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インベストメント・ストラテジー & エコノミクス
シニア・エコノミスト ボブ・カニーン
Viewpoint
2014 年 11 月 04 日
豪州準備銀行が政策金利を 2.50%に据え置き
豪州準備銀行(RBA)は、本日 11 月 4 日(火)に開かれた定例理事会において、政策金利であるオフィシャル・キャッシュ・レートを
2.50%に据え置くことを決定しました。この決定は、金融市場が予想していた通りでした。
今回の RBA 総裁による声明と過去の声明との間の相違は、軽微なものに留まりました。特筆すべきは、RBA が豪ドルについて、
「最近下落している」との認識を示したことです。しかしながら RBA は、「特に主要コモディティ価格がここ数ヵ月間で更に下落したこ
とを考えると、豪ドルは依然として想定されるファンダメンタル・バリューのほとんどを上回っている」と考えています。
RBA 総裁が定例理事会後に発表した声明の主な点は次の通りです。
グローバル経済の成長について RBA は、「引き続き緩やかなペースで」進んでいるとの楽観的な見方を維持しています。中国経済
の成長は「引き続き概ね政策担当者の目標に合致して」いるものの、「不動産市場の軟化」が「短期的な課題」となっています。
グローバル金融環境は依然として「極めて緩和的」ですが、金融市場のボラティリティは「過去数ヵ月間にわたり上昇基調」にありま
す。しかし、「今後一定の期間内にグローバル金利が上昇する可能性や有害な事象が発生する可能性は極めて低い」と金融市場
は見ているようです
豪州経済に関しては、「ほとんどの経済データが、緩やかな経済成長を示している」としています。RBA は「資源セクターの投資支出
が大幅に減少し始めている」ことを認めています。しかし、「その他セクターの民間需要の拡大ペースにはばらつき」があります。結
論として RBA は、「豪州経済の成長率は、今後数四半期にわたりトレンドを若干下回るだろう」と予想しています。
一方、労働市場に関して RBA は、豪州の労働市場は依然として「幾分供給が過剰」であり、「失業率が一貫して低下するまでには、
まだ若干時間がかかる可能性がある」としています。また、賃金の上昇については、「今後一定の期間にわたり相対的に緩やかに
推移すると見られており、これにより、為替レートが下落したとしてもインフレ率はターゲット内に収まるだろう」としています。
RBA は、豪ドルは「最近下落している」と認識しています。しかしながら、「特に主要なコモディティ価格がここ数ヵ月間で更に下落し
ていることを考えると、豪ドルは依然として想定されるファンダメンタル・バリューのほとんどを上回っている」と考えています。
RBA の判断は、「現行の金利は極めて低く、貸出競争から今後数ヵ月間にわたりじりじりと更に低下すると予想される」ことから、今
後も「緩和的な金融政策を維持する」というものです。民間部門信用の伸びは「全体的に緩やかだが、ここ数ヵ月間にわたり住宅資
産への投資に対する融資は更に増加」しています。この結果、豪州の住宅価格は「引き続き上昇」して来ました。RBA は、「緩和的
な金融政策を継続する」ことが豪州経済の成長を「時間とともに強化する」のに有効だと予想しています。一方、インフレ率は「今後
2 年間は中期目標である 2~3%の枠内に留まる」と見ています。
従って RBA 定例理事会は、「現在の状況を鑑みるに、金利を一定に保つ期間を設けることが最も賢明な方策である」と再び判断し
ました。
RBA は、年内は政策金利を 2.50%に据え置くと弊社は予想しています。
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