2.3 津波の基礎

2.3 津波の基礎
2.3.1 津波とは
• 主な原因:海底地形の急激な変動←断
層
• 世界最大の津波高:500m
– 1958年アラスカ南東 リツヤ湾への
山体崩壊
• 津波災害の主な死因: 打撲
1983日本海中部地震 simulation
この例は小規模だが,繰り返し襲来することを認識して欲しい
津波の発生から陸域への到達過程
津波の伝播
• C = √(gH)
–
–
–
•
•
C: 波速 (m/s)
g: 重力加速度 9.8 m/s2
H: 水深(m)
たとえば, H=4000mで,C=720km/h
チリー日本間 17000km,太平洋の平
均水深 4000mとすると,1960年のチリ
地震津波では日本にほぼ24時間で到達。
チリ地震津波の際の屈折図
陸前リアス式海岸の例
海底地形による津波高の増幅
• 海山,遠浅海岸,岬など等深線が波源方向に突
き出た形をしている場合,波速と海の深度の関
係から凸レンズ効果が生まれ,津波が収束する
• V字の溺れ谷の場合,湾口から入った津波は岬
に比べてほとんどエネルギーを消耗することな
く湾央に達する⇨次ページの式
• 陸棚での増幅が後述のように意外と大きい。
グリーンの公式( V字型湾内波高式)
• BASIC表現 H/H0=(B0/B)^0.5* (h0/h)^0.25
例えば,湾口部と湾奥部が次のようだと,
B0 湾口部での幅員(m)=10000 m
B 湾奥部での幅員 (m)= 1000 m
h0 湾口部での水深(m)= 60 m
h 湾奥部での水深 (m)= 20 m
ならば
H0 :湾口部での波高(m)= 1 mであっても
H :湾奥部での波高(m)= 4 m余りになる。
ただし,H0 >水深の数分の1ならば
非線型性が効いて適用できなくなる
つまり,もっと増幅することになる。
H / H 0  (B0 / B)  4 (h 0 / h)
岬状海底地形での屈折
• 外洋2000mから平均100m
陸棚での津波の増幅
の陸棚に進む時にもグ
リーンの公式を適用でき,
振幅は2倍以上になり,
波速の低下に対応して波
長も1/4以下になり(eg.
振幅1m波長10km⇨振幅2
〜3m波長2km), 肉眼で
認知できるようになる
• 右の図の横軸は陸棚の長
さ, 縦軸は陸棚先端での
水深を200mとしてここで
の震幅をa, 海岸での
浸水高をR, としたとき
のR/a比。短周期ほど増
宇津編著,1987.地学の事典. 朝倉書店.
幅率が大きい。
特に都司嘉宣の津波の部分を参照。
地震発生から2〜3分後の津波警報
• 1983年 日本海中部地震 地震後10分
• 1993年 平成5年北海道南西沖地震5分
• 現在は前もって計算,近海地震につい
ては2〜3分後
• しかし,地震を感じたらすぐに高台へ。