水素関連プロジェクト - 新エネルギー・産業技術総合開発機構

第28回
「追跡調査・評価」分科会
資料7-3
NEDO追跡調査ケーススタディ
~水素関連技術~
独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構
評価部 一色 俊之
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1.目的
1. オイルショック後に、石油代替エネルギーとしての水素利用に注目。
2. NEDOは1993年より、水素製造、輸送、貯蔵、利用技術、安全対策等、
水素社会エネルギー社会形成に向け、多岐にわたる基盤技術開発を推進
(WE-NETプロジェクト)
4. 2000年代には、水素導入の早期実現のため、
「燃料電池自動車及び水素インフラ」「定置用燃料電池システム」に重点化した
プロジェクトを推進
5. 2015年より、燃料電池自動車の一般利用普及開始を計画
6. 今後も、クリーンエネルギー源としての水素社会実現に向けた期待大。
「WE-NETプロジェクト(1993年~2002年)」を主な対象とし、
●プロジェクトの振り返り
(成功・失敗要因分析によるマネジメント教訓の抽出)
●過去の基盤技術開発の波及効果調査
を行う。
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2.水素利用に関する歴史的背景
1973年
第1次石油ショック
・石油代替エネルギーとしての水素利用が提唱される
・日本でも水素エネルギー研究会発足
1976年
第1回世界水素エネルギー会議開催(米国)
1980年
NEDO設立
1980年代
欧州を中心に再生可能エネルギー利用の水素技術開発プロジェクト開始
1992年
気候変動に関する国際連合枠組み条約(FCCC)採択
・国内においても気候変動対策に係る政策議論が活発化
1992年
米国DOEで水素プログラム開始
1993年
ニューサンシャイン計画の一環として
「水素利用国際クリーンエネルギーシステム技術研究開発(WE-NET)」
が開始される(~2002年)。
2000年代
~
NEDO事業では「燃料電池自動車(FCV)及び水素インフラ」「定置用燃料電
池」に軸足を置いた開発、実証が実施される
2009年
家庭用燃料電池コージェネレーションシステム(エネファーム)販売開始
2015年
燃料電池自動車の普及開始
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3.水素関連事業に関するNEDOの取り組み
水素社会形成を目指す目的
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3.水素関連事業に関するNEDOの取り組み
WE-NETプロジェクト計画時の構想(1993年)
利用
輸送
貯蔵
製造
・2050年を見据え、国際ネットワークの下で、
水素を製造・輸送・貯蔵・利用するための要素技術確立
及び全体システムの検討を実施。
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3.水素関連事業に関するNEDOの取り組み
水素利用に関するNEDOプロジェクトの流れ
2010
2000
1993
固体酸化物形燃料電池
固体高分子形燃料電池
2015
等関連プロジェクト
水素インフラ実証・調査等
燃料電池システ
ム等実証研究
第1期(※1)
定置用
燃料電池
‘93
‘98 ‘99
水素利用国際クリーンエ
ネルギーシステム技術研
究開発 第1期
水素製造・輸送・貯蔵・利用等の
要素技術と全体システム検討
‘05 ‘06
水素利用国際ク
リーンエネルギー
システム技術研
究開発 第2期
燃料電池システム
等実証研究
第2期(※2)
‘02
’03
地域水素供給インフラ
技術・社会実証
’07 ’08
’12
’05
’09
’13
水素社会構築共
通基盤整備事業
’06
他分野での
上市・製品化の
可能性
(※1)経済産業省直轄事業
(※2)2008年度までは
経済産業省直轄事業
(ガスタービン、
LNGタンク材料等)
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水素製造・輸送・貯
蔵システム等技術開
発
水素安全利用等
基盤技術開発
燃料電池自動車用及び
水素インフラ技術に重点化
‘15
‘10 ‘11
普及開始( 年~)
燃料電池自動車
‘02
’12
’17
水素利用技術研究開発
事業
水素先端科学基礎研究
事業
’07
水素貯蔵材
料先端基盤
研究事業
’11
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3.水素関連事業に関するNEDOの取り組み
将来予測
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4.WE-NETプロジェクトについて
事後評価(2004年開催)の評点
事後評価の評価コメント(一部抜粋)
●大プロジェクトであるだけに、リーダーシップを持った意志決定プロセスを明確
にし、各タスク間の協調が十分に行われることが望まれた。
●燃料電池の急速な展開に対応したという側面からは妥当であるが、長期的
視点からは国際的にも認知されていた「WE-NETという」看板を下ろした意味
からも残念。
●技術要素の多くは使用目的を変えても活用できる可能性があり、
基礎技術としての波及効果が期待できる。
●多くのタスクで技術的な実用化の目処が立っているが、経済性の観点からは、
今後更なる開発が必要とされるものも多い。
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5.ヒアリング方針案
「WE-NETプロジェクト(1993年~2002年)」を主な対象とし、以下を行う。
●プロジェクトの振り返り
(成功・失敗要因分析によるマネジメント教訓の抽出)
●過去の基盤技術開発の波及効果調査
材料、装置、システム、ユーザー迄の関連企業、大学、研究機関、業界団体、
外部有識者などへの多角的なヒアリングを実施
水素関連業界
他の業界
水素製造
輸送・貯蔵
水素利用
他分野への展開
貯蔵タンク・タンカー
ディスペンサー・流量計
水素燃料タービン
水素ディーゼル
材料(高圧、低温)
安全性評価・規制・標準化
LNGタンク・タンカー
他分野への展開
ガスタービン
他分野への展開
鉄鋼・LNG等への展開
・どこで成果が活用され
・どのように広がったか
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