福島第一原子力発電所における熱中症の発生状況と対策

福島第一原子力発電所における熱中症の発生状況と対策について
<平成23年度∼26年度(9月)の熱中症発生状況の推移>
[人]
50
※治療なし含む
H26.9.8
東日本大震災以降の熱中症発生数
熱中症の疑い等も含めた合計
43
(内数)作業に起因した熱中症の合計
40
(内数)休業を伴う熱中症
32
30
26
23
18
20
10
< 参 考 資 料 >
平成26年9月11日
東京電力株式会社
7
5
3
9
1
0
H25年度
H25
H26年度(∼9月)
∼H26.9
0
H23年度
H23
H24年度
H24
15
■平成24年度、平成25年度は、平成23年度に比べ、熱中症の発生数が抑えられた。
■しかしながら、平成26年には、熱中症の発生数が増加に転じているが、休業を
ともなう熱中症は発生していない。
1
作業員1,000人あたりの発生人数の比較
※各年度の6月∼8月で比較
作業員1,000人当たりの発生率と熱中症発生数
(6月∼8月)
2.50
(2.27)
[
[作業員数:約5,700人/日]
(13人)
[作業員数:約3,100人/日]
0.50
]
]
発 1.50
生
率 1.00
20
18
16
14
12 発
10 生
8 数
6
4
2
0
[
2.00
(2.30)
(7人)
0.00
H25年度
H26年度
■各年度の6∼8月で発生率を比較すると、作業員数が1日あたり約3,100人から
約5,700人の増加に対し、熱中症発生数が7人から13人に増加となっている。
■1,000人あたりの災害発生件数は、2.27→2.30であり、発生率はほぼ同等
となっている。
2
<参考>熱中症防止の統一ルールの運用
福島第一原子力発電所の屋外作業に関して、以下の統一ルール運用の協力を
元請け企業に依頼している。
■WBGT値 25℃以上の時は、原則、連続作業時間を2時間以下とする。
(作業2時間実施後は必ず休憩所でマスクを外して水分、塩分を補給)
※WBGT:人体の熱収支に影響の大きい湿度、輻射熱、気温の3つを取り入れた指標
■作業前に作業員が体温、血圧、アルコールチェッカーを実測し、元請が
管理する。
■WBGT値が 30℃以上の場合、その時間帯の作業を原則禁止する。
(浪江地点でのWBGT予報値や各作業場所の測定値を使用して確認。
また、汚染水タンクパトロール等ルーチン業務、主管部に熱中症対策の
強化を届けた作業を除く)
■マスクを外して飲食できる休憩所として、これまでの休憩所に加え、
8/12より移動式休憩所(ワゴン車タイプ)の運用を開始。
3
<参考>災害程度別発生状況
H26年度は、早期の救急医療室利用等により、軽傷Ⅱや軽傷Ⅰがなく、
重傷化が防止できている。
災害程度別発生状況(年度比較):発生数
25
[人]
20
軽傷Ⅱ
軽傷Ⅰ
不休
2
3
15
10
18
1
3
5
15
8
4
0
H23
H24
H25
H26
[年度]
軽傷Ⅱ:休業日数4日以上14日未満の場合
軽傷Ⅰ:休業日数が1日以上4日未満の場合
不 休 :休務しなかった場合および当日のみの休務の場合
4
移動式給水所の運用開始
1F構内で働く作業員の熱中症予防として、あらたに運用を開始。
利用前にタイベックやマスク等の防護装備を脱いだ後,身体サーベイを受け、
飲水やおしぼりでリフレッシュすることが可能。
■運用期間:平成26年8月12日∼9月30日(日曜除く)
■場所と時間帯:多核種除去設備前、物揚場付近
■利用機能:飲水、下着交換、おしぼりで汗拭き
移動式給水所(多核種除去設備前)
乗車前の身体サーベイ
クーラーボックス内の飲料水とおしぼり
※このほかに、マイクロバスタイプの休憩所をさらに1台追加設置済み(9月9日)
5
共用プール建屋休憩所の運用変更
平成26年9月より、共用プール建屋2階休憩所の利便性向上を目的として、
エリアサーベイ、防護装備類の配備/回収等の利用者にとって負担が大きいと
される作業を、他の休憩所と同様に管理員が常駐して実施することにより、
より多くの作業員に活用していただけるよう運用を変更。
<主な変更内容>
実施者
項目
汚染管理
実施内容
変更前
変更後
エリア維持
(エリアサーベイ等)
エリアサーベイ等
利用者
休憩所管理員
日曜日は利用者(エリアサーベイ)
身体スクリーニング/除染
利用者
利用者
利用者
休憩所管理員
(体表面モニタ利用可能)
防護装備類の配備/回収
出入管理 APD・マスク着用確認
利用者
休憩所の様子
7∼14時:休憩所管理員
他時間帯:利用者
飲料水の配備
6
【参考】マスクを外して飲食できる構内の休憩所(8/27時点)
福島第一構内休憩所レイアウト図
5/6号サービスビル休憩所
キャスク保管建屋脇休憩所
飲食
ノー
マスク
WC
WC
AED
飲食
WC
飲食
WC
飲食
WC
飲食
WC
1/2号サービスビル休憩所
事務本館休憩所
飲食
WC
集中処理施設建屋休憩所
免震棟前プレハブ休憩所
飲食
WC
共用プール建屋休憩所
一般廃棄物焼却炉管理棟待機所
飲食
正門警備所休憩所
企業センター厚生棟休憩所
飲食 WC
飲食
水処理設備制御室・運転員休憩所
飲食
WC
WC
車両スクリーニング待機所
登録センター休憩所
飲食
飲食
WC
構外仮設休憩所
西門研修棟休憩所
飲食
WC
飲食
WC
〔凡 例〕
共用休憩所
個別休憩所
スラッジ施設休憩所
休憩所建設中
3号カバー作業員用休憩所
飲食
:飲食可
WC
飲食
WC
飲食
WC
:トイレ設置
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【参考】マスクを外して飲食できる構内の休憩所
移動式休憩所(大型バスタイプ)
<主な仕様>
・バス全長12m
・6名程度の休憩スペース
・車内正圧維持
・マスク取り外し可
・冷暖房完備
・トイレ完備
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