特別支援教育の現状と 今後の課題について 新潟大学教育学部 長澤正樹 1.特別支援教育の理念 特別支援教育:欠陥から支援へ 特殊教育 特別支援教育 欠陥の克服 障害児だけが対象 個にあった支援 支援が必要な子ども全員 • 障害のない子どもと同じ教育が受けられるた めの支援を提供する教育 • 「できない」ではなく、「どうしたらできるか」 特別支援教育は、支援を必要とする すべての子どもが対象 特別な支援を必要とする子ども 発達障害だけではなく 何らかの困難を抱える グループが存在する ADHD LD PDD 「○○障害」でなくても、困難さを抱える生徒が存在する 特別な支援を必要とする子ども 身体障害 知的障害 問題行動 非行 いじめ 不登校 虐待 (反応性愛着障害) 両親の問題 (経済的問題) 発達障害 外国人 反応性愛着障害(RAD)とは • 生後五歳未満までに親やその代理となる人と 愛着関係が持てず、人格形成の基盤におい て適切な人間関係を作る能力の障害 • 二つの群 – 抑制型:他者に対して無関心。PDDに類似 – 脱抑制型:部分的な愛着関係の状態に取り残さ れ、他者に対して無差別に薄い愛着を示す。 ADHDに類似 「落ち着きがなくキレやすい子」 ひょっとしたらRADかも? 特別支援教育とは? 幼・小・中・高・大学 • • • • 教育は基本的に通常学級で 通級による個別指導 個別指導の充実 個別の教育支援計画の策定 支援保障の契約書 校内委員会の設置 全校体制による支援 – 子どもの指導を検討する場 特別支援教育のリーダー • コーディネーターの任命 • 特別支援学校 地域のセンターとしての役割(相談機 関)・総合養護学校化 特別支援教育とは子どもに必要な支援を提供する教育 特別な教育支援とは • 通常学級での支援 子どもにあった教材・プリントの使用、板書や説明の工夫 教室内の座席や場所の配慮、介助員の配置、ICT機器の使用許可 • 実態にあった学習支援 能力に応じたグループ指導、個別学習支援(授業中、放課後など) • 通常学級以外の支援 通級指導教室(週1回1時間程度、対人関係の指導など) 特別支援学級(知的障害、情緒障害など) 特別支援学校(盲、聾、養護学校) 特別な支援を、通常学級で実施する 2.特別支援教育の推進体制 就学指導について • 従来の就学基準の見直し(学校施行令一部改正) 障害があっても、通常学級で教育を受けることが可能に http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/003.htm • 本人、保護者の自己選択 意見聴取の義務化 • 教育委員会、学校の説明責任 考えられる教育措置のメリット、ディメリットを説明する • 個別の教育支援計画の策定 教育措置、保障される特別な支援を文書にまとめ、 保護者の同意を得る (例)http://www.ed.niigata-u.ac.jp/~nagasawa/IESP.pdf 就学指導:教委の説明責任と保護者の自己決定 特別支援学校在籍 児童生徒が副次的 な籍を持つ 東京都、横浜市、埼 玉県、札幌市 統合教育に向けた、文部科学省の取り組み 特別支援教育の支援体制 A小学校 市町村 都道府県 教育委員会 市町村教育委員会 広域特別支援 連携協議会 通常の学級 特別支援教育コーディネーター 特別支援学校 校内委員会 通級指導教室 医療・福祉・労働 相談機関 B小学校 幼稚園 中学校 高等学校 専門相談員 教委・支援学校が核となり、特色ある支援体制を 校内委員会の役割 • 全児童生徒を対象とした実態調査 – スクリーニングテスト • 支援が必要な児童生徒のリスト作成 • 支援内容・方法の検討、評価 – 個別の教育支援計画 • 専門家チームとの連携 • 既存の組織の活用:生徒指導部会など 管理職がリーダーシップ、コーディネーターを中心に運営 担任が抱え込まない雰囲気作り、定期的に会合を 