2014/05/08

5 回目授業レジュメ
電気工学科 講師 南政孝
http://www.kobe-kosen.ac.jp/˜minami/
平成 26 年 5 月 1 日 (木)E3
平成 26 年 5 月 8 日 (木)D3
本日の内容
1.3.8 誤差伝搬
1.3.4 近似計算
求める量が測定量と一致せず, 測定量を用いて算出
する場合がある. 例えば, 抵抗は R = V /I の関係が
あるので, 電圧と電流を測定して抵抗 (求める量) を
計算する. このように測定量を計算する場合におい
て, 誤差がどのように伝搬するかを説明する.
1.3.8 誤差伝搬
(補足) Taylor 展開 (Maclaurin 展開)
1.3.4 近似計算
(a) 和または差
α, β ≪ 1 のとき
(α と β は 1 に比べてかなり小さいとき)
α2 , αβ, β 2 , α3 β, · · · などの 2 次以上の項を無視す
る (0 と近似する).
求める量が測定量の和または差で表される場合
y = x1 ± x2
y の誤差: ∆y
x1 , x2 の誤差: ∆x1 , ∆x2
例えば, α = 0.002 のとき
1.34 + α + α2 = 1.342004 ≈ 1.342
y + ∆y = (x1 + ∆x1 ) ± (x2 + ∆x2 )
近似には, Taylor 展開 (Maclaurin 展開) を利用す
ることが多い.
= (x1 ± x2 ) + (∆x1 ± ∆x2 )
∆y = ∆x1 ± ∆x2
(1 + α)n ≈ 1 + nα
(1 + α)n = 1n + n · 1n−1 · α1
(b) 係数がある場合
n(n − 1) n−2 2
+
·1
· α + ···
2
求める量が測定量の係数倍で表される場合
(1 + α)2 ≈ 1 + 2α
1
1+α
y = a1 x1 + a2 x2
≈ 1−α
y + ∆y = a1 (x1 + ∆x1 ) + a2 (x2 + ∆x2 )
1
≈ 1+α
1−α
√
1
1+α ≈ 1+ α
2
= (a1 x1 + a2 x2 ) + (a1 ∆x1 + a2 ∆x2 )
∆y = a1 ∆x1 + a2 ∆x2
(1 + α)(1 + β) = 1 + α + β + αβ
(c) 積の場合
≈ 1+α+β
1+α
1+β
求める量が測定量の積で表される場合
≈ 1+α−β
y = x1 x2
1
y + ∆y = (x1 + ∆x1 )(x2 + ∆x2 )
(
y 1+
∆y
y
)
(
= x1 1 +
(
≈
(
· x2 1 +
∆x2
x2
レポート課題
1
)
1.1
∆x1 ∆x2 ∆x1 ∆x2
1+
+
+
x1
x2
x1 x2
= x1 x2
∆y
y
∆x1
x1
)
)
∆x1 ∆x2
+
x1
x2
α = 0.001 のとき, 1/(2 + α) の値を求める
ことを考える. 近似して計算した場合と近
似せずに計算した場合のそれぞれを答えよ.
ただし, 近似計算は途中過程を残すこと.
(d) 商の場合
求める量が測定量の商で表される場合
x1
x2
y =
1.2
x1 + ∆x1
x2 + ∆x2
y + ∆y =
(
(
y 1+
∆y
y
)
=
∆x1
x1 1 +
x1 )
(
∆x2
x2 1 +
x2
≈
x1
∆x1 ∆x2
1+
−
x2
x1
x2
≈
∆x1 ∆x2
−
x1
x2
)
(
∆y
y
√
α = 0.003, β = 0.004 のとき, (2+α)3 / 2 + β
の近似値を求めよ. ただし, 近似計算は途
中過程を残すこと.
)
1.3
(e) n 乗の場合
求める量が測定量の累乗で表される場合
n
y = xm
1 x2
抵抗の値を測定するため, 測定対象の抵抗
に直流電源を接続し, 電圧と電流を測定し
た. 測定結果が電圧 5.81 V(誤差率 ±0.02),
電流 231 mA(誤差率 ±0.01) であった. こ
のとき, 抵抗の値とその誤差率を計算せよ.
y + ∆y = (x1 + ∆x1 )m (x2 + ∆x2 )n
(
∆y
y 1+
y
)
(
=
xm
1
∆x1
1+
x1
(
n
≈ xm
1 x2 1 + m
(
≈
∆y
y
n
xm
1 x2
≈ m
)m
(
·
∆x1
x1
xn2
)(
∆x2
1+
x2
1+n
∆x1
∆x2
1+m
+n
x1
x2
∆x2
x2
)n
)
)
∆x1
∆x2
+n
x1
x2
所属:
2
名前: