X-Rs-R 管理図を用いた校正方法の選択とその検証

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X-Rs-R 管理図を用いた校正方法の選択とその検証
◎宮本 崇三 1)、金沢 直美 1)、佐藤 直美 1)、杉本 則子 1)、山下 絹代 1)、幸福 知己 1)、川口 正彦 1)、山田 祐一 2)
一般財団法人 住友病院 診療技術部 臨床検査技術科 1)、パナソニック健康保険組合 松下記念病院 中央臨床検査部 2)
【はじめに】自動分析装置の校正は,正確な測定を行うた
め毎日実施するのが理想である.当院では多くの項目で毎
T-Bil・D-Bil・TP・ALB は NC に,IP は DB にそれぞれ変更
した.但し,週 1 回のメンテナンス後や試薬ロット変更時
朝校正を実施しており,測定準備に時間を要しているのが
は 2 点校正を実施した.精度管理試料を 50 日間測定し,
現状である.今回,検査開始時刻を早めることや経費節減
CV(%)で評価を行った.また,毎日の 0 濃度(生理食塩水)
を目的に校正方法の検討を行った.
の測定と,トレーサビリティの確認のために標準液の測定
【分析装置】日立 7700DPP 形自動分析装置
を週1回行った.
【検討項目】CRE・UN・UA・TG・T-cho・TP・ALB・T-Bil・
【検討 2:結果】全ての項目で 2 濃度とも許容限界を外れ
D-Bil・IP・Ca・Mg・ZTT
【検討 1:方法】毎日 2 点校正(D2C)を行い,精度管理試
ることはなく,CV(%)は D2C 実施時に劣らない良好な結果
料 2 濃度を1日4回 50 日間測定した.その結果より,毎
【考察】D2C を行っていた複数の項目で,校正方法を変更
日試薬ブランク校正(DB)と校正未実施(NC)の場合の精度
しても精度管理上問題がないことを確認した.また,NC
管理値を算出し,X-Rs-R 管理図より日内・短期・長期日間
にすることで TP/ALB と Bil 標準液は約 57%の経費節減が
変動を合わせた総分析誤差を求めた.D2C の総分析誤差を
見込まれ,校正時間も短縮した.但し,測定準備時間とし
1 とした時の DB と NC の相対値を求めて比較を行った.
ては 0 濃度の測定を追加したことで約 1 分半の短縮にとど
【検討 1:結果】2 濃度とも TG・UA・T-Bil・D-Bil・TP・ALB
まった.検討1のように,各校正を相対的に比較すること
は NC が 1 以下であり,IP は DB が 1 以下であった.それ
で校正方法の使い分けを見極めることができる.今後は,
以外の項目は DB,NC ともに 1 を上回った.
校正のタイミングについても検討し,更なる時間短縮や経
【検討 2:方法】検討 1 の結果から,校正方法を TG・UA・
費節減につなげたい.
が得られた.0 濃度や標準液濃度も安定した値が得られた.
連絡先:06-6443-1261