7 月 15 日 補題 9.33 R が PID のとき, 次が成り立つ. 1. (0) 以外の素イデアルは極大イデアルである. 2. p ∈ R が既約元.⇔ (p) が極大イデアル. 3. p ∈ R が既約元.⇔ p ∈ R が素元. 定義 9.34 R でイデアルの昇鎖律 (ACC: acending chain condition) が成立つとは, イデアルの昇鎖 Io ⊂ I1 ⊂ · · · が必ず停滞する, すなわち Ii = II+1 (i ≥ r) なる r が存在することをいう. 補題 9.35 R が PID ならイデアルの昇鎖律が成立する. 定理 9.36 PID は, UFD である. √ √ √ √ 1. 環 Z[ −1] = {a + b −1 | a, b ∈ Z} から環 Z への写像 ν : Z[ −1] → Z を ν(a + b −5) = a2 + b2 と定義する. √ (1) 3 は Z[ −1] の既約元であることを示せ. (2) 5 を既約元の積に分解せよ. √ √ (3) x, y ∈ Z[ −1], y ̸= 0 に対し, xy = α + β −1 なる α, β ∈ Q が存在する. a, b ∈ Z を | a − α |≤ 21 , | b − β |≤ 12 √ となるように取る. q = a + b −1, r = x − yq とおくと, ν(r) < ν(y) を示せ. (ヒント:| r |=| y || (q − xy ) |.) √ (4) Z[ −1] は PID であることを示せ. 2. I, J を可換環 R のイデアルとするとき, 以下を示せ. (1) I ∩ J は R のイデアルである. (2) I ∪ J は R のイデアルとは限らない.このことを I = (X), J = (Y ) ⊂ Q[X, Y ] で確かめよ. (3) I + J = {x + y | x ∈ I, y ∈ J} は R のイデアルであり, I ∩ I ⊂ I + J である. (4) I : J = {x ∈ R | xJ ⊂ I} は R のイデアルであり, I ⊂ I : J である. √ (5) I = {x ∈ R | ∃n > 0, xn ∈ I} は R のイデアルである. √ √ (6) イデアル I は性質「xy ∈ I, x ̸∈ I ⇐ y ∈ I 」をみたすとする. このとき, I は素イデアルである. √ √ (7) R = Z, I = 24Z, J = 27Z に対して, I : J,J : I, I, J は何か. 36
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