極微量不純物分析の性能評価 サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社 Technical Note EL14011 iCAP Qs ICP-MSによる超純水中の キーワード 装置と機器構成 ICP-MS /極微量分析/コールドプラズマ iCAP Qs ICP-MSの試料導入系の構成と機器パラメーターを表 1に示します。試料導入系は耐フッ酸系と低流量ネブライザーを 概要 このテクニカルノートでは、 Thermo Scientific™ iCAP™ Qs ICP-MSを用いた極微 量金属元素分析について、 その検出性能を報告します。 使用しました。 結果 検 量 線の一 例を図1に示します。Naは DL、BECともに0.1 ng/L 試験の目的 高感度モデル iCAP Qs ICP-MSを使用して、 1%硝酸液性におけ る各元素の検出限界 (DL)を調査しました。コールドプラズマモー ドと He KEDコリジョンモード(ホットプラズマ)を併用すること により、バックグラウンド相当濃度(BEC )と検出限界の向上が 以下が得られました。また、 Crに対する ArCの干渉は、コリジョン ガスを使わずに1 ng/L 以下に除去できていることを確認しまし た。 今回得られた DLおよび BECを表 2に示します。元素によりコー ルドモードと He KEDモードを使い分けることで、いずれの元素 可能であることを実証しました。 でもシングル ng/Lの検出限界値が得られ、極微量分析が可能で 測定試料 あることを確認しました。 検 量 線 試 料として、 1%硝 酸 液性で26元 素の0、250、500、750、 1000 ng/L溶液を調整しました。 まとめ iCAP Qs ICP-MSを用いて極微量元素の検出性能を調査しまし た。複数の測定モードを使用することにより、 ng/Lレベルの極微 量分析が可能です。 表1:メソッドパラメーター パラメーター ネブライザー スプレーチャンバー インジェクター インターフェイス 測定モード 高周波出力 設定 PFA100ネブライザー(自然吸引) PFA製サイクロン型 サファイア製 2.0 mm ID Ptチップ高感度分析用 コールドモード He KEDモード 530 W 1550 W 1.1 L/min 0.8 L/min コリジョンセルガス 流量 ― 4.2 mL/min(He) KED設定電圧 ― +3 V ネブライザーガス 流量 Technical Note EL14011 図1:1%HNO3液性における検量線例 表 2:1%HNO3液性における検出限界(DL )およびバックグラウンド相当濃度(BEC ) 測定元素 同位体 測定モード Li Na Mg Al Ti V Cr Mn Fe Ni Co Cu Cu 7 23 24 27 48 51 52 55 56 58 59 63 65 Cold Cold Cold Cold KED KED Cold Cold Cold Cold Cold Cold Cold (ng/L ) DL (ng/L ) BEC 測定元素 同位体 測定モード 0.01 0.06 0.08 0.2 2.0 0.6 0.6 0.1 0.3 0.3 0.3 0.2 0.3 0.003 0.05 0.05 0.2 5.0 1.0 0.5 0.07 0.3 0.08 0.2 0.2 0.2 Rb Sr Zr Nb Mo Cd Sb Cs Ba Hf Ta W 85 88 90 93 98 111 121 133 138 178 181 182 KED KED KED KED KED KED KED KED KED KED KED KED DL BEC (ng/L ) (ng/L ) 0.3 0.2 0.2 0.08 0.01 0.07 1.0 0.8 0.07 0.07 0.04 0.006 0.004 0.1 0.05 0.1 0.4 0.9 0.1 0.1 0.1 0.03 0.01 0.09 (DLと BECは測定試料中不純物量や測定環境に依存します) Ⓒ 2014 Thermo Fisher Scientific K.K. 無断複写・転載を禁じます。 ここに記載されている会社名、製品名は各社の商標、登録商標です。 ここに記載されている内容は、予告なく変更することがあります。 サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社 分析機器に関するお問い合わせはこちら TEL 0120-753-670 FAX 0120-753 -671 〒221-0022 横浜市神奈川区守屋町3 -9 E-mail : [email protected] www.thermoscientific.jp E1408
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