この資料は個人の見解に基づくものです 水素社会は来るか? 2015年5月 経済産業省研究開発課長 渡邊昇治 ムーンライト計画 1978~1992年度 エネルギー転換・利用効率の向上、エネルギー供給 システムの安定化、エネルギーの有効利用の各要素 に関わる技術研究開発を工業技術院が中心となって 推進。 • • • • • 廃熱利用技術システム 電磁流体発電、ガスタービンの改良 汎用スターリングエンジン 燃料電池技術の開発 ヒートポンプの効率化 など 1993年にサンシャイン計画、地球環境技術開発ととも にニューサンシャイン計画に統合。 1 WE-NET 1993~2002年度 出典:WE-NETホームページより 2 2000年~の主な技術開発・実証研究 2002年~ 水素燃料電池実証プロジェクト(JHFC第1期) 2003年~ 水素安全利用等基盤技術開発 2006年~ JHFC第2期 2008年~ 水素製造・輸送・貯蔵システム等技術開発 2005年~ 定置用燃料電池(PEFC)大規模実証 2007年~ 固体酸化物形燃料電池実証研究事業 2008年~ PEFC実用化推進技術開発 2009年~ エネファーム(PEFC)販売開始 2011年~ エネファーム(SOFC)販売開始 3 家庭用燃料電池システムの普及 4 家庭用燃料電池システムの市場予測 5 業務・産業用燃料電池システムの市場予測 6 水素燃料電池自動車の市場予測 7 全体像 CO2排出 天然ガス 石油 石炭 化石燃料 内燃機関 改質・ガス化による 水素製造 ボイラー 燃料電池自動車 CO2固定 再生可能 エネルギー 水素 水素運搬 水素発電 燃料電池 電気・熱による 水素製造 電気 電気 資料: SIPエネルギーキャリア 村木茂プログラム・ディレクター作成資料を基に作成 電気製品 8 水素のメリットと課題 メリット • CO2排出抑制 • クリーン • 熱にも電気にも使える • エネルギー国産化の可能性 • 再生可能エネルギー余剰電力の蓄電 課題 • コストが高い(水素製造、輸送・貯蔵) • 社会受容性 • 規制等 9 水素のコスト 原料価格よりも、輸送・貯蔵コストが高い。 20~30円/Nm3 10 水素の需給 水素発電を行わない場合、国内の副生水素で足りる →量産化できず、コストが下がらないおそれ 11 水素製造、輸送・貯蔵、利用 (例) 褐炭→液化水素、LNG→MCH 等 天然ガス 石油 石炭 CO2排出 化石燃料 内燃機関 改質・ガス化による 水素製造 ボイラー 燃料電池自動車 CO2固定 再生可能 エネルギー 水素 水素運搬 水素発電 電気・熱による 水素製造 燃料電池 電気 電気 電気製品 アルカリ水電解、固体高分子水電解、高温水蒸 気水電解、IS法、バイオマス、人工光合成等 資料: SIPエネルギーキャリア 村木茂プログラム・ディレクター作成資料を基に作成 エネルギーキャリア 高圧水素、液化水素、MCH、アンモニア、メタン等 12 水素製造 • コストや生産能力を考えると、当面は、①化石燃料からの製造(水蒸気 改質法、部分酸化改質法など)が主流。 • 代替技術・新技術としては、 ②水電解(アルカリ水電解、固体高分子電解、高温水蒸気電解) ③ISプロセス(ヨウ素と酸化硫黄を介在させる多段階プロセスで水を 水素と酸素に分離)等の熱分解 ④バイオマス(乾留、熱分解、微生物) ⑤人工光合成(光触媒を用いて、太陽光と水から水素を製造) 13 水素輸送・貯蔵(エネルギーキャリア) • 水素輸送技術は、 ①圧縮水素 ②液化水素(輸送効率は①の10倍) ③メチルシクロヘキサン(MCH)などの有機ハイドライド ④アンモニア(体積水素密度が大きい) ⑤水素吸蔵合金 ⑥メタン化(水素とCO2を反応させてメタンとし、都市ガスと同様に利 用)など 14 水素利用 • 燃料電池(PEFC、SOFC…) - 自動車 - 家庭用 - 業務・産業用 • 燃焼(発電、動力) - ガスタービン - ガスエンジン 15 研究開発の体制 資料: 内閣府の研究開発計画から抜粋 16 技術開発と普及の関係 2015-2020 2020-2030 • 燃料電池自動車、 • 左記の普及拡大 燃料電池コージェネ • 水素発電の導入 の普及開始 • 安価なCO2フリー 水素の製造技術、 エネルギーキャリア とその利用技術の 開発 • 東京オリンピック・ パラリンピック等で の水素タウン実証 2030- • 大規模水素発電 • CO2フリー水素の大 量導入 • 水素・エネルギー キャリアによる高効 • 日本の水素関連 産業が世界市場で 率発電の実証 活躍 • より大規模な実証 資料: SIPエネルギーキャリア 村木茂プログラム・ディレクター作成資料を基に作成 17 まとめ 原料水素(副生水素) 自動車用 ステーション 輸送 20~30円/Nm3 90円~/Nm3 より低価格になることを期待 再生可能エネルギー起源の水素? 発電用 輸入水素 20~30円/Nm3 発電 ~17円/kWh より低価格になることを期待 水素・燃料電池戦略ロードマップ(2014年6月、 水素・燃料電池戦略協議会)に準拠したものではなく、個人的な見解。 18 19 20
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