ちょびてご - 岡山大学 学生支援センター

障がい学生支援室だより
通号 41号
UD の 7 原則
UD には、7つの原則があります。
2014
12 月号
ちょびてご
原則1 多様な人が同じように利用できること。
原則 2 使う際の自由度が高いこと。
原則 3 単純で直感的であること。
原則 4 情報が認知できること。
学生支援センター
障がい学生支援室
発行
原則 5 失敗に対し許容性があること。
原則 6 身体的な負担が少ないこと。
原則 7 近づき使える寸法・空間であること。
今月のテーマは、UDL(学びのユニバーサルデザイン)です。
障がいのある方にも,ない方にも「やさしいデザイン」について
ちょっとだけ考えてみませんか?
UDL(Universal Design for Learning)とは
学びのユニバーサルデザイン(UDL)は、全ての学生に学びやすさを提供するための方
法論です。一つの方法のみで全てに対応しようとすると、学びのバリアを意図せず高くしてし
まうことがあります。障がいのある学習者は、そうしたバリアにとても弱く、障がいのない多くの
学生たちにとっても同様にバリアとなってしまうことがあります。そこで,次の3原則に基づい
UDL(学びのユニバーサルデザイン)
て,さまざまな学びのオプションを提供することが UDL では重視されます。
UDL の 3 原則
ユニバーサルデザインとは
特殊な設計や仕組みがなくても,多くの人にとって使いやすいデザインをユニバーサルデ
ザイン(UD)といいます。提唱者であるノースカロライナ州立大学の故ロナルド・メイス教
原則Ⅰ.多様な方法での情報提示
提示される情報の知覚と理解のしかたは、学生によって異なります。例えば、感覚器官
の障がい(視覚障害や聴覚障害など)、学習の障がい(ディスレクシアなど)などがある
授の定義では「改善または特殊化された設計の必要なしで、最大限可能な限り、すべて
学生には、学習情報への異なったアクセスが必要になります。
の人々に利用しやすい製品と環境のデザイン」とされています。
原則Ⅱ.行動と表出に関する多様な方法の提供
UD の起源
UD という考え方は、1980 年代の後半にアメリカで始まりました。ロナルド・メイス教授が
奥さんと一緒にその概念を作り上げたと言われ、メイス教授は「ユニバーサルデザインの父」と
学習を進めたり、習熟度を示す方法は学生によって様々に異なります。例えば、明らか
な運動機能障害(脳性まひなど)のある学生、物事を組織立てて考えることが苦手な学
生(実行機能障害など)は、それぞれ全く違うやり方で学習課題に取り組み、全く違う方
法で学習の習得度を示します。また、文章を書いて自分を表現することは得意ですが、口
呼ばれています。メイス教授も奥さんも車イスユーザーでした。UD の考え方の根底には「す
頭で話すのは苦手な人もいれば、その逆の人もいます。
べての人は人生のある時点で障がいをもつ」という思想があります。それならばものづくりのは
原則Ⅲ.取り組みに関する多様な方法の提供
じめの段階から,なるべく多くの人が利用しやすいものとしてデザインしよう,と考えたので
す。
学生たちが学習に取り組んだり、やる気を起こしたりする方法は、それぞれ全く違います。
自発的にやることや目新しいことに対して、張り切って取り組む学生もいれば、逆にそういう
要素があると取り組めない学生もいます。
以上が UDL の 3 原則ですが,これらの多様性に配慮した学習環境を整えるには,
様々な工夫・アイデアが必要です。以下は,UDL を行いたいと思った時に,どんな視点で
報
ノートテイカー養成講座(入門編)を行いました!
告
学習環境をとらえればよいか,どんな TIPS があるかを教えてくれる文献です。
UDL に関する文献(引用文献を含む)
初等中等教育における UDL についての事例が多く書かれています
・ 東京都日野市 公立小中学校全教師・教育委員会(2010)通常学級での特
別支援教育のスタンダード,東京書籍
11 月 19 日(木)にノートテイカー(NT)養成講座(入門編)を実施しま
した。「講習を受けて NT に登録したけど,経験が浅いので不安です」
という声にお応えして,パソコンテイクの基本をおさらいし,また練習
を積む研修にしました。「もっと練習したいです」という声がありまし
たら,お気軽に障がい学生支援室にご相談ください。
高等教育における UDL に関して詳しく書かれています
・ MARY LEE VANCE, NEAL E. LIPSITZ, AND KAELA PARKS, EDITORS
(2014)BEYOND THE AMERICANS WITH DISABILITIES ACT:
ご 案 内
12
INCLUSIVE POLICY AND PRACTICE FOR HIGHER EDUCATION,
月
の
行
事
NASPA.
高等教育に関して,UDL に限らず授業デザイン全般について書かれています
・ 池田輝政・戸田山和久・近田政博・中井俊樹(2001)成長するティップス先生,
募集中
バリアフリーサポ―ター養成講座(理解編:点字教室)
日 時 : 平成 26 年 12 月 24 日(水)
玉川大学出版部
14:30~16:00
場 所 : 一般教育棟 C22
【参考・引用文献】
内 容 : 視覚障がい者の日常や点字の世界について
体験的に学びます。
・ 宮入賢一郎・横尾良笑(2007)ユニバーサルデザインの本,日刊工業新聞社
・ 関根千佳(2010)ユニバーサルデザインの力,生産性出版
FOR LEARNING (UDL) GUIDELINES V1.0
※ バリアフリーサポーター(障がい学生支援室ボランティアスタッフ)
に登録希望の方には,BFS 養成講座の「理解編」「技能編」を
1 回ずつ受講いただいています。
http://www.andante-nishiogi.com/udl/download/udlguidelines_1_0
※ 教職員の方,BFS に登録を希望しない方でも受講可能です。
・ CAST(訳 金子晴恵 バーンズ亀山静子)(2011)UNIVERSAL DESIGN
_japanese.pdf
申込
方法
場
岡山大学
学生支援センター
障がい学生支援室
左記連絡先まで必ず事前にお申し込みください。
メールの場合は,学生番号・氏名・学 部学科(課 程)・電話番号を
記載してください。
所 一般教育棟 D 棟 1 階
開設時間 午前 10:00~12:00
午後 1:00~5:00
連 絡 先
E-mail
086-251-8553
(支援室受付)
[email protected]
予 告
1 月 28 日(午後)に,障がい学生支援の分野で
大変著名な高橋知音先生(信州大学)をお招きして
UDL に関する研修会を実施します。
詳細は,「ちょびてご」1 月号でご確認ください!