記号法

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記号法
文字の使い方
基本ルールを以下に示す.問題に依存する場合はより一般的な場合に従う.
a, α, · · ·
アルファベットとギリシャ文字 (表 0.0) の小文字をスカ
ラー,ベクトル,関数を表す.
a, α, · · ·
アルファベットとギリシャ文字の太い小文字を有限次元の
ベクトルとそれを値域にもつ関数を表す.
A, A, Γ, · · ·
アルファベットとギリシャ文字の大文字やその飾り文字を
集合を表す.
A, Γ, · · ·
アルファベットとギリシャ文字の太い大文字を有限次元の
行列とそれを値域にもつ関数を表す.
L
Lagrange 関数の意味をもつ関数を表す.
aA
ローマン体の添え字は用語の頭文字を表す.
集合
以下,m, n, d を自然数とする.
N, Z, Q, R, C
それぞれ自然数 (正整数), 整数, 有理数, 実数, 複素数の全
体集合を表す.
A = {a1 , · · · , am } 集合 A は a1 , · · · , am の要素あるいは点からなることを
表す.
|A| 有限集合 A の要素の数を表す.
a∈A
{0}
{ak }k∈N
a は集合 A の要素であることを表す.
0 だけからなる集合を表す.
無限点列 {a1 , a2 , · · · } を表す.
記号法
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表 0.0 ギリシア文字
大文字
小文字
よみ
大文字
小文字
よみ
A
B
Γ
∆
E
Z
H
Θ
I
K
Λ
M
α
β
γ
δ
ϵ ε
ζ
η
θ ϑ
ι
κ
λ
µ
alpha
beta
gamma
delta
epsilon
zeta
eta
theta
iota
kappa
lambda
mu
N
Ξ
o
Π
P
Σ
T
Υ
Φ
X
Ψ
Ω
ν
ξ
O
π ϖ
ρ ϱ
σ ς
τ
υ
ϕ φ
χ
ψ
ω
nu
xi
omicron
pi
rho
sigma
tau
upsilon
phi
chi
psi
omega
A⊂B
A ∪ B, A ∩ B, A \ C
集合 A が集合 B の部分集合であることを表す.
集合 A と集合 B の和集合,積集合,差集合を表す.
(0, 1), [0, 1], (0, 1] {x ∈ R | 0 < x < 1}, {x ∈ R | 0 ≤ x ≤ 1}, {x ∈ R | 0 <
x ≤ 1} を表す.
ベクトルと行列
以下,Rd , Rm , Rn のベクトルと行列を考える.
T
x = (x1 , · · · , xd ) ∈ Rd
d 次元の縦実ベクトルを表す.xi は x の i 番目の要素を
表す.xT は x の転置を表す.
0Rd
Rd の零元を表す.
x ≥ 0Rd
xi ≥ 0, i ∈ {1, · · · , d}, を表す.
∥x∥Rd ,p
p ∈ [1, ∞) のとき,x ∈ Rd の p 乗ノルム
√
p
p
p
|x1 | + · · · + |xd |
p
p
を表す.p = ∞ のとき,最大値ノルム max {|x1 | , · · · , |xd | }
を表す.混乱がなければ ∥x∥p とかく.
∥x∥Rd
x ∈ Rd の Euclid ノルム
√
x · x を表す.混乱がなければ
∥x∥ とかく.
A = (Aij )ij ∈ Rm×n
m 行 n 列の実行列を表す.A = (Aij )(i,j)∈{1,··· ,m}×{1,··· ,n}
ともかく.
3
a · b, A · B
δij
I Rm×m
a, b ∈ Rm および A, B ∈ Rm×m に対して,スカラー積
∑
∑
i∈{1,··· ,m} ai bi ,
(i,j)∈{1,··· ,m}2 Aij Bij を表す.

1 (i = j)
Kronecker デルタ δij =
を表す.
0 (i ̸= j)
単位行列 (δij )ij ∈ Rm×m を表す.混乱がなければ I と
かく.
領域と関数
以下,Rd 上の領域と関数を考える.
Ω ⊂ Rd
¯
Ω
Rd の領域 (単連結開集合) を表す.
Ω の閉包を表す.
¯ \ Ω を表す.
∂Ω Ω の境界 Ω
∫
|Ω| Ω dx を表す.
ν
τ 1 , · · · , τ d−1
境界 ∂Ω で定義された外向き単位法線を表す.
