弘前大学科学者発見プロジェクト 「高分子化合物にフッ素の性質を 付与したらたらどうなるか」 (主に服などに用いられる化学繊維) 八戸東高校 科学愛好会 協力:澤田研究室の方々 目的 世の中小さな子供や介護が必要な方など服 が汚れる事が多々あると思います 更に他の様々な作業現場で着られる衣服も 最適であるとは感じられません そこでその負担を少しでも軽減する為に汚れ ない服を作れないかと考えました 仮説 高分子化合物であるポリプロピレンにフッ素を 付与させる実験をし、汚れのつきにくい物質を 作ることができた。 なので同じ高分子である繊維にフッ素を付与さ せることができたら、汚れのつきにくい繊維 (服)を作ることができるのではないかと思った。 実験1 服の繊維に水をはじく性質(撥水性)と油をはじ く性質(撥油性)を加えて汚れを着き辛くさせる ポリエステル(服の素材)の表面をVM(撥水性・ 撥油性を持つ物質)で加工する 手順 1、メタノールとVMを量り取る 2、VMとポリエステルをスルホン酸・カルボン酸 を用いて混ぜ合わせる 3、アンモニアを加える 4、撥水・撥油性を調べる 結果 水 油 未改質 82.2° 0° スルホン酸 100° 0° カルボン酸 0° 90° ※角度が大きい方がよりはじいている。 問題点 油をはじくデコボコがこわれやすい ⇒服に使うとき、デコボコがこわれていたら 汚れをはじくことができない 実験2 とある企業から入手した2種類の液体(仮に 液体A・液体Bと名付ける)を加えて加工表面を より強固にして劣化を防ぐ ※液体A・Bは企業秘密のため情報公開は 出来ません(我々もわかりません) 手順 1、A液を用意 2、VMを混ぜる 3、アンモニアを加える 4、B液を加える 5、スピンコート&ディップで ポリエステルのシートを改質 6、撥水・撥油性を調べる A・B液の効果 A液 ・ポリエステルと馴染みやすくさせる B液 ・加工しているVMの膜のさらに外側を覆い VMが剥がれるのを防ぐ ↑漆塗りと近似した効果を持つ 加工方法 ディップ ・ポリエステルを加工するための液体に直接つける →ラフネス(凹凸)があるため撥水性・撥油性が高まるが、 透明性が低くなってしまう。 スピンコート ・ポリエステルの上に液体を垂らし回転させることで、 遠心力によって表面に薄く膜を張る。 →撥水性・撥油性がディップよりも低くなるが、透明性が高く なる。 結果 水 未改質 87.2° スルホン酸 100° カルボン酸 親水性 A+B ディップ A+B dip 107° A+B spin 93.2° A+B スピンコート 油 水 0° 0° 90° 107° 30° 0° 93.2° ※角度が大きい方がよりはじいている。 油 30° 0° まとめ カルボン酸加工では超親水・超撥油性が見られた。 A+Bディップでは高い撥水性・撥油性が見ら れた。 意外な事にA+Bスピンコートでは撥水性は見ら れたが撥油性は見られなかった。 ディップはB液の黄色さが残ってしまったが、 スピンコートではあまり残らなかった。 考察 カルボン酸加工の超親水・超撥油性を持つ 繊維は幼児用の服など汚れても綺麗に洗い 流せると言う効果を持つ A+B ディップの様に撥水・撥油性を持つ繊維 は消防服などに用いると効果的だ 使用する場面によって使い分けが必要
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