2014年12月17日 情報提供用資料 ベトナム株式市況と経済情勢 2014年後半の株式市況 ベトナムVN指数 期間:2014.01.02 – 2014.12.15 650 12月15日のベトナムVN指数は、前日比1.1%安 の547.93ポイントで引けました。年初来から8.6% 625 上昇していますが、9月3日にベトナムVN指数が 600 640.75ポイントの最高値を付けた後、上値が重い 展開が続いています。 575 9月以降のベトナム株式市場が上値が重い要因と 550 して、大きく分けて2つの要因があります。1つ目は、 525 エネルギー価格の下落、2つ目は、経済改革への期 待が後退していることがあります。 500 上値が重い要因① 国内最大の上場企業であるペトロベトナムガスの株 価が原油価格の急落に伴い、大幅下落したことが株式 市場を押し下げる要因の一つとなりました。アジアの 原油価格の指標となっているドバイ原油価格は、8月末 時点では102ドル台で推移していましたが、12月15日 には61ドル台まで下落し、およそ4割下落しました。 ペトロベトナムガスは、天然ガスの生産から輸送・ 販売まで手掛け、国内ガスのシェアは8割を占める企業 で、ベトナムVN指数の構成比率の約13%(12月15日 時点)を占める市場への影響が大きい銘柄です。 そのペトロベトナムガスが大きく下落していること から株式市場が押し下げられ、地合いが悪化したこと が相場にとって重しとなりました。 上値が重い要因② データ:Bloomberg エネルギー価格の下落 株式市場と原油価格の推移 期間:2014.08.29 – 2014.12.15 VN指数 110 ペトロベトナムガス(GAS) ドバイ原油 100 90 80 70 11/27 OPEC総会 原産見送り決定 60 50 ※ 2014.08.29の水準を100として指数化しています。 2014/8/29 2014/9/29 経済改革への期待後退 2014/10/29 2014/11/29 データ:Bloomberg 右記のベトナムに対する改革期待の後退がもう一つの 株式市場の上値が重い要因の一つであると見ています。 1. 外国人の株式保有比率上限引き上げの延期 特に外国人の株式保有比率上限引き上げ(現在の49% から60%へ上限緩和)の延期は相場の重しとなりました。 国家証券委員会(SSC)は、11月に外国人の株式保有比 2. 国営企業改革の遅れ 率上限緩和の法案を取り下げました。法案取り下げによ り、上限緩和は早くても2016年以降になるとの見通し から規制緩和期待が大きく後退する結果となりました。規制緩和によって、海外からベトナム株式市場への資金 流入が増加するとの期待があっただけに、法案取り下げは株式市場にとってマイナス材料となりました。 国営企業改革について、政府は2015年までに432社の国営企業を株式会社化する計画をたてましたが、2014 年11月末時点での実績はおよそ40社で国営企業の民営化に遅れが出ています。ただ株式化については遅れが出 ているものの、ベトナムのナショナル・フラッグ・キャリアであるベトナム航空がIPO(新規株式公開)を実施 し、国営企業の株式化は着実に進んでします。 次ページはベトナムの経済環境について キャピタル アセットマネジメント株式会社 1 2014年12月17日 ベトナム PMI(製造業購買担当者指数) 製造業は拡大傾向を継続 好調な製造業 製造業の景況感を表す11月のベトナムPMI(製造業 購買担当者指数)が52.1となり、業況の拡大を示す50 を15か月連続で上回りました。TPPやFTA(自由貿易協 定)などをにらみ先進国向けのアパレル・履物製品の生 産拠点として投資が増加していることや電子関連産業が 集積していることが背景にあります。また、ノキア(携 帯事業)や香港アパレル企業のTALグループ、中国アパ レル企業のテクスホンなど、中国からベトナムに生産拠 点を移す事例が増加していることもベトナム製造業に とってプラスになっています。 情報提供用資料 54 拡大 52 50 縮小 48 46 44 42 出所:マークイット社 国内経済指標の総点検 ベトナム株式市場は冴えない展開となっていますが、ベトナム国内経済に目を向けてみると総じて良好な内容 になっています。近年、ベトナムは低迷していましたが、直近の経済指標は、ベトナム経済は底を打ち、回復に 向かっていることを示す内容となりました。 消費者物価指数は、原油価格の低下などもあり2%台まで下落してきています。2012年は高インフレに苦しん でいましたが、今後は安定的なインフレを背景に消費が活発になることが期待されます。住宅市況についても、 住宅の販売状況は改善してきています。建設省によると住宅価格は下落していますが、2014年後半は価格が下 げ止まる傾向にあることから、来年は価格は回復に向かいとの見方を示しています。また、生産活動が好調であ ることに加え、セメントや鉄鋼といった素材の需要や貿易も堅調であることからベトナムの景気は改善している と見ています。海外からの直接投資は大幅減少となっていますが、昨年あった大型投資案件が剥落したことが要 因で、投資は引き続き堅調に推移しています。