小中高等学校:校内支援体制の構築 実態把握 支援の決定 支援計画作成 評価 校内委員会 個別支援の実施 教科の補充 自立活動 (人間関係の形成) 通常の学級 特別支援学級 通級指導教室 適応指導教室 相談室 一斉指導の中での 個別支援 校内委員会で校内支援体制の構築を検討 共通理解を図るには • 教員の意識、校内のリソースの調査 特別支援教育を推進する環境かどうか • 管理職のリーダーシップ 校長が職員に対し基本方針を示す • 既存の組織の活用 負担を増やさない工夫、既存の組織の再編 • できることからはじめる 全校の問題も一つの事例解決から 実態把握リスト(例) 生徒 主 名 訴 発達障害 緊急度 の疑い 優先順位 コーディネーターが優先順 位をつける 1-2 A 学習の遅れ 生活上の問題 対人関係 1:学習障害 2:ADHD 3:高機能自閉症 4:該当せず 1:担任対応 2:学年対応 3:学校対応 1 校内委員会で対応 障害の有無にこだわらず、指導につながる実態把握を 対象の認定基準は、学校で定めて良い 支援計画(例) 生徒 主 名 訴 支 援 担 当 評 価 適切な役割分担 1-2 A ・同級生とう まくかかわれ ず、孤立して いる ・SCによる定期的な カウンセリング ・B(生徒)による声 がけ ・実技系教科の授 業での記録 ・SC、相談部 ・定期的にカ ウンセリング を受けた ・担任 ・Bに質問す るようになっ ・実技系教科 た 担任 校内で対応できる支援内容をきめる 主訴を明確にし、継続可能な支援をきめ、文書にまとめる 3.特別な場での特別支援教育 特別支援学校 引用:文部科学省 • 視覚障害、聴覚障害、知的障害、肢体不自由、 病弱 • 一人一人に応じた教育 • 専門性の高いスタッフ、充実した施設 • センター的機能 – 教育相談、地域の特別支援教育支援 • 総合養護学校化 – 複数の障害種への対応 専門的な教育とセンター的機能 資料:新潟県 インクルージョンが すすむと特別支援 学校のニーズも高く なる 専門教員不足が 深刻化 日本経済新聞 新潟県の施策 • 知的障害高等部に普通科職業学級設置 – 企業就労をめざす – 生徒の職業的自立の促進 – 吉川特別支援学校、高等養護学校、月ヶ岡養護 学校(H23年度より) – 入試選考の工夫 高等部の現状に対応した考え (職業教育・就労支援に重点化する:国の施策、先行例) 高等学校ではできないのか?(私見) 特別支援学級 • 比較的軽度の障害のある児童生徒の教育 • 知的障害、肢体不自由、身体虚弱、弱視、難 聴、言語障害、情緒障害 • 8名で1学級 • 補助教員の導入(市町村) • LDやADHD等の対応も可能(通級による指 導) • 通常学級との交流学習促進 特別支援学級は特別なカリキュラム、支援が可能 通常学級との交流、弾力的活用。将来支援教室へ 新潟県(H21年度) • 学級数:914学級(前年比71学級増) – 小学校+43、中学校+28 – 知的障害+22、情緒+46 • 通級指導教室:92教室(前年比6教室増) – 発達障害31(+4)、言語52(±0) 特別支援学校同様、増加傾向が続いている 全国:学校在籍・約12万人、学級・約13万5千人 通級・約5万4千人 通級(発達障害)による指導 • 自立活動もしくは教科の補充 人間関係の形成、心理的な安定、環境の把握 • 年間10から280単位時間(月1から週8時間 程度) • 役割 ソーシャルスキルトレーニング、自己管理 居場所、心の安定 • 校内委員会、専門家チーム等で検討 就学指導委員会で決定。医学的診断を必要としない 通常学級でむずかしい個別指導、支援の提供 4.