境界 ∂Ω で定義された接線を表す.
κ 境界 ∂Ω で定義された ∇ · ν (平均曲率の d − 1 倍) を表す.
∆u 関数 u : Rd → R の Laplace 作用素 ∆ = ∇ · ∇ を表す.
∂ν u 関数 u : Ω → R に対して,境界 ∂Ω で定義された (ν · ∇) u
を表す.
∂ν u
dx, dγ, dς
関 数 u : Ω → Rd に 対 し て ,境 界 ∂Ω で 定 義 さ れ た
(
)T
(ν · ∇) u = ∇uT ν を表す.
領域 Ω ⊂ Rd 上の積分, 境界 Γ ⊂ ∂Ω 上の積分,境界の境
界 ∂Γ 上の積分で使われる測度を表す.
Banach 空間
以下,V をノルム空間, X を Banach 空間とする.
∥x∥V
X
′
⟨y, x⟩X ′ ×X
x ∈ V のノルムを表す.混乱がなければ ∥x∥ とかく.
X の双対空間を表す.
x ∈ X と y ∈ X ′ の双対積を表す.混乱がなければ ⟨y, x⟩
とかく.
記号法
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関数と微分
以下,X, Y, Z を Banach 空間とする.
f :X→Y
f (x) : X ∋ x 7→ f ∈ Y
f ◦g
X から Y への写像 (関数) を表す.
要素を明示した写像を表す.
合成写像 (合成関数) f (g) を表す.
L (X; Y ) X から Y への有界線形作用素の全体集合を表す.
∇f (x) x ∈ Rd における f : Rd → R の微分 ∂f (x) /∂x ∈ Rd を
表す.
∆f (x) x ∈ Rd における ∇ · ∇f (x) を表す.
f ′ (x) [y] f : X → R のとき,f の x ∈ X における任意変動 y ∈ X
に対する Fr´
echet 微分 ⟨f ′ (x) , y⟩X ′ ×X を表す.
fx (x, y) [z], ∂X f (x, y) [z] f : X × Y → R の と き ,f の (x, y) ∈ X × Y
に お け る 任 意 変 動 z ∈ X に 対 す る Fr´
echet 偏 微 分
⟨∂f (x, y) /∂x, z⟩X ′ ×X を 表 す .f (x, y) /∂x ∈ X ′ を
fx (x, y) とかく.
T
∂f /∂x , f xT
f : Rd → Rm のとき,Jacobi 行列 (∂fi /∂xj )ij : Rd →
Rm × Rd を表す.
∂ν f
Ω ⊂ Rd に対して ν を ∂Ω 上の外向き単位法線とし,
f : Rd → R とするとき,ν · ∇f を表す.
関数空間
C (Ω; Rn ), C 0 (Ω; Rn ) Ω ⊂ Rd 上で定義された連続関数 f : Ω → Rn の全体集合
を表す.
C0 (Ω; R ) f ∈ C (Ω; Rn ) で,f の台の閉包が開集合 Ω に含まれ,か
n
つ有界な f の全体集合を表す.
C (Ω; R ) s ∈ [0, 1, · · · ] 階までの導関数が C (Ω; Rn ) に属する関数の
s
n
全体集合を表す.
C
C0s
s,α
(Ω; R ) C s (Ω; Rn ) ∩ C0 (Ω; Rn ) を表す.
n
(Ω; Rn ) H¨
older 指数 α ∈ (0, 1], に対して,s 階までの導関数が
H¨
older 連続な関数の全体集合を表す.α = 1 のとき,その
関数を Lipschitz 連続という.
5
Lp (Ω; Rn ) p ∈ [1, ∞) のとき,p 乗 Lebesgue 可積分な関数の全体集
合を表す.p = ∞ に対して本質的有界な関数の全体集合を
表す.
W
s,p
(Ω; R ) s ∈ [0, 1, · · · ] 階までの導関数が Lp (Ω; Rn ) に属する関数
n
の全体集合を表す.
W0s,p
s
(Ω; R ) W s,p (Ω; R) における C0∞ (Ω; R) の閉包を表す.
n
H (Ω; Rn ) W s,2 (Ω; Rn ) を表す.
H0s (Ω; Rn ) W0s,2 (Ω; Rn ) を表す.
その他
x := x + y
x + y を x に代入することを表す.