11月の時点の海外直接投資は、173億3,000万米ドルと2014年 政府目標である130-140億ドルを既に上回っており、海外投資も力強い内容となっています。 指標 伸び 11月 消費者物価指数 小 (前年同月比) 売 1-11月 小売売上高 (年初来) +2.60% 指標 1-11月 セメント 素 販売量(年初来) 材 1-9月期 鉄鋼 +11.1% 住 2014年 住宅価格 2~5% 宅 (昨年末比) の下落 市 1-10月 ホーチミン市 況 販売・成約件数 生 11月 鉱工業生産 産 (年初来) 販売量(年初来) 1-11月 輸出 貿 (年初来) 易 1-11月 輸入 +30.0% (年初来) (前年同期比) 今後の見通し +11.1% 投 1-11月 外国直接 資 投資認可(年初来) 伸び +16.0% +11.8% +13.7% +12.6% -16.7% 出所:ベトナム国家統計局、ベトナム建設省、ベトナム鉄鋼協会、ベトナムセメント協会 今後のベトナム株式市場の見通しについては、ベトナムの好調なファンダメンタルを背景に株式市場は中長期 的に見て堅調に推移すると見ています。 特にベトナムは製造業が今後の経済をけん引していくと見ています。製造業の拡大基調は続いており、一部の 国を除いて世界的に経済の先行きが暗い中、ベトナムは輸出額の伸びは二桁の伸びを記録しています。また、世 界銀行はベトナムの2014年の成長率見通しを5.6%に上方修正しました。2014年前半時点における成長見通し は5.2%でしたので、1年を通してベトナムの成長見通しを0.4%上方修正しました。世界経済の見通しを下方修 正している中、ベトナム経済は堅調に推移していることをあらわす内容でした。 2014年は政策期待から上昇していたこともあり、期待が剥落した結果、株式市場は冴えない展開となりまし たが、国内経済は良好であることから、今後は実体経済を見直される形で株式市場は堅調に推移するのではない かと見ています。 キャピタル アセットマネジメント株式会社 2 <投資信託に関するご注意> ■投資信託に係わるリスクについて 投資信託は、主に国内外の株式や公社債等の値動きのある証券を投資対象としております。当該資産 の市場における取引価格や為替レートの変動等により基準価額は影響を受けるため、損失が生じる可能 性があります。したがって、金融機関の預金とは異なり元本が保証されているものではありません。 また、ファンドは預金保険機構および保険契約者保護機構の保護の対象ではなく、信託財産に生じた 利益および損失はすべて受益者に帰属します。第一種金融商品取引業者以外の金融機関は投資者保護基 金に加入しておりません。 購入の申込みにあたりましては「投資信託説明書(交付目論見書)」を予めあるいは同時におわたし しますので、必ず内容をご確認いただき、ご自身でご判断ください。 ■投資信託に係わる費用について ①お申込時に直接ご負担いただく費用 申込み手数料: 上限3.78%(税抜3.50%) ②ご解約時に直接ご負担いただく費用 信託財産留保額: 0.3%~0.5% ③投資信託の保有期間中に間接的にご負担いただく費用 信託報酬: 年1.5768%(税抜き1.46%)~2.5704%(税抜き2.38%) (ハイウォーターマーク方式による実績報酬21.6%(税抜き20%)がかかるファンドもあります) ④その他費用 有価証券等の取引に伴う手数料(売買委託手数料、保管手数料等)、監査費用、 信託財産に関する租税、信託事務の処理等に要する諸費用等 ※詳しくは各商品の「投資信託説明書(交付目論見書)」をご覧ください。 ※消費税率は、8%で計算しております。 ※上記のリスクについては一般的な投資信託を想定しています。また、費用の料率等につきましては、 キャピタル アセットマネジメントが運用する投資信託のうちでの上限や範囲を示しております。投資 信託に係わるリスクや費用は商品ごとに異なりますので、ご投資をされる際には、事前に「投資信託 説明書(交付目論見書)」をご覧ください。 <当資料に関するご注意> ■本資料はキャピタル アセットマネジメント株式会社が情報提供を目的として作成したものであり、特 定の金融商品の売買を推奨・勧誘するものではありません。 ■本資料におけるデータ・分析等は過去の実績に基づくものであり、将来の市場環境の変動等を保証、 示唆するものではありません。 ■本資料はキャピタル アセットマネジメント株式会社が信頼性が高いと判断した情報等に基づいて作成 しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。 ■本資料に記載されたキャピタル アセットマネジメント株式会社の見解や見通しは本資料作成時点のも のであり、市場環境等の変化により、予告なく変更する場合があります。 資料作成日:2014年12月17日 商号等: キャピタル アセットマネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第383号 加入協会: 一般社団法人 投資信託協会 一般社団法人 日本投資顧問業協会 キャピタル アセットマネジメント株式会社 3
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