通常学級での特別支援教育 「学習のユニバーサルデザイン」 UDL:Universal Design for Learning スクールスタンダード • すべての児童生徒にとって、生活しやすく学 びやすい環境 • 児童生徒に求めることを共通に • 児童生徒の視点で学校生活を見直す • 支援方法を統一することで成果が上がる • 不安や不公平感を解消 • 学校全体(全教員)で一人一人の児童生徒を 育てる 学校全体でルールを確立 横浜、川崎で普及(関戸,2010) UDLの原則(長江・細渕,2004) • • • • • • • すべての子どもが学びに参加できる 多様な学びに柔軟に対応できる 視覚や触覚に訴える教材教具、環境 ほしい情報がわかりやすく提供される 間違いや失敗が許容され、試行しながら学べる 自分の力で達成できる授業 必要な学習活動の十分に取り組める課題設定 UDLとは:発達障害の子=なくてはならないもの、 全員=あると便利なもの なぜ今UDLなのか? UDLと統合教育との強い関係 統合教育実施上の課題 • 一つの教室で、学力差・能力差への対応 • 一つの指導法で全員が学ぶことが困難 • Universal Design for Learning – すべての学習者が、学習に対する知識、技能、 やる気を得ることを可能にするカリキュラムを設 定するための枠組み 我が国でも同じ状況へ 通常学級でUDLの実施の必要性 学習のユニバーサルデザイン • 授業構成の工夫 授業の流れを示す、導入の工夫、準備のタイミングの明示 • 指示、説明、発問の工夫 簡潔化、具体的、肯定的表現、活動がイメージできる表現 • 板書と机間支援の工夫 きれいな黒板、分割法、机間支援と一斉支援・個別支援 • 視覚情報や作業・動作の活用 視覚的手がかり、「見て→読んで→書く」、作業動作で集中 特別な対応をすべての子に:特別が特別でなくなる 全国の実践例 松江市立母衣(ほろ)小学校 • 特別支援学級(知、情、病)通級担当2名 • 母衣幼稚園に特別支援幼児教室、相談室 • 『授業造りのための母衣スタイル(案)』の実 践(教師用授業チェックリストのようなもの) 授業参観から、学習環境の良さ、 わかりやすい視覚的提示、 楽しい授業の工夫が確認された 熊谷市立富士見中学校 • 生徒の実態から、必要な支援のレベルをきめ る • 「わかる授業作り」:サポートプランの活用 – UDLの視点で授業作り • ヒントプリントの活用 – 実態に応じ、3種類用意する 学校全体で取り組んだ結果、 「授業がわかりやすい」「ノートをしっかりとるようになった」 など、生徒による肯定的評価 学習のきまり の明示 授業の流れ の説明 正徳館高校 (出雲崎高校) 簡潔な板書 口頭だけでなく メモで指示 プリントやテストの 表示法の工夫 実践研究(1) 小学校通常学級 小林・古田島・長澤(2009) UDLの実践 • UDLを実践するためのチェックリスト、「教師 用授業チェックリスト」を使って授業改善を図 ることで、クラスが落ち着き、発達障害の児童 の問題が減少するか? • くわしくはこちらのサイトへ↓ http://www7b.biglobe.ne.jp/~udl/ 総合考察 • 教師がUDLを実践することにより学級集団が 変わる • 同時に、特別な支援を要する子どもの行動も 変わる よって、UDLはどの子どもにも有効だといえる ユニバーサルデザインとは 子どもたちに わかりやすく 提示する、 伝えるための 方法 子どもたちが 容易にできる 意思表示・ 伝達方法 CAST,2008 子どもたちが 自己管理、 自己選択、 自己解決 できるための方法 新潟県立荒川高校(2009)の実践より ユニバーサルデザインとは 子どもたちに (例) わかりやすく 理解しやすい板書 パワーポイント使用 提示する、 わかりやすい指示 伝えるための 授業展開の工夫 方法 CAST,2008 (例) (例) 子どもたちが 子どもたちが 達成できる課題 質問を適宜受け付け 自己管理、 1授業完結型プリント 容易にできる 積極的参加を強化 自己選択、 自己解決を支援 ペアグループ活動 意思表示・ 自己解決 生徒同士で活動・解決 積極的傾聴 伝達方法 できるための方法 反復学習(定着化) 寛容な雰囲気 新潟県立荒川高校(2009)の実践より UDLの条件 • 通常学級の全員を対象とした指導・支援であ る • 学習困難や失敗させない予防的対応である • 指導方法やルールを事前に説明する • 成果を科学的に実証しなければならない • 複数のスタッフで担当する(TT、連携) • 段階的対応が求められる UDLは統合教育を実施するためのもの UDLでうまくいかない子どもへの対応を準備すること 個別対応・教育措置変更 基準に達しない生徒・一対一対応 UDL 補習、特別な指導 基準に達しない生徒・少人数指導 誰もがわかる授業の 工夫 ICTの積極的活用 (授業へ積極的参加) 自己管理・ 自己決定支援 UDL 通常学級で全員を対象 各段階共通:説明責任、客観的評価・評価の連続性、 できていることを積極的に強化(評価)する 相模原市立富士見小学校 • ユニバーサルアプローチ&パーソナルアプ ローチ 個別支援 ↑ 小集団での支援 ↑ クラス全体の支援 学級経営・授業作りの工夫 個別指導計画、ケース会議、学習補助員、少人数指導、 教師力のスキルアップ、特総研との連携 5.特別支援教育のキーワード:連携 さまざまな連携 1. 2. 3. 4. 5. コーディネーターと教員 複数の教員による連携:校内委員会 通級指導教室 保護者と教員 関係機関 – 特別支援学校 – ハローワーク – その他の機関 学校だけではなく、さまざまな連携が考えられる 1.担任と連携:コンサルテーション • コーディネーターが聴き役となり、一緒に問題 を解決する • 協働作業による問題解決 コーディネーター 問題解決 問題 担任 コーディネーターは自分の問題としてとらえるように コーディネーターの役割(文科省) 1. 2. 3. 4. 5. 校内の関係者や関係機関との連絡調整 保護者に対する相談窓口 担任への支援 巡回相談や専門家チームとの連携 校内委員会での推進役 – 作業部会の設置 http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/16/01/04013002.htm 軽度発達障害の児童生徒への教育支援体制の整備のためのガイドライン(試案) コンサルテーションのポイント(1) • 相談の場の設定 場所、配置、設定 • 相談者のニーズの分析 解決したい?聴いてもらいたい? • 相談者の問題意識 解決にどれだけコストをかけられるのか? • 主訴を明確に 困っている問題を具体化、優先順位 コンサルテーションのポイント(2) • できそうな目標をきめる 望ましい行動より、悪くない行動 • できそうな対応を提案し、相手に選んでもらう 情報を提供し、押しつけない • 誉めることを意識させる 悪くないときにも誉めるように • 望ましい行動の記録を認識してもらう 望ましい、悪くない行動の記録を提案する 2.通級指導教室との連携 ソーシャルスキルトレーニング 説明を聞く 練習する(ロールプレイ) 評価(いいところを見つける) 日常場面で実行する 獲得が期待される能力 例:おもいやり 傷ついた友達を慰める お年寄りに席を譲る 落とし物を届ける いじめられている友達を 助ける 通級で学んだことを通常学級でも指導する 3.特別支援学校との連携 • センター的機能 巡回相談、検査、個別計画作成、情報提供 • 専門性のある教育 身体障害、知的障害、自閉症、発達障害 • 職業教育 作業学習、キャリア教育、関係機関との連携 • 専門性のある教員 小中高:積極的活用 特別支援学校:できることとできないことを整理する 4.