ここから回転座標系
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回転座標系
固定座標系O-xyzに対して、
回転座標系O-x’y’z’が角速度ベクトルω
で回転しているとする。
(3つの軸は直交したまま回転している。
原点Oは共通)
z’
z
ω
y’
O
x
y
x’
2
回転座標系の例
・メリーゴーランドのように
円盤が回っている場合
-
回転座標系:基本ベクトルの時間変化、速度
固定座標系O-xyzに対して、
回転座標系O-x’y’z’が角速度ベクトルω
で回転しているとする。
問1
回転座標系の基本ベクトルの時間変化は、
d
ex  ω  ex
dt
であることを示せ。
問2.回転座標系での位置ベクトルは、
r  xex  yey  zez
この時、速度は、
v  v  ω  r
と表せることを示せ。
v
O-x’y’z’系が時間変化
しない時の速度。
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回転座標系の続き:加速度
固定座標系O-xyzに対して、
回転座標系O-x’y’z’が角速度ベクトルω
で回転しているとする。
問2.回転座標系での位置ベクトルは、
r  xex  yey  zez
この時、速度は、
v  v  ω  r
と表せることを示せ。
問3
v
O-x’y’z’系が時間変化
しない時の速度。
回転座標系での加速度が
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 r
a  a  2ω  v  ω  (ω  r)  ω
と表せることを示せ。
a O-x’y’z’系が時間変化
しない時の加速度。
d
問1の解答 ex  ω  ex
dt
ωと ex
のなす角をθとする。
ω
ex (t )

ex (t  t )
O
t
d
t ex
dt
d
ex (t  t )  ex (t )
d
ex
ex  lim
より、図の赤い矢印は、t
t 0
dt
dt
t
一方、右図の扇形の中心角が t 、半径は
したがって、赤い矢印の長さは、t sin 
d
t ex  t sin   t ω  ex
dt
sin 
d
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ω  ex の方向は、円の接線方向になるので、dt ex の方向に等しい
v
の意味
補足パワポ
O-x’y’z’系が時間変化しない時の速度。
動径ベクトル
r  xex  yey  zez
もしO-x’y’z’系の基本ベクトル ex , ey , ez が
時間によらない(時間変化しない)なら、
dr dx
dy
dz

ex 
ey 
ez
dt dt
dt
dt
これが v
回転座標系の速度
問2の解答
r  xex  yey  zez
を微分する。
dey
dex
d
dez
r  xex  y ey  zez  x
 y
 z
dt
dt
dt
dt
 v  x(ω  ex )  y(ω  ey )  z (ω  ez )
 v  ω  ( xex  yey  ze)
 v  ω  r
ex  y ey  zez
但し v  x
O-x’y’z’系が時間変化しない時の速度。
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回転座標系の加速度
問3の回答
v  v  ω  r  xex  y ey  zez  ω  r
dv
a
 xex  yey  zez  x e x  y e y  zez
dt
 r
 ω  r  ω
 r
 a  ω  v  ω  ( v  ω  r )  ω
 r
 a  2ω  v  ω  (ω  r )  ω
遠心力
コリオリ力
(後で詳しく見る)
角速度が変化する時だけ
現れる。
a  xex  yey  zez
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O-x’y’z’系が時間変化しない時の加速度。
回転座標系の加速度
問題から、回転座標系で
v  v  ω  r
 r
a  a  2ω  v  ω  (ω  r)  ω
コリオリ力
(後で見る)
遠心力
角速度が変化する時だけ
現れる。
v'  xex  y ey  zez
a'  xex  yey  zez
運動方程式ma=Fに代入して右辺に移項。
 r
ma  F  2mω  v  mω  (ω  r)  mω
後ろの3つの項は「見かけの力」として働く。
(回転座標系上の人から見て、働いているように見える。)
10
見かけの力を詳しく見る。
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遠心力項とコリオリ力
問1
回転座標系の加速度に現れた項
ω  (ω  r)
は、回転軸から点Pへのベクトル
 ρ
ρ
ω
を使って
ρ
2
と書けることを示せ。
問2
コリオリ力
 2mω  v
r
P
はどのような方向の力か、図示せよ。
問3.地球の自転によるコリオリ力を考える。
単振り子の振動面がコリオリ力により最も大きく
変化するのは、地球上のどこか?
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遠心力項 問1の解答
問1
ω  (ω  r)
ρ を使って   2ρ
回転座標系の加速度に現れた項
は、回転軸から点Pへのベクトル
と書けることを示せ。
ω
ρ
(ω r)
方向は紙面を上から突き抜ける方向。
大きさは、なす角をφとすると、
 r P
r sin 
ω  (ω  r)
方向は、点Pから軸へ向かう、  ρ
角度は90度なので、大きさは
 r sin    
2
以上より
の方向
2
ω  (ω  r)   ρ
2
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コリオリ力
問2
コリオリ力
 2mω  v
はどのような方向の力か、図示せよ。
ω
v
コリオリ力は紙面を裏から表の方向。
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地球の自転によるコリオリ力: 問3の解答
問3.地球の自転によるコリオリ力を考える。
単振り子の振動面がコリオリ力により最も大きく
変化するのは、地球上のどこか?
赤道上
コリオリ力の方向を考える。
赤道上で、振り子が最下点で
速度と自転角速度ベクトルは水平面内。
コリオリ力は鉛直方向になり、
振動面を変化させない。
ω
極では、振り子が最下点で速度と自転角速度が垂直になり、
コリオリ力は振動面を大きくずらす方向に働く。
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乗り物酔い(motion sickness)とコリオリ力
 2mω  v
コリオリ力は乗り物酔いを引き起こす。
例:回転する乗り物上で、首を急激に動かした場合。
内耳の三半規管で感知する。
乗り物酔いには、いろいろなパラメータがある。
体力、体調、空腹か、慣れ、なども関係する。
普段と違う力で乗り物酔いや目まいになる。
遅い回転は目が回らないが、速い回転は目が回る。
(しかし何度もやると慣れる場合もある。)
逆立ち。(重力が逆)。
宇宙で無重力状態。(慣れるのに1-2日かかる。)
海が荒れた時の船の上。
乗物内で車椅子に乗って動かすと、酔いやすい。
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