草津町景観計画等策定プロジェクト 空調設備、ガスボンベ、オイルタンクなど、建築物等の 壁面又は壁面付近に設置する設備は、通りに面した場所に あると格好悪く、または汚らしく見えてしまうことがあり ます。しかし、これらの設備は日々の生活を送る上で必要 不可欠なものであり、どうしたら建物本体や周囲の街なみ に調和させることができるか工夫していくことが、地域の 景観向上につながります。壁面と同じ色の使用、通りから 見えにくい配置、格子の囲い、植栽の設置などの工夫を 凝らしていきましょう。 景観ニュース 第四号 平 平成26年1月10日 前号の景観ニュースでは、景観計画に定める「景観づくりの理念」や景観形成基準、街なみ ガイドラインなどの景観ルールの案の一部をご紹介しました。来年度、 景観条例が施行されると、 一定の基準に該当する建築物等を新築・改築したり、 外観変更を伴う模様替えなどを行う場合に、 その内容を役場へ届け出ていただくこととなります。その際、届出内容の審査基準や助言・ 指導の指針となるものがこれらの景観ルールです。 本号では、引き続き景観のルールの案とその考え方についてご紹介します。 緑を活かす。 建物の周囲や敷地内の身近な緑を守り、増やし、年間を 通して適切に管理することは、住宅市街地の景観の質の 向上を図る上で欠かせません。建物の周りの植木、植栽帯、 花壇、植木鉢などの植栽を積極的に施し、潤いのある温泉街、 高原住宅地、高原リゾート地としての質の高い空間づくり を目指しましょう。 ただし、植栽は、年間を通して適切に管理することが 前提となります。せっかく緑を増やしても、管理せずに 放置しては、かえって景観を阻害する要因となってしまい ます。予め、管理できる種類・量の植栽計画を立てることが 必要です。年一回程度の植栽の管理も困難と想定される 場合は、木柵など自然素材の柵や塀による敷地境界部の 修景を選択しましょう。このような慎重な判断も、長期的 な視点に立った景観まちづくりを進める上で大切な一歩と なります。 外壁等の色は、穏やかな色合いとする。 色彩の基準は、色の三属性(色相、明度、彩度)を定量的に表す「マンセル表色系」を用いています。 草津町の建築物等の外壁等の色は、以下の3つの考え方に基づき、 「 YR(黄赤)、Y(黄)、N(無彩) 系の色相、かつ、低彩度(3以下)」という穏やかな色合いの基準を設定しました。 ① 自然景観との調和に配慮し、植物の葉の鮮やかさ(彩度5∼6)を超えない。 ② 自然景観と不調和かつ浮き出した印象を与える冷たい色を使わない。 ③草 津 の 街 な み の 歴 史 や 建 築 の 変 遷 を 踏 ま え る と 、 木 、 漆 喰 、 土 塗 壁 等 の 自 然 素 材 の 色 に み ら れ る YR(黄赤)、Y(黄)、N(無彩)系の色相が相応しい。 色相 (色の様相) R(赤) YR(黄赤) Y(黄) GY(黄緑) G(緑) BG(青緑) B(青) PB(紫青) P(紫) RP(赤紫) 明度 (色の明るさ) 最も暗い(0) 0∼3 低明度 最も明るい(10) 4∼7 中明度 8∼10 高明度 彩度 (色の鮮やかさ) 看板類 をきれいにする。 最も鮮やか(10-14) 7以上 高彩度 無彩(0) 3∼7 中彩度 0∼2 低彩度 看板類(壁面広告、置き看板、のぼり旗等の「屋外広告物」)は、店舗の名称や営業・宣伝内容などを 表示したり、 道案内や注意喚起を促すなど、 まちの経済的な機能を維持する上で重要な役割を担っています。 しかし、派手な色の看板、大きい看板、老朽化して汚らしい看板などは、景観を阻害する要因となりかね ません。看板類の設置に当たっては、次の五原則を守っていきましょう。 ①必要最小限の大きさ及び設置箇所数に留める。 ②周囲の自然、街なみ、屋外広告物を掲出する建築物など、周辺環境との調和に十分に配慮した位置、材質、 色彩、デザインとする。 ③既製品ではない、こだわり感・手づくり感の感じられるデザインを心がける。 ④彩度の高い色彩を地色として使用することや、反射光のある素材の使用を避ける。 ⑤不十分な管理や老朽化による汚らしい屋外広告物、使用済みのまま放置された屋外広告物などは、 処分するか、修景を施す、又は新しいものに取り替える。 9 いでゆ 第590号 「景観ニュース」発行元 / 問い合せ先: 草津町企画創造課(担当:長井、市川) TEL:88−7193 屋根は、暗色系の色を使い、勾配屋根とする。 すり鉢状の地形をしている草津は、様々なところからルーフスケープ(屋根並み)を望むことが できますが、遠景・中景の景観では、屋根の形と色の役割が最も重要です。 日本の伝統的な建築は、そのほとんどが勾配屋根です。これは雨の多い気候風土によるものですが、 周囲の山や緑との相性が良いのも勾配屋根です。かつて草津では、切妻の緩やかな勾配の石置き板葺き 屋根が使われていました。現在も、ほとんどの屋根が勾配屋根です。 一方、屋根の色は、鋼板や瓦の濃い灰色、黒色、濃い茶色が多く見られます。これらの色は、周囲の 自然の緑の鮮やかさを生かす色として、また、住宅地や温泉街の落ち着いた家並みの形成の観点からも、 草津に相応しい色といえます。 いでゆ 第590号 8 ※ マ ン セ ル 表 色 系 ⋮ 草 津 町 ホ ー ム ペ ー ジ 掲 載 の 広 報 い で ゆ 2月 号 に て カ ラ ー 見 本 を ご 覧 い た だ け ま す 。 建 築 設 備 等 は、 通 り か ら 見 えにくいように工夫する。
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