保護者との連携 目的別の基本的なかかわり 4-1 専門機関を勧める • 学習、行動、対人関係について、どういうこと が問題かを具体的に説明する – データ(問題の根拠)を示す • 一斉指導(通常の指導)では困難であること を話す • 子どもにあった指導のために、専門機関の判 断が必要であることを話す 障害の可能性を必ずしも言う必要はない 問題へのより専門的な介入の必要性を訴える 4-2 特別な対応を提案する • 学校としての基本的な対応を説明する どの子にも共通の対応があること • 事実を見てもらう 「学校に来て私(教師)の対応を見てください」 • 障害の有無より対応を説明 「授業中注意が聞けないときには、別室で個別指導します」 • 教育的対応の成果を告げる 「個別のプリントでやる気が出ましたよ」 説明責任、現状を知らせ、具体的な対応を示す 4-3 聴き方の姿勢(例) • 相手の話をすべて聴くこと 何か言いたくても最後まで聴く、話を整理する • 事実と主観を区別すること 「ひどいことを言われた」(主観)、「帰れといわれた」(事実) • 親の願いを明確に聴きとること 「子どもにどうなって欲しいのか?」を明らかにする • 学校でできること、家庭でできることを話し合 うこと できることできないことを明確に。家庭の役割 困っている現状を共有し、親の願いを一緒に考える 4-4 話し合いを継続する • 親の悩みに応える姿勢 「いつでも相談にいらしてください」 「教頭でも、養護教諭でも、SCでも対応できます」 • 良いことをまず報告 できていることから話題にし、残された問題を話し合う • 親のがんばりを評価する 親の努力を積極的に誉めること • 次回までの対応をきめる できることを約束し、次回の日にちをきめること あせらず、できることを評価し、時間をかけて対応 連携、他にも • 虐待、親の資質の問題 児童相談所、民生委員 • 非行、学校外での問題行動 警察(生活安全課)、家庭裁判所、保護観察所 • 診断、告知、医療的ケア、親支援 医療機関、発達障害者支援センター、児童相談所 • 親支援、心の支え、情報交換 親の会、NPO ひとりで抱え込まず、支援機関の活用を 専門機関 教育センター 特別支援教育サポートセンター(新潟) 特別支援学校 児童相談所 小児医療センター、精神医療センター 発達障害者支援センター 障害者就業・生活支援センター 障害者職業センター・ハローワーク 大学(新潟、上越教育) 困ったことは気軽に相談できます 6.特別支援教育の現状と課題 進んだこと(柘植,2008) • • • • • • • 特別支援教育、発達障害の理解推進 教員の意識改革 校内、地域システムの構築 コーディネーターの指名と養成 個別計画の作成と活用 法的整備(発達障害者支援法) 新たな制度(通級指導教室) 日本の教育行政としては改革が早かった 特別支援教育のこれから • • • • • • システムのさらなる充実と機能化 指導、支援のいっそうの充実 特別支援学校における指導、支援の充実 特別支援学校のセンター的機能発揮の充実 新学習指導要領をふまえた指導の現代化 免許更新制の開始による特別支援教育のす べての教員への普及 柘植(2008) 特別支援教育のこれから • • • • • • システムのさらなる充実と機能化 ・国民の理解 指導、支援のいっそうの充実 ・教員全員を対象とした研修 特別支援学校における指導、支援の充実 ・後期中等教育、高等教育の取り組み 特別支援学校のセンター的機能発揮の充実 ・専門性のある教員養成 新学習指導要領をふまえた指導の現代化 ・特別支援学校のセンター化の徹底 免許更新制の開始による特別支援教育のす べての教員への普及 統合教育に向けた理解と取り組みを 2008年度事業 • 発達障害等支援・特別支援教育総合推進事 業(新規:47都道府県) 巡回指導、研修事業、厚労省との連携モデル地域 • 発達障害教育情報センター事業(新規) • 発達障害早期総合支援モデル事業(拡充) – 20地域に拡充 • 高等学校における発達障害支援モデル事業 – 20校に委嘱(拡充) 国は発達障害、特別支援教育を重要視している 2009年度文部科学省の事業 • 