 個の原子からなる分子に適用すると分子は平
均エネルギー 32 rkT を持ちそのうち 32 kT が質量中心の運動エネルギーであり
3
(r
2
− 1)kT が内部の振動と回転のエネルギーとなる.
3