発達障害等支援・特別支援教育総合推進事 業(継続) • 発達障害等に対応した教材等の在り方に関 する調査研究事業 • 発達障害早期総合支援モデル事業 • 高等学校における発達障害支援モデル事業 • 特別支援学校等の指導充実事業 – PT、OT、ST等の活用 2008年度からの流れは変わらない 2010年度文部科学省の事業 (一部) • 特別支援教育総合推進事業304,979千円 (664,371千円) • 民間組織・支援技術を活用した特別支援教 育研究事業40,175千円(67,737千円) • 特別支援教育支援員(幼・小・中) 約34,000 人相当 事業仕分けにより、予算規模縮小 県予算による対応か? 学習指導要領の改訂 • 障害の重複化・重度化、多様化への対応 – 自立活動に「人間関係の形成」区分 – 専門家との連携 • 一人一人に応じた指導の充実 個別計画作成義務化へ • 職業教育の充実 – 「福祉」の新設、社会の変化への対応(外部人材 活用) • 交流及び共同学習の推進 実施時期:小・H23、中・24、高・25(学年進行) 求められる研究課題 • • • • • • • 発達障害研究 個に応じた学習支援プログラムの開発 自閉症の教育支援とカリキュラム 個別の教育支援計画の作成と活用 多様化する重度重複障害の教育支援 早期教育相談と教育支援、親支援 特別支援教育におけるICTの活用 発達障害の就労支援、進路支援 キーワード(アンダーライン)=求められている課題 法改正の動き 障害者自立支援法(2006) • 障害のある人が普通に暮らせる地域作り • 障害のある人のニーズや適性に応じた自 立支援 • 市町村を中心とするサービス提供体制の 確立 • 効果的・効率的なサービス利用の推進 • 費用の公平な負担と資源配分の確保 費用を負担できる程度の収入が得られるのか? 就労の場が確保できるのか? 障害者自立支援法改正案 衆議院厚生労働委員会で可決 平成22年5月28日 改正の内容(一部) 1. 利用者負担の見直し – 家計の負担能力に応じたものとする 2. 障害者の定義および程度区分の見直し – 発達障害者を含む – 「障害支援区分」への変更 3. 相談支援の充実 – 基幹相談支援センター、自立支援協議会の設置、 支援決定手続きの見直し 児童福祉法の一部改正 1. 障害児施設の見直し – 障害種別 → 一元化 – 福祉型障害児入所施設、医療型障害児入所施 設、福祉型児童発達支援センター(通所)、医療 型児童発達支援センター(通所) 2. 障害児支援の見直し – 通所支援の見直し – 児童発達支援、医療型児童発達支援、放課後 等デイサービス、保育所等訪問支援 3. 「精神障害児」を加える 障がい者制度改革推進本部 • 障害者の視点で行政を監視する機関。2014 設置予定 • 障害者権利条約締結に向け、 – 障害者基本法改正(2011)国会提出 – 障害者総合福祉法(仮称)(2012):自立支援法に かわる – 差別禁止法(仮称)(2013) 平成22年6月21日日経新聞 県の施策(2010) 発達障害への理解と支援を広げるためのシンボル マーク 市町村への助言・指導 地域生活支援センター 親が、相談・助言 にいがたオーティズム さまざまな支援を保障し、継続するための支援ツール 国民(県民)の義務 • 発達障害の正しい理解 病気ではありません。個性です • ユニバーサルデザインの観点 発達障害を含む、みんながわかりやすい環境 • 親を孤立させない 責めるのではなく、親の苦労を聴いてあげること • 地域の行事を大切に ソーシャルスキル、対人関係支援につながる 多様性を認め、共生社会の実現 長澤研究室 http://www.ed.niigata-u.ac.jp/~nagasawa/ メールマガジン、特別支援教育・発達障害の情報、資料
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